| 1 ケメ子の唄/ザ・ジャイアンツ ビクター SV-680 1968/2/5 (2:42) |
トップはNo.2に甘んじてしまったジャイアンツの「ケメ子の唄」です、本迷盤って書いてあります(うそ)。確かに通販の懐メロやGSのセットものでもダーツ・ヴァージョンが選曲されることが多く、こちらはずっと前に出たGSコンピや東芝FCの「笑ウィンドウ」(しかしこちらは買う気になりませんなぁ)位でしかCD化されてなかったわけ。大胆にも「ヨッパライ」から始めたかったんだけどさすがにそれは無理で、彼等に登場願ったわけです。いや、当時残された営業用インスト・アルバムのかけらをくまなく探せば、きっととんでもない「ヨッパライ」のヴァージョンが一つ位は出てきたかもしれないけどね.....そちらは次の機会ということで。このヴァージョンはピンキー・チックス「ヨッパラッタお嬢さん」同様寺岡真三アレンジで相当賑やかかつ長閑に仕上がり。ダーツの学生バンド色濃厚なサウンドに比べると多少芸能界色が濃いですね。 |
| 2 私がケメ子よ/松平ケメ子 東芝 TP-2006 1968/3/10 (2:28) |
「ケメ子の唄」が終ると間髪入れずにスタートするこのどサイケなイントロ! このCDで最もぶっ飛んだサウンドなのはこの曲の冒頭12秒かもしれないですね。幾つか登場した「ケメ子」便乗ソングの中から代表して登場。企画もの歌手にしては強力な歌いっぷりに圧倒される。萩原哲晶のクレイジー・サウンドとしては初期ドリフに続くものとして捉えていいでしょう。B面の「ケメ子の唄」はどのGSのヴァージョンよりもGS色濃いサウンドに仕上がってますが、それを収録したCD、及び次のシングル「問題はネ、ハートだよ」を収録したCDがいずれも入手困難となっているのは残念。東芝めっ。本当はこの後に滝しんじ「ケメ子がなんだい」が来るはずだったが、徳(以下フェイド・アウト.......) |
| 3 浪人ブルース/高木 門 大映 D-32 1968/3 (4:15) |
大映レコードならではのコンセプチュアルな仕上がりが痛快なノベルティ・ソング。盛り上がらない曲調で余計内容の哀しさが際立つ。特に「角材持って頭の体操」が泣けるね。女性のアナウンサーがニュースを読む場面はサード・レイルの「ラン・ラン・ラン」の影響? と書いた一文は泣く泣くボツにしましたとも。この曲はマスター消失のため板起こしとなっているが、高度なリマスター技術のお陰で数々の効果音がよりリアルに再現されているのは素晴らしい。 |
| 4 勉強セー/ザ・ハングリィ・ボーイズ クラウン PW-29 1968/5 (3:00) |
前の曲に続いて「受験生ブルース」の後を追った曲。テープ速回しを使用していないので新鮮。お坊っちゃんならではの爽やかな哀愁を感じさせる。しかしクラゥンのGSと同じように冴えないルックスだこと。彼等のシングルはもう一枚残されており、東芝ファミリークラブの『カレッジポップス・クロニクル』でA面が聴ける。 |
| 5 落第生バンザイ/ザ・ロビンフッズ コロムビア SAS-1084 1968/3 (3:33) |
迷曲「貫一お宮の唄」と両B面(?)にてリリースされた。これだけ落第落第連発されるとかえって爽快ですね。ちょっとだけサイケ風味が効いたサウンドはいかにもサブGS という感じ。 |
| 6 女の子は強い/フォーク・キャンパーズ ユニオン US-574-J 1968/3 (2:50) |
フォークルの自主制作盤に収録されていた米国のフォーク・ソングのカヴァー。アングラ・ブームに乗せられてメジャーに残したシングルはこれ一枚だけだったが、実は岡林信康の「友よ」でバックを務めていたり、URC系のコンサートに頻繁に出演していた名高いグループ。確か園まり主演映画のどれかに彼等が出演してこの曲を歌っているのを見たような覚えがある。うろおぼえはここでだけ公のものにしておきますっ。「誰かがどこかで」の問題になった歌詞は「レコードならユニオン」だったような。CDならクロニクル。もっと過激な「プレイボーイ・プレイガール」は例の『URC発禁ライヴ・セレクション』で聴ける。Get it while you can! |
| 7 どうしても女に勝てなかった悲しい男の唄/ザ・ジャイアンツ ビクター SV-704 1968/4 (3:01) |
「ケメ子」に続く2枚目のシングル。加藤和彦作曲で公認アングラをアピールするも、コケる。もしやフォークル初期から歌われていた曲なのかもしれないな。わざわざ書き下ろしする程余裕ないはず。この頃コロムビアとビクターと東芝は互いに因縁めいた関係を持っていて、新興の東芝の動きに老舗2社がおびえながら各々を威嚇し合っていたのである。ダーツ/ジャイアンツ/フォークルの関係はそれを象徴するものと言えそう。黛ジュンを巡るビクターと東芝のやり合いはもっと激しかったが.....いずれにせよこの3社の曲がこのCDでは仲良く同居してるわけだから今は幸せです。そうかぁ。獅子座の男は女難に付きまとわれるわけか。獅子座の乙女は大切にしなきゃ。 |
| 8 おやじのロック/フィフィ・ザ・フリー ユニオン UH-7 1968/4/25 (3:48) |
そういえばこのフィフィ・ザ・フリーの音源の完全網羅が実現できていないのも、業界の堪え難い掟があるわけで.....具体的には言えないんですが。とりあえずこのデビュー曲がクロニクル・リマスターにてここで再登場なので嬉しい。テイチク時代は2枚目のシングルのB面「恋の神話」(作曲は山倉たかし!)が未CD化。その次の移籍先で出した2枚のシングル(名曲「栄光の朝」他!)が収録されたCDの入手が困難でまたまた残念。ソニー何とかして! 最後のRCA時代は両面ともクロニクルで面倒見ましたけどね。まぁとにかく10曲まとめて聴ければ一番嬉しいのだ。歌詞カードをじっくり読みながら、サイケ時代のジェネレーション・ギャップ観に耳を傾けよう。 |
| 9 昭和二世/ザ・イーグルス ユニオン UH-5 1968/4/1 (2:59) |
ここからはLP「アングラ・カーニバル」本編。これは「カルトGSコンプリート・シングルズ3」にも収録されていたデビュー・シングル。ジャケット通りの純真なガレージGSの音に説教臭い歌詞、そしてテープ速回し。これこそ日本特有の現象、昭和元禄アングラ・サウンドである。 |
| 10 高校五年生/ザ・イーグルス テイチク SL-1235 1968/6/5 (2:37) |
このアルバムのプロデューサー的役割を担っていたのが作曲家の久慈ひろし氏であるというのは明白。アングラ・ブームで当ててやれと垢抜けないGSを引っ張ってきて、間に合わせのコミック・ソングを提供したと想像できる。これは何かのカヴァーかと思ったが、インスタント・ラーメン黎明期の作品であることを考えると書き下ろしという可能性の方が大きい。高校五年生とは実にイーグルスのイメージそのものではないか。 |
| 11 タコにゃ骨がない/本間正彦とアイドラーズ ユニオン UH-6 1968/5/5 (3:00) |
このアルバムに何故か2曲だけ間借りしているこのグループに関してはかなり謎が多かったのだが、粘密な調査(実は違う)の結果、ちょっとだけ詳細が判明したので下に書いておくことにしよう。これはユニオンUH品番の6番としてリリースされたシングルで、見た人も殆どいないレアもの。今回しっかりジャケットが載せられているので吟味するように(全然吟味するようなジャケじゃないが.....)。UHは7枚出ていて他がテリーズ、ハイローズ、イーグルス、フィフィであることを考えるとバリバリのGSであってもおかしくない存在であるが実は.....まぁ、テープ速回し使ってるし、アシッドなスティール・ギターの使い方もしてるからアングラではあるな。地球人の「たこちゃん」と共に聴きたいナンバーである。 |
| 12 青春ゴーゴー/ザ・イーグルス with 松島みどり ユニオン UH-5 1968/4/1 (3:28) |
「昭和二世」のB面として発表された曲。浪曲の口上をイントロとエンディングに持ってくるというアナーキーな手法が可笑しい。渚まゆみの「女ながれ者」はこれと逆のパターン(仁侠演歌をドサイケなインストでサンドイッチ)なわけだな。しかしこの歌詞も同じ位アナーキーである。「惜しかった」はWけんじのギャグですな。 |
| 13 拝啓カアチャン様/アンディ・ワード テイチク SL-1235 1968/6/5 (3:07) |
もう一人「アングラ・カーニバル」内の謎の人物がこのアンディ・ワードである。しかも彼はシングルもリリースしていず、このアルバムの中にだけ存在していた謎過ぎる人物。名前が外人なのに蓋を開けてみれば田舎訛りも強烈な演歌、しかもテープ速回し入り! この脱力加減はかえってサイケ効果を高めている。この謎の人に関する新事実がなんと判明したので、下の方でプロデューサー・中村俊夫氏に語って頂こう。そういえばテイチク専属の作詞家に高月ことば氏という方がいらっしゃったが、もしやワードの名はそこから来ているのかも。この曲はバタヤンこと田端義夫が64年2月発表したTBSドラマの主題歌のカヴァーである。サウンドから判断してカラオケも同一のものである可能性高し。 |
| 14 咲かせて頂戴愛の花/ザ・イーグルス テイチク SL-1235 1968/6/5 (2:27) |
イーグルスのリーダーでアレンジャー、菊地信一は相当ひねくれたセンスの持ち主だったということがこのアルバムの随所に現れているが、芸能界色が濃くなっていったGS界に於いて、デビュー作にしてこれほどまでメンバーの才能を前面に出した(たとえテープ速回しなどが妥協の産物だとしても....)のも珍しいだろう。そのひねくれぶりが強烈に現れているのがこの曲。愛まち子(一部に待望論あり、しかし何とかできるのかなぁ)が前年ヒットさせた曲をカヴァーしたものだが、なんとクリフ・リチャードの「サマー・ホリデイ」との合わせ技を披露。歌謡曲も解ってなきゃここまでできないですね。作曲者は「サイケ・カッポレ」同様曽根幸明氏。 |
| 15 ケメ子の唄/ザ・イーグルス テイチク SL-1235 1968/6/5 (3:16) |
アングラ・アルバムに不可欠な「ケメ子」。我らがイーグルスも果敢に挑戦。しかしこのイントロは強烈過ぎ。冒頭の9秒こそこのCDのツボであると言ってしまおう。元ネタは....言わずもがな。このヴァージョンは構成的にはダーツのものに準じているので(ニール・セダカの曲からサンプリングしたようなリフは入っていないが)、ジャイアンツとの聴き比べも容易に出来て面白い。 |
| 16 結婚してチョ/ザ・イーグルス テイチク SL-1235 1968/6/5 (2:57) |
かまやつヒロシがロカビリー時代に発表した超レアなナンバーをカヴァーしたもので、これも作曲者・久慈氏の意向で取り上げたものであろう。朴訥なガレージ・サウンドはStingrays of Newburghの"(What I Did I Do to Be so) Black And Blue"を連想させるが、唐突に挿入されるテープ遅回し(この場合は「テープ逆速回し」とでも言うべきか?)が可笑し過ぎ。よく聴くとビートルズの「アイ・ウォント・トゥ・テル・ユー」みたいにインドっぽい節回しを歌ってたりして茶目っ気いっぱい。なおこの曲にはテープ操作していない別ヴァージョンっていうのもあり、これはPヴァインからリリースされた「カルトGSコレクションVol.3」にひっそりと収録されていた。このヴァージョンだけしか知らない人にとってはこちらの方はさぞ吃驚ものだろう。 |
| 17 僕も男の子/本間正彦とアイドラーズ ユニオン UH-6 1968/5/5 (2:36) |
「タコにゃ骨がない」のB面。この曲と、2ヶ月後にリリースされた松平ケメ子の2枚目のシングル「問題はネ、ハートだよ」が殆ど同じ曲であるというのがまた吃驚の事実。歌詞はかなり違ったものとなっているが。あちらの方はヘンリー(シンガー・ソング・ライターとして活動する傍ら、吉永小百合「街のハト」なども手掛ける)作詞・作曲となっているが...恐らくこれも学生仲間の間で歌い継がれていた曲を「採譜」したものではないか。「ケメ子」と同じように。このヴァージョンはテープ速回しをキュートに配したところが他の曲と一線を画している。 |
| 18 好きだったペチャ子/ザ・イーグルス テイチク SL-1235 1968/6/5 (3:31) |
イーグルス唯一の自作オリジナルにして悪名高い「妥協の産物」であるこの曲、一応原曲を知らずに聴くと純真なGSラヴ・ソングとして楽しめるだろう。しかしぺチャ子とテープ速回しがのそのそと入り込み、場面は一気にアングラへ。 |
| 19 ゆうべ泣いちゃった/アンディ・ワード テイチク SL-1235 1968/6/5 (2:47) |
再度登場のアンディ・ワード、こちらは67年発表の八汐亜矢子のデビュー曲を、カラオケをそのまま流用してカヴァー。強引すぎるテープ速回しと訛りの挟み込みはまじでアシッド。ところでアンディという名は、小畑ミキの「グッドナイト・アンディー」、彼女の「恋のシーサイド」を作詞したサーフィン男・藤本好一の当時の歌手名、アンディ藤本など、テイチク内で流行りだったのだろうか。それにしても「ベーゼ」、完璧な死語ですなぁ。 |
| 20 あー神サマ/ザ・イーグルス テイチク SL-1235 1968/6/5 (3:06) |
「アングラ・カーニバル」LPのラストはケメ子理論を哲学的に展開した迷曲。上原賢六氏作曲だがこれは間違いなく書き下ろしだろうな。 |
| 21 俺は天下の色男/ザ・ルート・ファイブ エキスプレス EP-1110 1968/7/1 (2:21) |
出ましたよっ、GS史上最もしょーもない迷曲。呆れずにいられない曲でありつつも、絶対必要と信じて入れてあげました。B面の「リリー」が名曲であることを考えると、落差を考えても必要でしょうなぁ。あちらの方は「カルトGSボックス」に収録されていますが。ジャケ写もバカです。着ているものの事を考えるとイーグルス以上に。 |
| 22 サイケ・カッポレ/ザ・レンチャーズ ポリドール SDR-1370 1968/8 (5:02) |
この一曲のためにこのCDをお買い求めになるという方も僅かながら出現しそうな今回の目玉曲! ま、この一曲のために15000円出して「笑ケース」を買うって人が減るのは間違いない(私は違うよ、神に誓って)。曽根幸明先生と川内康範先生がフリーク・アウト。アナーキーでんなぁ。東○じゃ絶対出せないね (○芝ファミリークラブは出したのに...) 正体はムード歌謡のハニービーツという黒沢さん説は、どうなんだろうなぁ、ハニービーツってグループの存在を確認してないし (柴田晴代とハニー・ビーズのことだろうか?) そして本牧薫との関連性も謎。この曲に関してはもう徹底的に謎として楽しんでしまうしかないでしょう。それにしてもクロニクルの強力リマスター技術がここでまた炸裂。アドヴァンス・テープの段階でこの曲はまだマスター到着してなかったということもあり、今回のCDの音質には吃驚しました。「笑ケース」ヴァージョンが貧弱なリマスタリングだったので余計ですね。果たして日本に於けるサイケとは何だったんだろう。陶酔なんかじゃないよね絶対。 |
| 23 オケラの唄/キザーズ ユニオン US-655-J 1970/3/1 (3:03) |
唯一、1968年の作品ではない曲だが、この長閑さは全く違和感ないですね。1969年の内省ムードはいったいなんだったのかという感じで進んでいきます。68年ヒットした某曲もサンプリング(?)されているし。70年作品でこれに近いものを持ってる曲が、ペペとホリディ「キリン国国歌」とかまさるとしゅう「べが・べが・ぴあ・ぴあ」とか、主にポリドールに残されているので今度はユニバーサルにがんばって欲しいですなぁ。 |
| 24 あの日の恋/ザ・イーグルス (3:34) |
こちらが「好きだったぺチャ子」の原曲で、「結婚してチョ」の別ヴァージョン同様「カルトGSコレクションVol.3」のために発掘されるまで未発表だった。こちらの方には多少やる気が残っている。しかし当時のヒット水準から考えるとこれをシングルで出すってのはちょっと......いずれにせよ佳曲である。これでこのCDは平穏に幕を閉じるというわけだ。 |