気ままな語り倒し過去記録。
Case 24:
強い大犬がおそろしくめくらになってCCCDを出さなくてもいいのに。
自分にとって2002年は幻滅と怒りが絶えない一年だった(えっあと2ヶ月あるって? その間に全てが好転するわけないじゃん)が、今ほど音楽的に幻滅が収まらない瞬間はない。いや、正直に言うと怒りではないのだが、周囲の状況を考えるとこのままでいいのか?と疑問符連発で夜も眠れないのだ。その訳は一つ。我が最愛のレコード会社の一つ、かつて身を尽し働いた場所でもあるビクターのコピーコントロールCD導入宣言である。
私がCCCD(敢えてここでは一般的名称であるこちらを使わせて頂く)に反対している最大の理由は、コピー防止を盾に、一般消費者が使用するハードウェアに対して動作不保証の訳解らない技術を導入するという、音楽本来の娯楽的意義を無視した姿勢によるものであり、決してコピー文化の邪魔するなんてうっとうしいという理由は含まれていない。自分のMP3に対する考えは前回のコラムでも書いた通りただ単に身軽だから付き合い易いというだけで、自分の心を揺さぶるものなら何でも買い物の対象だと思っているし、私製CD-Rに関しても市販のものの複製物なんかではない、自分なりの主張が入ったオリジナルなものが焼けるからこそ重宝しているのである。その点を全く配慮していない一般人があまりにも増えすぎたという事実がCCCD導入に繋がったということだが、果たしてエイベックスの言い分にビクターが同調すべきかというのは多いに疑問である。
考えてみれば、ビクターに於いて大幅に売り上げが落ちているというイメージは、自分の中には微塵もない。ここまで安定した供給が続いているのにはむしろ羨望である。確かにDAの最新作とか末期の19とかラブ・サイケデリコのセカンドは期待した程の数字に届かなかったかもしれないが、それは質的な問題にしかすぎないと思うし、活動休止とかしたアーティストの穴も、夏川りみ、麻波25、MINMIなど新勢力がちゃんと埋めている。アニメ系も常時好調に動いているではないか。売れ線の話ばかりしても仕方ないが、ビクターには他社の追随を許さない莫大な音楽財産があり、それを活かすチャンスはまだまだあるではないか。いつまでもライセンスばかりじゃ数字上がらないのは仕方ない(と言ってる傍らで、一番期待していた麻丘めぐみが外部販売者に持っていかれるというニュースが......悲しい......桜田淳子と違ってちゃんと自社で出せばいい線行くんだからさぁ)
うんちみたいな商品を垂れ流すレコード会社と全く同じ言い分をする理由なんてどこにもないというのが、これで解ったと思う。これだけの歴史とノウハウを持った会社がエイベックスに右へ習えというのが納得できない。少なくとも1975年までは今のエイベックス的立場に立たされていた東芝とか、ポニーキャニオン、ワーナーのようなまだ「老舗」とは呼べない会社がもがきつつ言い訳を発するのとは訳が違う。その上、これには「高精度カッティング技術による音質向上」という抜け穴的なものまで含まれている。
音質的デメリットを考慮したというのは吉田美奈子さんの言い分にもあったが、ミッドバーテックのCDS技術ってのはそれ以上に深刻な所を刺激するものだ。インチキなTOC情報によりプレイヤーの動作を撹乱するというヤツである。これが改善されない限り信用というのは回復しないものである。私はあるCD作品を巡る社外秘話を知っている故に、ビクターとCDS技術は永遠に無縁であると信じていたのであるが.....どういう風の吹き回しなのか。
結論としてやはり勇み足なのだと思う。でも仕方ない。ビクターの持つ最強音楽資産の一つである、モップス「ブラインド・バード」に対する同社の権限のことを考えると、勇み足になってしまうのもしょうがないと思う。でも、ちゃんと音楽を大切にしているファンのことも考えてほしいのである。(そりゃ前回のコラムで変なこと書きましたとも。でも私は「パンチ野郎」も「お花おばさん」も愛しているからこそ、軽くして常に側に置いているのであって。)
何より、我が最愛の、かつて身を尽し働いたレコード会社が、心無い者達の罵声を浴び始めるのを目にするのが一番辛い。自分がエイベックスに浴びせているのと同じような言葉を。そして、同じ松下グループのレコード会社達はどうなってしまうのだろう。(ユニバーサルの池田綾子は試験的なものと読んでいる。現にアルバムはCD-DAで出たし。もっとも、MP3のやりとりで音楽を作っているらしいアーティストにあんな仕打ちをしてしまう方が間違っている....そして残るは我らがTだけだ)
とにかく少なくとも、リイシュー部門と、プリンスの大傑作『レインボウ・チルドレン』を発売した一般洋楽部門(メタル部門はどうでもいい)だけは何としてでも守らなければいけないな。
信じる。正義は勝つと。しかしこのままでは最後に残るのはハロプロとビーイングだけということに!?!? 悲しい。