お待たせしました! 緩音夕第5集公式レポート!
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まえがき
大阪での第3集、名古屋での第4集が、動員面は別としても質的な意味での大成功に終り、いよいよ緩音夕を軌道に乗せようと決意した丸芽。東京凱旋に附随するわだかまりもある程度消えて、初秋よりコンセプト練りを開始。意外にもハコはすんなりと決定。緩音夕に大いなる影響を与えたDJイベント「Tokyo Gentle Five」のここ最近の舞台となっている早稲田・茶箱は、まったりとしたフレンドリーな雰囲気と適度なアンダーグラウンドっぽさが魅力で、店長さんとも即時意気投合。こうして、回しやさんの召集が終了しないうちに日程と場所が決定した。
各々の回しやさんの横顔に関しては、各々の選曲リストと共に記すとして、このイベント開催に於けるソーシャル・ネットワーキングの影響はあまりにも大きく、既に4人中3人はmixiで御一緒している関係であった。しかも一人はmixiがなければここまで親密にはなれないだろうと思われた、 丸芽にとってはアイドル的存在の方だったのである。最終的には残る一人も開催直前にmixiに召還され(実は私によって)、このイベントは名実共にソーシャル色100%となったのである。営業に関しても、2、3の掲示板にカキコしたり、円盤や珍屋にビラを置く事は出来たのだが、大部分mixiの力に頼ってしまったのが仇となったか、いやクリスマス前でわざわざ気軽に来てくれる人が少なかったのか、大成功とは行かなかったが、少なくとも名古屋の時に比べると身内以外率が高かったし、瞬間的に紅白でのマツケンサンバ時に匹敵する大変な事態にもなったりして、ある程度は満足している。
「タイトルが月並すぎるって? うーん、読める人にだけ読ませとこ」というメッセージの真意は、実に明白。Saturday Night Spectacular略してSNSである。赤い文字にときめく人以外は解らなくてOK。
以下、あらすじといきます。当日はいつもやってるカレー屋さんでの壮行会もなし、終了後どうなるか解らないので高田馬場駅前のホテルを予約し、チェックインの後有名な「ザ・ハンバーグ」で腹ごしらえ。残念ながら行けそうもないことを表明してくれた某氏へのオマージュの意味もこめて。
4時ちょっと前に茶箱に着いたら、食材を仕入れに行っていた店長氏と入口で遭遇。続いてRainbow君とmayutanさんがやって来て、ちょっとだけサウンド・チェック。慌ただしく携帯が鳴り、スタッフ全員が揃わないまま開始することになりそう。そんな状況の中、まったりスタート。
「イノセンス」が基本テーマとなっている今回の緩音夕ですが、選曲には意外にも手間をかけました。一曲目からして何をかけようか相当迷ったもの! まぁベタながら無難なスタートということで『スマイル』のオープニング、そしてテーマとなっている「サタデー・ナイト」をガキ達の熱唱ヴァージョンで繋ぎました。このイベントで「サタデーナイト・ダンシング」はないですもんね(謎)。以下ひとことメモ。(3)-息もつかせぬ笛の音色がまさに束の間ハイテンションなインストの小品。(4)-殆ど顧みられることのない女性シンガーの78年度作品。リアタイで買いました。ユーミンを基準とするとロックっぽすぎ、ロックを基準とするとソフトすぎ....な宙ぶらりんな感じが、かえって今聴くと新鮮かも。アレンジは鈴木茂。(5)-ピエール・バルーの娘さんと「朝ごはん」にライナーを寄せたソプラノ歌手によるユニット。まったり感を突如遮るスライド笛がファニーかつセクシーな音。店長さんもびっくり。(6)-定番となったラトルズです。エンディングのピアノの一音に合わせて別のCDJのボタンを叩くパフォーマンスも上手くいった。(7)-食べ物繋がりで、なんとゆうこりん。思わず「やったっ」ですよ。(8)-師走だけに、第九。ヴァン・ダイク(苦)。オリジナル・シングル(プロモ盤や日本盤にある有名な"THE"はありません)でっせ。(9)-早すぎた才女の78年のデビュー作より。矢玉四郎さんが作詞してます。(10)-「棚の奥」の一枚に隠されていたトイポップ逸品。(11)-丁度恵比寿さんが到着したので、タイミングよく彼に教えてもらったK-POPの中では最も感銘を受けた女の子の名曲をプレイ。振り付けをちゃんと覚えておけばよかったな。ちなみに「ずっとずっと」という意味で、詐欺について歌った歌ではありません(爆)。(12)-これも「棚の奥」よりの名曲。童謡っぽいんだけど段々屈折していって.....アイドルっぽいルックスと裏腹に結構アヴァギャな人です。(13)-サエキさんプロデュースによるトッド・トリビュート盤より。次の日にライヴ会場で御一緒した渚十吾さんとか、ミクのあらゆる場所で交錯している○○○○さんも参加してらっしゃったんだな......(14)-三浦理恵子他によるモダンなカヴァー。島倉千代子、今きてます。(15)-カヴァー三連発。これも定番(但し緩音夕本体でかけるのは初めて)だが、一応御結婚記念ということで.....mayutanさんの目の前ではさすがにあの空手バカボンの歌は歌えないなぁ(爆)。(16)-ラストは昔池袋のレコファンで大量に買った100円K-POP(ではないな、実際)のLPより、超絶スキャットが耳を凍らせる一曲。フロイドの曲とは無関係のニセ邦題をつけてみました。合わせて最初の御挨拶。
「イノセンス」となればソフトロックやサイケ・ポップ担当を一人呼ばなきゃいけないと感じ、何人かにコンタクトをとってみました。あの「乙女ナイト」で大活躍したMさんをmixiで発見して声をかけたり......主婦業専念とのことで参加して頂けなかったのが残念でしたが。そしてもう一人脳裏に浮んだ重要人物がオレンジ君でした。英国ポップ・サイケ中心にポップのイノセントな部分を徹底追求する彼から教わったものは多いです。ここ二、三年交流が途絶えていたのですが、彼にとっても丁度過渡期だったようで、快く応じて頂くことが出来ました。とどめを刺すように、mixiに興味を寄せて頂いた彼を招待することにもなり、こうしてSNSのSNSたる部分が完結。これを機にハンドルネーム/回しやネームも改めての登場となりました。
予期していた通り全曲オリジナル・7インチでのプレイ、その音圧は茶箱の音響システムでも圧倒的存在感。やはり英国プレスのものは違うよなぁ。よく知っている曲から今回初めて聴く隠れ逸品まで、流れも考慮された憎い演出。普段この手の曲を聴かない人達もいいムードに浸って下さったようです。(7)のロジャニコのカヴァーにはびっくり。(8)はラストのクリスマス・コーナー用にも考えていた曲ですが、先に流されてむしろ安心しました。そして先のMさんも大好きな曲とおっしゃってた(13)で興奮状態が加速。よかったです。またやりましょう。
TGVからは、第1集「さわやか革命」でクドウハルヲ氏をスペシャル・回しやとしてお招きしたのですが、今回も茶箱でということでTGVメンバーのMASAさんをお招き。TGVの中では、さりげないネタで意表を突くプレイでいつも耳を楽しませてくれる方で、11月に出演した「City, Country, City」に続く課外活動となる今回も、緩音夕ということでさらなる意表突きが期待されました。
ソフトロックでピースフルな流れを突如遮るCKBのギタリストのソロよりの(1)でまずおったまげ、そこからミネコとイエスか.....帰ってからmixiの日記で曲目リストを見てからのおったまげ度の方が、実際曲を聴いている時よりもでかかったりする。それこそがMASAさんの回しやとしての持ち味なんですよ。TGVでも大塚愛とか流してたりするし、クインシー・ジョーンズの琴を使った曲とかもかかってたり。雑種とも思える流れが見事にはまっちゃってるのが凄いのです。これこそ緩音夕の醍醐味。今回は特に(5)〜(8)の流れにぐっときてしまいました。ラストはもちろん大合唱。元の元の歌詞まで飛び出して.....◯◯◯◯ルームエアコンってやつ。勿論私でしたけどね、それ歌ったの(爆)。
今回の超スペシャル回しやは、伝説のバンド「マサ子さん」で90年代初頭のイカ天シンドロームに特異な足跡を残して以来、インディ・ガールポップ界を中心にマイペースで活動を続けるmayutanさんです。元々mixiで私が主催している「宅録少女」というコミュに書き込みを残して下さったことがきっかけで接近し、9月行なわれたノーベルセルポエムのお菓子食べ放題イベントで聞かせた、独自のサウンド・システムによる子供レコードと戯れる特殊音響ワールドにまいってしまい、是非自分のイベントでもプレイして欲しいということでお誘いしました。結果的にハコの環境上、通常のDJシステムでのプレイということに相成ったのですが、それでも独自のガーリーな世界は健在で結果的には大満足でした。
初めて聴くアーティストが大半だったんですが、さり気なく貴重な音源も混ざっていたりして。(2)のBM2とは、彼女自身がbiceとハイポジのもりばやしみほさんと組んでるユニットなんですが、その未発表マテリアルが聴けたり、彼女自身の大人の青春バンド、apple・headの未商品化曲が入っていたり。あのリサ・ローブが日本の童謡を歌っている(3)とか、何とシャッグスの曲をプリティにカヴァーしている(5-もちろん辻加護ではありません)とか、同様にプリティに壊れているビートルズ・カヴァー(11)とか。海外インディ系の面白音源も相当入っていて、特に(9)が気に入ってしまいました。ナディッフとかもっと探検しなきゃな。ラストの方では得意の2枚がけが炸裂、そんな中に放り込まれた(19)が緩音夕の基本(といっても「バンクラプシー、バンクラプシー、破産、倒産」ほどトホホではないけど....)に基づいたものでなんか有難い気分でした。インプさんにも感謝です。
このmayutanさんのセットの中盤で、突如雪崩れ込むようにお客さんが大量に増加! すぐ後におしゃべりコーナーを控えた丸芽はいきなり緊張度がアップ。折角いい音響に囲まれているのに、どうすればいいのやら。まぁ何とかなるさとマイクを握って、役目を全うすることに専念。
ちなみに今回のおしゃべりタイムのBGMは『スマイル』の第3部の冒頭3曲。10分喋るつもりだったんですが、緊張のせいか約7分で切り上げ、その分次の恵比寿さんにちょっとでも時間を与える事にする。それだけ凄いことが起りそうな予感だったので......
さて恵比寿さんについては緩音夕ファンの方には改めて説明するまでもないでしょう。大阪と名古屋での緩音夕にもわざわざお客さんとして来て頂いて、お囃子係として大活躍する傍ら、突如乱入して会場全体を興奮の渦に叩き込むプレイを披露。しかしそのネタは恵比寿さん所有のものではなかったりして、果たして本来のコンセプトでフルに時間を与えたらどんなに凄いことになるか、緩音同志の皆さんは胸を高まらせつつ期待していたというわけなんですよ。
結果的には、見事にやられたー! と。機材との折り合いが上手く行かないところも多少あったけれど、短い(と言っても約1時間)セットの間にめいっぱいネタを突っ込み、所々に茶々を入れて盛り上げまくる。この楽しさこそDJの醍醐味ではないかということで、あまりにも見習う事が多すぎです。もっとでかいハコで聴きたいなぁ。加えてこの面白センス! 見て下さいよ、左の曲目リストの「ニセ邦題」の数々。これでもう彼の魅力にノックアウトですよ絶対。
テーマ曲はグレン・フライの曲の緩いインストなんですが、何ですかこの「ザ・ダイソーオーケストラ」って! やられた! 続くは80年代末期に人気を博したUKのボーイズ・アイドルの大ヒット曲。本来は「ライヴァルを消せ!」というトホホな邦題が、「ヨン様をぶっ飛ばせ」になるとは! 中ちゃんに行くと300円で売られていることが多い盤ですが、このニセ邦題で新たな魅力が加わりました。今回はノーザン・ソウルっぽいノリでお願いしたいとリクエストしていたのですが、それに見事に応えたナイス・チューンの連続で、緩音夕史上最年少のお客さんとなったNCP代表ヨッシーさんの御子息ゆうくんも思わずグルーヴィン(の直後、予期せぬアクシデントで泣き出してしまって.....ごめんなさい、こんな無秩序ワールドにお誘いしてしまって!)。そんな中アクセントとしてK-POPや「幻の名盤解放」曲も上手くはまって、また自身のプロデュースによるビーイングのエッセンスを消化したナイスな曲(38)もさり気なく登場。さぁオーラスで何をしたらいいのだろうか......思いっきりクール・ダウンになるのはしょうがないけどね。
気付いてみれば夜も更けてきて、おしゃべりタイムの時ほど人口密度が濃くない。おかげでかえってリラックスできました。この第2部の選曲、特に曲順は迷いましたね。2004年に亡くなった偉人達の内二人〜英国のアンダーグラウンド・ロック・シーンの父と言えるジョン・ピール氏と、全世界における60sサイケ/ガレージ再評価の先導者となっていたBOMP!代表のグレッグ・ショウ氏〜に対するトリビュートは是非行ないたいと思ってたんですが、タイミングを測るのが難しかった。というわけで話題の和楽器ユニットによる「戦メリ」を繋ぎにして、ジョンのおとぎ話朗読がフィーチャーされた(2)の前半をミックス。今回のプレイはクロスフェイド方式でなく、CD、レコード2系統づつ独立フェイダーを上げ下げするという方法で、宅録派としてはこっちの方がやり易かったし、やろうと思えば3枚、4枚がけも出来るということで、この利点を使って思い切ったミックスしてしまいました。ジョンがおとぎ話を語ってる間「戦メリ」からバブルガム手抜きB面である逆回転インスト(3)に繋いだり。次はグレッグさん追悼の番ですが、彼自身が歌ってるというわけではないので、彼がコンパイルした歴史的ガレージ・コンピ・シリーズ『ぺブルズ』の記念すべき第一集一曲目を飾った(5)を流しました(繋ぎの(4)は(5)のイントロをスクラッチしている実験的エレクトロ・ノイズの小品)。しかも元から針飛びしている『ぺブルズ』のヴァージョンをプレイ! これでもう満足です。御冥福をお祈りします。ビートルズのクリスマス・レコード1968年版は意外にも音響派的アプローチが垣間見れる妙な編集(ぺリキンをサンプリングしてたりする!)で、こういう場で是非かけたいと。これもできれば公式CD化してもらいたいもんですね。もちろんCCCD滅亡後に! 続く(7)はメロトロンやモーグをフィーチャーした哀愁サイケで、どことなく「さらばシベリア鉄道」みたいな曲調。そんなわけで本物を繋ぐという大技。Asano氏のリコーダー&オルガン組曲から、一番艶っぽい展開となる18分過ぎの約7分間を持ってきつつ、百恵さんの朗読ソノシートと先頃買ったばかりの妙なネタを混ぜ、ユルユル気分を裁断するようにカップスの(12)でテンション上昇。ニルヴァーナのニセグレゴリオ聖歌版(13)、これもmixiで魅力を再確認した俳優による怪カヴァー(14)、ストイックな宅録ユニットによるファニーでノイジーな(15)、あの阿木譲氏のヴァニティ・レコードに残された一般エレクトロ・マインドによるヤバいコンピ『MUSIC』に入っている病みスペクター・サウンドの様な(16)、そして超ダウナーなどサイケ(17)、フルートが唸りまくるドリーミーなサイケ(18)と来つつ、80sニューロマのバンドによる何故かジャパネスクな名曲(19)を閃きで混ぜてイノセントな混沌ワールドを展開してしまいました。こういうのって自分でミックスCD作る時はよくやるんですけど、ライヴでできるってのもまたいいですね。
さぁオーラスは楽しいクリスマス気分になるぞということで大定番曲(20)です。事前に歌詞カードを印刷し、マイク握ってシンギングシンギング! 本当は自分でカラオケ作りたかった程なんですが、そこまでの余裕もなかったし、IさんやOさんが来てくれればコーラスや楽器をやってもらおうとまで思ってました.....そして真のエンディング曲は、こちらも今年亡くなった偉人、あのテリー・メルチャー先生に敬意を表し、彼のプロデュースによるバーズのファーストのエンディング曲、例の「博士の異常な愛情」でおなじみの(21)で締めました。
回しやの皆さん、受付を快く引き受けて頂いたばや兄さん、あと忘れちゃいけない、お客さんにクリスマスの贈り物としてプレゼントした特別コンピCDに参加して頂いた素敵なアーティストの皆さん(これの準備にはイベント本体以上に情熱を注いだという気もします)、そして来て頂いた皆さんに最大限の感謝の意を差し上げます。今年もやるよ!
(2005年1月10日初出)
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