ルルルル・アーミー・プレゼンツ フェミニン・ライヴ・スペシャル

「春風のいたづら」

at: Studio 80 (オッタンタ) 2001年10月6日

スペシャル・レポートの巻


実は、このイベントを思い付いたのは、7月1日のDJイベント「さわやか革命〜緩い音楽の夕べ」を開催するさらに前の6月のことであった。蒲田Studio80の雰囲気にすっかり魅せられてしまった私は、なんとかここで理想のライヴ・イベントもできれば感無量だなと思い、早速お気に入りの音楽仲間達に声をかけ始めたのだ。その多くが関西在住であるという事実も意外にネックにならず、自分の考えるイベントは次第に形を取り始めたのだ。こうして会場押えも無事に成功。この時は本当、自分自身が一番大事な対象に過ぎなかったのだろう。
しかし「さわやか革命」が終ると同時に事態が徐々に暗転していくことになる。果して自分にはこのイベントをやり遂げる自信があるのだろうか。いろんな方向から重圧がのしかかってくる。それはルル網のweb活動質入れと全く無関係ではないのだけれど。とにかく、営業を重ねつつも、前日まで不安は続いた。でも、楽しみにしてくれている皆さんの、そして各バンド・メンバーの心に傷跡を残す真似なんて絶対したくなかったし。そのために何度も自分を奮起させてきたのである。迎えた10月6日は見事な晴天である。季節が秋に突入しようとしているその時、奇しくもこれは季節外れの「春風のいたづら」そのものではないか。
開場予定3時間前の2時に蒲田入り。ライヴをやり遂げるのにどうしても必要なマイク3本とスタンド、キーボード(他も兼ねる)スタンドを借りるため、Studio80の栗田さんとタクシーで近所のスタジオへ。何せ初めて故どのように場所を作るか四苦八苦しているうちに、各バンドの面々が到着し始める。トリを務めるソラネコが最初にリハに入るというのは既に決定していた。何せメンバーと楽器数が最も多く、しかも緻密なサウンド作りのためPAのマイク系統も沢山必要になってくる。PAのキャパの都合で限界は5本。その事でメンバーとの打ち合わせも必要以上に難航したが、まだマイクをセットしてない段階で始まった演奏は見事の一言だった。Studio80のフレンドリーな環境は、いかなる増幅にも勝るものだった。結局ボーカルに2本、生楽器に3本という風に割り振ったが、ギターとアコーディオンはマイクなしでも充分という気がした。
何とかセッティングが終了し、このあと地球人、エクレール、エーツー、カエル★ポルカの順で慌ただしくリハーサル。ベストの状態に持って行くまで予想以上に時間を要し、結局開場は30分押して5時30分。
まずはあらかじめ用意してあったDJミックスを流してまったりしてもらう。ライヴということでDJブースを撤去せねばならず、その代りに用意したのがこれだった。曲目は次の通り。
1.丹羽応樹/花のゆくえ (1978)
2.木村めぐみ/野いちごを両手に (1973)
3.乙女座/自由な私 (1973)
4.ポップコーン/千円の旅 (1973)
5.ノン・ノン/三つの花 (1973)
6.西玲子/恋は夢ごこち (1973)
7.藤真利子/裏窓から (1979)
8.ザ・ヴァイオレッツ/花咲く街 (1970)
9.冬子と夏子/田中君 (1973)
10.月と五ペンス/ゆきんこのすみれ (1974)
11.シャトレ/いちばん好きなあなたへ (1975)
まあ言ってみれば70年代初期の乙女フォーク、の中でも適度に歌謡曲的な大衆臭さと妙な洗練具合を持っている、「勝手にニッチ」な曲を中心に集めてみたのだが、これこそ「春風のいたづら」のコンセプトに符合したものだと思っている。なお(9)にはバカなリミックス処理を施してしまった。っつーか、この人達は早すぎた0930だな。
そして、「さわ革」と同じ決めの一言「ヒガシマルのうどんスープ、おいしいよ」の一言と共にいよいよライヴの部がスタート。一番手は大阪の誇るメルヘン・ポップ・花売り娘、カエル★ポルカ。大阪で2回、東京で1回、ライヴを見ているが、今回はいよいよ安定期に突入してきたなという印象。相変わらずおもちゃを多用しているが、ギター弾き語りでは時に骨太で時に色っぽい「表現者」的ニュアンスを漂わせている。最新テープ「ポルカ3」でのカラフルなサウンド展開もはっとさせたけど、今回のライヴは余計凄かった。もち、曲間のゆっきー節全開トークがよりボルテージ高かったのも影響していたけど。最初とあってお客さんの反応はややクール。でも彼女も負けてなかったです。
続く登場は今回のスペシャル・アクトとも言えるエクレール。今回唯一の東京バンドである。インディーズ・コンピとはいえCD収録も経験しているし、固定ファンも既に多数獲得していて、主催者としては頼もしい存在である。自分でも是非観たいアクトだったし。果たして上手く行くかなと思いつつ出演交渉が成功した時は本当嬉しくて。結果として非常にプラスだったのは言うまでもない。繊細なアコースティック・サウンドは80の音響的にはどうかなと思ったのだが、予想以上にまとまりいい状態で聴こえていた。むしろこの位が彼女達にはベストなのかもしれない。胸キュン度高い楽曲の連なりは、もっともっと聴いていたい気分であった。
次に控えしは今回最大の機密兵器、エーツーである.....当初から彼女達には真ん中に登場してもらおうと画策していた。どっちかに寄せてはいけないのである。お客さんの脳天をぶち抜く衝撃のパフォーマンスを演出するためには。そして予想通り、最初から飛ばしまくり。お客さんもどう反応していいか最初は解らず。しかしこれこそがハプニングの原点なのかも。アヴァンギャルドでありつつ、アイドル道を自覚するこの潔さ。芸能界と正反対の美がここにある。(これが妙な色気を持つ大人の思考にひっかかると、ついんずになる....) 特にマリリン・マンソンのカヴァー曲(?)で見せた破壊的パフォーマンスは語り継がれることになりそう。最後は古河名物、五家宝(「さわ革」でのヒガシマルのうどんスープに続く、意表を突くおみやげとなったな...)を配っておしまい。ここで初めて、泉のような喝采の声が湧き起こったのは言うまでもない.....しかも、持参したテープが全て売れた。凄い。エーツー、ありがとう。ビラのイラストも、ね。今日はインキャパシタンツやマジカル・パワー・マコとこの存在感で張り合っているんだろうなぁ(行けなくてごめん......)SPA! に載るのも時間の問題だ。(稾)
続いては地球人のお二人の登場。彼女達のライヴも過去3回観ているのだが、今回はギター&サックスのこにしさん脱退後初めて(前西宮で観たときもこにしさん欠場だったが、トロピカル大臣の30さんがギターでサポートしていた。30さん、今回わざわざどうもありがとうございます......)ということで当然新路線が期待できた。以前の代表曲「たこちゃん」のサックスのパートをシーケンサーに移し変えるなど工夫を重ねながら、より暖かさを増したサウンド作りに進化していて頼もしかった。今回は失敗が目立ったものの(今まで観た地球人のライヴがたまたま失敗が少なかったのばっかりだったのか???)それもまた彼女達らしくてgoodだった。東京のネオ・テクノ・バンドにはない団欒的雰囲気を今後も是非維持していってほしいと思う。
さあいよいよトリのソラネコ登場。トリに相応しい圧倒的存在感で堂々の東京ライヴ・デビューである。studio80の性格上、ストリート・ライヴっぽい雰囲気を活かせたのがかえってよかったのか、終始圧倒的な演奏が展開された。はたさとみ嬢の純真な歌声とまっすぐな視線、そしてバックの4人が紡ぐ暖かくかつパワフルなサウンド、瞬時に引き付けられてしまったお客さんも少なくなかったようだ。自分も「かまぼこ」では大合唱と拍手で応えた。ああ、本当に来て頂いてよかった。マイク問題なんて些細な過去だったんだなぁ。はたさんの妹の結婚式が絡んで日にちをずらした甲斐もあった。次の東京ライヴでは、もっと沢山の方々に観に来て欲しいです。
こうして、最終的には予定していた10時に全てのライヴが終了。今回の閉場テーマ曲は、亜木美子の「夏はゆく」(1975)。ああ、ときめきの夏はやっと終ったのだなぁ。そのために、ちょっとでも春風を送り込むことが出来てよかった。
もう一度、来て頂いた皆さん、全ての出演者の皆さん、そしてStudio80のスタッフの皆さんに、多大な感謝を捧げたいと思います。どうもありがとう。
自分の妄想だったかもしれないこの計画を、皆にとっての素敵な時間に変えてくれた全ての方々に。(この後に記載されていた隠しメッセージは未練がないため削除しました)

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