よりぬきルル網日誌 2006年11月〜12月の巻
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2006-11-01母なる大地に背を向けないで
勝負な61日間(-は絶対ないけど+はあり得る)のスタートというのにのっけから抜け殻状態ですんません。なんか鼻水が止まらないし。本当なら今日は勇気凛々で話をつけてくる予定だったのに(あと行くべき場所も少なくとも2ヶ所あった)。あまり無計画なのも考えものです。しばらくは綿密なスケジュール調整から逃げられない日々が続きますな多分。
たまたまきっかけを掴んでスパークス日本公演の様子を知ることが出来たのだが、色々と複雑な意見も飛び交ってるようですね。特にルル網ライヴとパッティングした東京公演に関しては、諸事情あって大幅に押したらしく。まぁ、本人達にいろいろ押し付けるのはいけないことだと思うけれど、主催者側の情熱は何者にも変えられないし。歴史的ライヴになったことだけは確かだと思う。自分もパッティングしてなかったら、まじで行きたかったよ。最後までいて終電に確実に間に合わないとなったら悲しいけど(ちなみに翌朝は仕事でした)。
最初にルル網オフをやる前に周辺の仲間で初めて集まった夜、山手線が止まって池袋の駅で寒い夜を明かさねばならなくなった事を思い出してしまった。旧ロフトプラスワンに午前2時頃までいて、その後池袋まで歩いたこととか。まだネットカフェとかが一般的ではなかった頃の話。今後ネタがない時はこういう話がばしばし出てくると思う。ただ、資料としての日記帳をひっぱり出すことが不可能になると思うので、自分の記憶を辿りつつというのは確実であるが。うんうん、手がかりは小出しにつーことで(謎)
リスペクトする海外のミュージシャンを呼んで超特別なルル網プレゼンツを行うことができたら、これ以上の幸せはないでしょう。それ以上の課題はパブリシティ力をつけることだ。経済事情は言うに及ばず。

2006-11-02 恋の聴診器
歯医者さん2ラウンド目。痛い時は痛いのだけど、一切の思考を殺して楽になってると全然苦しみを感じないから不思議。この心構えであらゆる事に臨めれば本望なんだけどなぁ(えっ?)。流れてる曲も癒し系女性ヴォーカリストの曲だったりして、これなら余計なこと考えずに済むかもね。最近はiPodとか持参した音楽を聴きながら治療できる歯医者さんやら何やらも出来てるらしいけれど。
思い出した。小学6年生の時に初めて本格的に歯医者さんに通った頃のことを。当時は滋賀県守山市在住だったのだが、父が大津にある歯医者さんとコネがあって、わざわざ車で連れてってくれたっけ。その時いかなる思いをして治療に臨んだか以上に、ある日流れていた音楽がピンク・フロイド(!)だったことが、鮮烈に印象に残っているのである。小6が歯医者さんでフロイドですよ。意識が曲がりかねないよな。 そんなこんなで昔話が次々と甦ってきそうな気配がします。ええ。だんだんと心が向うべき場所に向き始めてる。

2006-11-03蒸発のブルース
突然ですが関西にいます。理由は諸々ありますが、この時期に関西にいるというのも実に久々で、秋ならではの風情を感じますね。しかし、京都はさすがにきつい。一ヶ月前にして予約びっしり。というわけで今夜と明日の夜は心斎橋にいます。
往路、竹上久美子さんがイベントに出るというので、ちょっと京都に寄って来た。もう、新幹線降りて空気吸うだけでリフレッシュされますね。京都の全てが今心に訴えかけてくるという感じ。会場に着くと、丁度vo.とg.二人のユニット(?)が演奏してるところだったので、しばし観察。全く出来上がっていない状態(特にvo.)でこの場に臨まねばならぬのがあまりに可哀想だが、京都の空の下ゆえに救われたという気もする。vo.のがたがたさにg.も単なるカッティングさえまともにできない状態に陥ってしまってたし。
続いて世代もバラバラのサックス4人組がジャズから演歌から「スモーク・オン・ザ・ウォーター」までというとてつもないセットリストをまったりと。「SOTW」はメロを無難に吹いているだけという感じだったが、ギター・ソロの冒頭をまともに辿り出したので「おおっ!」と身を乗り出すも、難しい部分は完全デフォルメではないか。これはいかんよ。そういうわけで例のファイナル・カウントダウン・リコーダー版を見習いたまえと。
次もサックス3人組でこちらはまともなジャズ色を漂わせていたが、アドリブなしってのは淋しすぎると.....思ってたら予定の時間が。違う場所にいるのではないか? ふと立ち上がってちょっと移動したら、どこからか「四条大橋上空」が。もう始まってました。
めざましエントリー以来、表情がさらに凛々しくなってるという感じで、しかも新曲も次々と出来てるというから、今こそ超成長期ではないか。一般のお客さんを前にある程度手堅さを見せつつも、持ち前の奔放さも忘れず、あっと言う間。どうやらこちらのイベントは歌姫特集だったみたいで、次にjinaっぽい雰囲気の人が出て来た。ただ、歌姫だけを素直に楽しみ続けることが、5月の六本木ライヴを最後にまじでできなくなったみたいで。歌姫サポートに対しては冷静な姿勢でいたいんだよな。そう考えさせる発言を、随所で耳にするようになったので。かえって、「すべてをあなたに」の学生バンド・コンテストのシーンみたいな、なんでもあり故に緩すぎるさっきまでの雰囲気が心にぐっときた。
そんなわけでそそくさとバスにのり京阪の駅を目指すも、さすがのウルトラ渋滞でかなりだれる。何とか心斎橋に辿り着いて、動きっ放しだったiPodにちょっとエネルギーを吹き込もうと接続してみたら.......

.......えっ? 念を押して「手動アップデート」に切り替えておいたはずなのに! どうして?.......

.......9300曲、全部消えた。ひどいよぅ! これから5日間どうするんだよ! 今はF9があるから安泰だけどさぁ。幸い、こないだ「幽霊ファイル」と化してしまったため(初期化したのに!)、念を押して再エンコードしておいた「フーズ・ネクスト」とヤードバーズ約40曲がiBookのHDDに残っていた。これで乗り切るしかないな。それと「ペット・サウンズ」のポッドキャストを改めて。こういう時に役に立つんだな。
あとiPod向きではないとの判断でそれには入れず、外部HDDを初期化した際消えたため再エンコードした3枚のアルバムも残っていたので、判断を押し切ってiPodに入れておいた。その3枚とは、ジョー・ミーク「ニュー・ワールド」とシャッグスのファーストとノイ!の2枚目(爆)。ランダム・プレイ不可だな。
なにせ今回はネタ狩りするほど経済的に余裕がなく、行動力のみ全開というスケジュールなので。これで乗り切るしかないんですよ。

2006-11-04おやすみ大阪
かなり計画が狂った。モチベーション的にも曖昧だったし、明日以降に勝負沸点を設定してるので、今日は無理矢理攻めなくてもという想いもあり、とりあえず日本橋を抜けて通天閣まで歩こうということに。昔、天王寺から逆方向に歩いたので、手応えはあったし。
さすがに開かれた浪速の雰囲気は心をくすぐる。日本橋もメイドさんが思いの外増殖していたけど、表通りからちょっとそれるとかなりの風情で安心した。最早心斎橋〜難波近辺でさえ気分的には渋谷や新宿にいるのとあまり変わらないという感じだから(経済的に淋しいと余計)。タワレコもなくなったし。「ちょっと出ようよ」な気分には向いていないんだな。
よって、中ちゃん巡りは最小限に留めておいた。代りに、こないだ行ったHOOK UP RECORDSと並ぶ、関西インディーズのアンテナショップ的存在であるスピカレコードに初見参してきた。小じんまりした雰囲気で、感触的にはかなり乙女度が高い。よりファンシー度とマニアック度が高まったならば、相当理想に近づくんだけどなぁ。
それにしても通天閣の前はちょっとしたアビイ・ロード現象でかなり複雑な気分。昨晩はいい塩梅に眠れなかったので、今日は早く寝て明日は早く起きよう。京都となると一気に目が覚めそうだ。

2006-11-05アフタヌーン・ティーににしんそば
真の生誕地(はい、滋賀ではありません)に久々に降り立って複雑な感情に襲われつつも、無事に京都入り。色々あるけど今日はライヴの日ですから。来てよかった。

[実演鑑賞記] (11/5) oto umu voyage〜秋の日の遠足のように -autumn picnic song-@京都cafe ZANPANO

京都のディープ区域にいざ差し掛からんという場にひっそりとそびえるカフェにて、まさに遠足気分のライヴ。主催は乙女3人組楽団archipelago 。彼女達が迎え撃つのは、あの美崎悠たんも熱い注目を送るエコーマウンテン・デイドリーマー渚十吾、そして二人の乙女達。その内一人が、ここでは触れるまでもないOraNoaさんというわけで、彼女のオーラについてきたというのもあるが、考えてみればライヴで渚さんと共演するのを観るのは初めて! というわけで、充分ときめきましたよ。
ステージの後ろの窓のすぐ後ろを叡山電鉄が走り、その音が演出の一部として存分に機能していたといえる今回のライヴ。いつもながら独特の存在感で何気ない歌を繰り出す渚さんの背後に、いくつもの風景と幻想が。それらをつかまえながら音として絶妙に表現してみせる乙女二人のサポート。あ、やっと納得したな、という感じで見ていた。リコーダーも主にバスを中心に吹きまくったOraNoaさんの新しいオリジナル曲に、いつのまにかおかしなくすぐりを入れてみせる紳士。それもよかったけど、もう一人の乙女である豊田美和さんが初めて披露したオリジナルにやられた。初めてらしく手探りの塊のような楽曲なのに、そこには充分空豆テイストのオーラが。開放弦グルーヴというべきギターの響きが、いつの間に不思議な空間を作り出していた。彼女もリコーダーを吹いての参加曲があって、それにもときめいたし。
そして、その合間合間に暖かさを充満させるarchipelagoの音。特に目の前で演奏されるのは初めてのスティールパンの響き、コントラバスの重低音。繊細なメロディー共々、乙女らしさの極端を絶妙なスピードで駆け巡る音達。即座に魅せられてしまいました。
ああ、ピクニックとは自分も参加して初めて成り立つんだなと、やっと実感できた。乙女の皆さん+一名の紳士に、どうもありがとうと。そしてここじゃなければ発生しないだろうグルーヴを演出してくれたcafe ZAMPANOにも。

2006-11-06滋賀散策、インスパイヤby昨日のライヴ
昨晩はいい気分でゆったりと眠れたのだが、その前の2晩が色々な意味で疲れたためか落ち着いて眠れず、そのツケが来てかなりダウナー気分に襲われつつも、予定の行動を全うする。いやぁ、時間を扱うのって相当神経を使いますな。本気になるぞと心に決めた時と、いざやるぞというモチベーションがあらかじめ設定された時、それぞれに於いて気分の色が全然違うと余計です。
よって、思ったように本気にはなれなかったのだが、手応えは充分?んだと思う。これからがむしろ勝負なのです。
その間、自分にとって思い入れのある場所を色々訪れながら、滋賀県が直面している悲しみを肌で感じてしまう。一体どこへ向うのだろう。いつまでも長閑でまったりした滋賀であってほしいのだけど、個人的には。
守山のうどん処「庵」には牛すじカレーうどん(一日10食限定)というたまらないメニューができていたが、昨日の夜、ライヴ観た後たまたまそこにあったココイチに入り、関西限定品である牛すじカレーを食したばかりだったので、仕方なく断念。はも天はいつもながら絶品である。
石山寺のそばの喫茶店でコーヒーくずきりを食する。
我が幼少期を育んでくれた「よいこのもり保育園」がまだあったことに安心した。その一方で、絶望的気分を誘発するファクターもいくつか。敢えて書かないけど。
でも、歩いているだけで落ち着くんだ。なんて清らかな空気なのだろう。
夕刻になり、まだちょっと時間に余裕があったので、紅葉パラダイス跡地に出来た露天風呂施設にでも入るかと思って前を通ったが、一人じゃ侘しいし、今にも雨が降りそうな雰囲気だったので、そそくさと京都に戻る。案の定、電車がトンネルを出た時、物凄い量の雨が。
夕食の後、雨も止んだので、3月のルル網プレゼンツでお世話になったAfter Beatに顔を出そうとも思ったが、財布の中身が淋しくなったのと、のだめが見られなくなるのとで、結局諦めた。ここでならまたきっと面白いことが出来そうだと思う。
最終目標。それは、瀬田川のほとりで暮らす事。そこで好き者としての一生を全うすること。それです。

COMMENTS
ハコ: >ご無沙汰しております
レンダのハコです 初カキコ

実は実家が滋賀なんですよね
守山から電車で新快速だと、3駅です

丸芽: うわー、どうもありがとうこざいます(&すみません、折角大阪まで行っといて、またもT嬢にCD渡すの忘れました.....早めに郵送するかな)。
滋賀だったんですね。同志ですね! つーことは◯根あたりですか? あの辺も最近ライヴ・シーンが活発になってるらしいですし、いつかルル網プレゼンツをやれればと思います。本望は希望ヶ丘で野外フェス、なんですが(笑)

ハコ: >希望ケ丘!!
懐かしい、野洲ですね

丸芽: 野洲も栗東ももはや市ですよ。栗東には新幹線の駅を作るとかで今大変なことになってます。別にメリットないと思うのですが......

2006-11-07フー・アー・ユー
無事戻ってきました。天気同様、我が心も焦点定まらない状態で、そんな気分のままiPodにちょっとずつ曲を戻しております(何せ9000曲も一度に戻すのは負担かかりすぎ)。明日は重要会談なので、早く企画書をまとめないと。まず、メンツのことより重要な再検討ファクターがあるからな。はっきり決まったらここでもはっきりさせます。
エイベックスのトップ人事異動に動揺を隠せず。この動きは、これからの自分の在り方にさえ重大な影響を与えかねないので、冷静に見つめていようと思う。まぁ、先月31日の日記の最後の段落に至るまで気づかなかった自分も、充分痛いですけどね(具体的に書くと、その前の日のいいとものゲストが和田アキ子で、一番大きな花輪は所属レコード会社の現社長から贈られたものであった。それだけ)。

2006-11-09真昼の月をトゥィリティーラ
恒例の歯医者さんや諸用事を終えて自転車を走らせていたら、5メートル程離れた田んぼ道を小学生の女の子二人が歩いている。そのうち一人が笛を持っていて、おもむろに吹き出したからさあたいへん。.......結局1秒程で通り過ぎました。これで近づいて後ろをのっそり自転車押しながら歩いたりしたらまじで変態........と思わない人の割合はきっと0.01厘に満たないなきっと、世間体的には。
いや、こういう光景に出くわすだけでもう普通の神経ではいられなくなります。だって、もう廃れている風景も同然じゃないですか。確かに、かつては窓の外から笛の練習が聞こえてくるのはしょっちゅうだったけど、今はそれほどでもない。

つい先頃、松岡宮さんが招かれたBSの番組「熱中時間」が地上波で再放映され、録画してやっと見る機会に恵まれた。まじでテレビとは思えない光景が展開されていたけど(失礼)、ある意味納得もするんですね。そして、私がリコーダー(そのものというより、それを吹く人とか、音自体)に対して抱く憧憬的感情の根本も、実は宮さんの駅員観に近いものがあるんではないかと、改めて思ってしまいました。ええ、学生時代には一切オーラル妄想の類を抱くことなんてありませんでしたけど。確かに音そのものに対して抱く感情は、その頃から結構屈折していたかもしれない。朝のバロックの番組で聴いた甘美な旋律を奏でていた音が、現実のフィルターを通して全く違う風景を誘き出したり。
例えば、放課後の教室で、体育の授業が終ったばかりでまだ制服に着替えていない憧れの子が、そのままの姿で笛吹きながら近くに寄って来た時。そんな時の感情は一生脳裏に焼き付いて離れなかったりするし、その後誰かを好きになる度にその姿をフラッシュバックさせずにいられなかったり。それがもう少し大人になると、誰かの膝枕でその人の吹く笛の音を聴きながらならばいつでも死ねるとまで思うようになったり。 はい、不健康すぎるのでもうよしておくとします。ただ、一度は書かれる運命にあることなのははっきりさせておかないと。

今はいかなるプラトニックな妄想よりも「手紙」の方にたまらない魅力を感じたりしてる。やはり、これが基本なのではないか、と。

2006-11-12朝の窓をあける、太陽が光る、今日の希望だ小鳥がなく
やっぱライヴは演出する側が楽しめなきゃ意味がないと思う。その点で、今シビアすぎる局面を迎えているのだが、理想とするライヴに参加した後だとそんなのどうでもよくなりますね。というわけで。

[実演鑑賞記] (11/11) 第一回 くつしたサミット@蒲田Studio80

ルル網の対外活動を語るにあたって、大いなる扉として無視できないのが、2年前にmixi経由でくつした女史を「発見」したことであった。緩音夕プレゼント用コンピの為の曲を募って、彼女の独特の表現に打ちのめされたことが、自然とライヴ・イベント重視の方向にルル網を導き、そのプロセス上でさらに多くの素敵な表現者達との出会いをもたらしたのだから。
そのくつしたが、遂に初の単独自主企画イベントを開く。しかも場所はルル網イベント発祥の地であるStudio 80。これは奇遇以上の巡り合わせではないか。しかも5年前、そこで開催した最初のルル網ライヴに出て頂いた地球人の凱旋というおまけ付き。京都ライヴにくつしたを連れて行ったことが、まさかこの地で実を結ぶなんて。感動せずにはいられない。
主催者にも関わらず、演奏者としてはいきなり最初に登場し、会場のペースセッターに徹したくつしたさんに、まずはご苦労様と言いたい。お楽しみ企画も練られ、演奏の方もアコースティックで肩ならしした後、いつものペースに突入という感じだったが、会場の雰囲気もあってか終始リラックス・ムード。歌い手としての魅力がその分ダイレクトに伝わってきて、いい夜の予感を拡散していた。
続くアクトも、何気ない言葉の遊びがとてつもなく深い世界を誘き出していた高田明日路、まっすぐな歌の世界がいかにもくつしたの兄貴という気がしたしみずまなぶとお楽しみ満載だったのだが、間違いなくこの夜を奪ってったのは映像テロリスト、マッド・シティーに尽きる。
ほんと、言葉で表現すると意図がこんがらがるに違いない、そんなどえらい世界であるのだが、本来YouTubeみたいなのはこういう映像で溢れてなきゃいけないんだなとまず思った。でも、決して公共の場では晒せない、危険ワールドでもある。脳内で行なわれるMADなmix、ささやかに内輪で楽しんでニヤニヤ、そんな内に術中にはまってしまうんだなぁと。これは緩音夕の基本に通じるのかもしれない。応援します。
ふと気づくとお客さんの数も物凄くなっていて、あの「さわやか革命」を軽く超えていたと思う。そんな中、地球人が登場。音響的には、ヴォーカルのバランスがよくなかったという気がしたが(逆に例の京都ライヴがシビアすぎたと考えていいのかな)、魅せ方的にはさらに大胆になっていた。大阪を別にすると、京都や兵庫でのライヴよりも東京の方が、ずっと本領を発揮できるんではないか。そして、最後には拍手喝采の嵐。嬉しかった。いかなる風が吹こうが、彼女達を見守り続けてよかったんだと感じた。
そして最後は、小心ズ。先日のHOT SHOTでのルル網ライヴでは、むしろ小心ズの一部として機能させていただいた立場だったので、久々に、しかも彼女達と同じ地平でライヴを楽しめるという至福。客観的に見て、ああ、タイミング的にはこれが一番適切な形なんだなと思いつつ(今回の音響はくつしたさんが担当)、彼女達の放つヴァイブを絶え間なく受けとめる愉しみ。クロナツさんの割った黄瓜の破片がこっち側に飛んでくるなんてほんと、夢の様でした。
最後にもう一度、今後のくつしたイベントの成功を祈りつつ、ここまで満足できた夜を提供してくれたくつした女史に深い感謝の意を差し上げたいと思います。少なくとも、今までオッタンタで体験した内では最高の夜になったと思う。

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DJまつたけ: タイトルの「朝の窓をあける…」って、確かマジカル・パワー・マコでしたっけ。
丸芽: そうそう。何故そのタイトルを付けたかというと.....知ってる人は言わないで(謎)。
村田渚さんのご冥福をお祈りします(これも謎)。

2006-11-13Who Taught You To Sell Like That?
月曜日はのだめ......ということで、特に目立ったトピックがない時はこれ忘れてたな〜ということを無理矢理叩き出して書き逃げしたくなるわけですが。今年中に確実に買うアルバムはあと4枚のみと決めています。そのための財力をキープできるかどうかも不安なんですが、果たしてその中に加えることができるのか。それはスローンの新作"Never Hear The End Of It"のことです。
本国カナダでは9月19日に発売され、同日にカナダiTunesでも配信がスタート。続いて今月末にオーストラリア、来年1月にアメリカでの発売が決定したのですが、日本はと言うと、前作にあたるベスト盤のワンショット契約が、力を入れた割にタイミング的に上手く行かなかったためか、インペリアルは見捨てられ、日本未発売に終った前作スタジオ盤"Action Pact"の二の舞を踏まないか心配されているというわけですが。 しかし、とっくに発売されているはずのカナダ盤は、例の「輸入権」の煽りを食って、殆ど日本に入ってきていない状態。"Action Pact"の時は、カナダ盤(CCCDだった)が発売直後に入ってきたのですが、その時は輸入権云々がそれほど問題になっていない時期で(まぁ、そもそもこれが問題になり始めたのもCCCDのせいだったんだが)、日本のBMGも僅かながら当然の義務を果したのです。但し、輸入権は生きていたものの、スローンのアーティストとしての日本BMGとの契約は何故か宙に浮いてしまい、日本盤は発売見送られてしまいました(その割に2004年の元旦にBMGが出した新聞広告には、アーティスト一覧にしっかりスローンの名が......どうなってたものか)。その後インペリアルがベスト盤を出したことも絡み、BMGの輸入部はスローンについて無関係を装うことになったのでしょう。確かに米国や英国に比べると輸入ルートは多少ややこしいかもしれないが。
そんな中、独自の輸入ルートを持つアマゾンは、早くからこのアルバムの扱いを決めていたのですが、ページをチェックしてみると発売日が10月16日ということになっている。しかも、英国盤の発売が決まっていないのに「FROM UK」の表示が。そして、とんでもなく高い(30曲収録であるが、CDでは限界ぎりぎり1枚に詰め込まれている)。これだと萎えますね。カナダ盤を英国ルートに乗せて輸入すると、それなりに手間も時間もかかるわけだし。だから10/16発売ということにされていたわけだ。
それが、ある日何故か「FROM UK」の表示が「FROM US」にチェンジしていた。しかも値段はそのまま。この理由は、輸入ルートをアメリカ経由に変更するというよりも、どうやら米国でYep Rocが来年1月にこのアルバムを出すことが決まったので、早合点したと見ている。案の定、すぐに元の「FROM UK」表示に戻り、アメリカ盤のために別のページが準備される運びになったのだが(そちらは普通の値段。でも確かにあと2ヶ月待つのはつらい)。
まぁ、一番いいのはスローンの運営するマーダーレコーズが早く安住の地を日本市場に見つけてくれることなのだけど(ほんと、BMGの前に在籍していたユニバーサル時代は、母国以外だと日本が一番まともに売ってたというのに。世界的には厳しかったんだろうなぁ)。ダウンロード販売のこととか、弊害は沢山あるけど、いいバンドはやはり作品を手にするのが一番なんだよ! そして、沢山の人に聴いてもらって、来日公演に結びつけるのがベストだっちゅーねん! ボブ・シーガーやアル・ヤンコビックが国内盤発売無しという冷遇に晒されるのは悲しいけど、彼らまでとなるともうまじで洋楽マーケット(舶来ポップ音楽マーケットという意味ではなく、それを日本で売るための市場っつーこと)を完璧に信用できなくなるよ。
本当の話だと、先週あたりからカナダ盤がぼちぼちと入り出したようなのだが(ちなみにカナダのiTunesでしか入手できないダウンロード版には、2曲もボーナス・トラックが付いてくる! 限界ぎりぎりに突っ込んだのでパッケージに於ける差別化はこれで不可能ですな)、聴いた人は概ね絶賛している。もうまじ、今海外のバンドで一番信用できると断言する奴らのアルバムなんだからさ。したたかに待つのが一番健康によろしい。

2006-11-14書いてみるものだ
所用でお茶の水〜神保町を訪れる。となると、気にならずにいられないのが写真集やアイドルグッズの相場。やはり長澤さんが最も旬ですな。その一方で、ここ3日間で急速に価値が激変したと思われるあの二人。あわてて値札を付け替える様子が想像できます。でもなぁ、結婚とか出産とか、いくら相手がアレでも評価落とす理由にしちゃいけないと思うんだけどなぁ。そして、旬とか抜きにして一番凄いことになっているのが、平井さん。グループ時代の8cmシングルまで5桁価格です。もう戻れないからなぁ。
まぁ、いろんな意味で勇気が沸きました。この辺のいろんなものに関しては、最早思い入れもないのがいっぱいあるからね。勿論CDやレコードは含まないけど。
そして、その後代々木のライヴハウスBogalooへ。最初に出る予定だったアクトが都合により出演中止に。これ、ノルマライヴだったらまじで痛すぎだろうなぁ。はい、身にしみたつもりになっときます(謎)。いや、レニー・クラヴィッツのことを考えると、まだまだ痛くないとも。 という訳で時間が空いたので、週末イベントのトーク部分のあらすじを考えることに費やす。で、こういう予定外の有意義な買い物をした後に、まさかアレが出現することになろうとは!
まぁいいや、アレのためにモジョ温存&体力浪費してたんですから、2ヶ月近くも。これで閊えていたものの内7割位が取れましたよ。勿論他にもポジティヴ要素はあります。これに関しては明日を皮切りに少しずつ書いていきましょう。
とにかく、昨日の日記はしばらくなかったことにしてください。

[実演鑑賞記] 「Tokyo-Sora」@代々木Bogaloo

横長のステージが印象的(まさに春風堂向き?)な新鋭ライヴハウスにて行なわれた歌姫集合イベント。12/18のルル網ライヴが、紆余曲折を経て歌姫中心に方針転換となった今、嫌でも全力歌姫モードに我がアンテナを傾けなければいけないわけで、こういうチャンスは大いに活かさせてもらわないと。
最初に出演するはずだった未希さんは、諸事情につき出演中止。ちょっと濃度が下がったけど、その分集中力は増す。改めて最初のアクトに繰り上がったのは、
千早青さん。妖艶な着物に身を包んだミステリアスなお嬢さんが、のっけから独特のオーラを振りまきまくる。
既成のトラックを流しながら、ある意味クラシカルなヴォーカルというと、特定の歌姫のイメージが脳裏に形成されるのだけど(敢えて書きません)、この人の場合はダークでやばめの方向に傾きつつも、すっきりしたポップ風味を残している分、素直に引き込まれてしまうのである。ギタリストがバックに入ることで、人間味溢れるノリを出しているのもいいし。80年代ニューウェイヴのように分裂していない耽美さは、ヴィジュアル系以降の産物ならではか、それでも聴き終わった後ほんのりとさわやかな残り香が漂うのがいいね。というわけで、速攻.......もう少し黙っているとしますか。
2番手に繰り上げ登場となるのが、我等がさくらかおり姫。時間的ディスアドヴァンテージで客席濃度がいまいちだったとはいえ、この日のかおりんは見逃すと後悔度高かったですよ。実は自分も通してピアノ弾き語りだけで歌うライヴ見るのは初めてだったのだが、修行の成果が物凄く出てましたね。かんさんのようなリリカルなピアノ演奏にはまだ至ってなかったけど、その分を気合いでカヴァーしつつ、しっかり歌を聴かせることが出来たんだから、充分合格です。あの「女のソロ自慢」から1年でここまで達するなんて凄いです。今後もどんどん研磨の機会を持ってほしいです。この気合いさえあれば自然と高みに上り詰めることができるよ、きっと。
続くテノヒラは、自分たちのルックス的ディスアドヴァンテージを逆手に取ってソウルフルかつファニーな歌を聴かせる3人組。ヴォーカルのコのキャラをそこまで立てんでもと思ったけど、曲によってはかなりぐっとくるものを持っていたりする。そして、トリのコヤマナオコさんは、天窓界隈でよく名前を目にする一人。初めて聴いたけど、端的には矢野顕子系なのだろうか、ファニーな響きの高音部に特徴あるヴォーカル。ドラムとベースを加えて、グルーヴ感溢れる楽曲を聴かせてくれるけど、如何せん自分的には竹上さんにやられすぎたためか、二人以上はいらないなという印象を持った。リリカルなんだけどガンズン・ローゼズの影響を隠しきれない曲があったりするのは興味深かったけど。まぁ、天窓じゃなかった分、集中して聴けた(失礼)。

2006-11-17なないんちのしご・盤が異変
2001年3月を最後に更新を終了してしまっている60sポップ/サイケ45s紹介サイト"Psyrchlez"(注:現在は諸事情により撤去)。更新停止した時期は、今振り返ってみるとその手のブツ収集に対するモチベーションが一番落ちてたという明確な理由があるが(プライベートな理由もあるし、毎月リストを送ってくれてた某業者との付き合いが途切れたというのもあるけど)、あれからもいいネタがちょくちょく増えてたりするし、ブログという形で再開するというプランも一時考えたことがある。まぁ、レコードのレーベルから得た情報だけでおおっぴらに語るというのもリスク高いんだけどね。
それ故に、一時は関係者やコレクターの方々から追加情報を頂いたり、音源交換のオファーをされることも頻繁であった。新情報をわざわざ追加するのも結構厄介だったりするのだが(あと英語でお返事書くのも......)、ジャッキー・ロマックスの公式サイトの方から"ONE"の真相について教えてもらったり、エラスティック・バンド("Spazz")のリーダーの息子さんから隠密情報を頂いたり、あのドーン・イーデン女史から自分が持ってなかったネタ情報について知れて嬉しいとのお言葉を頂いたりと、想い出は尽きない。今はネット情報交換網もよりワイドになってきてるから、かつてほどそういうことはなくなってきてるけど。
それにしても、自分内では驚愕せずにいられない新事実を発見したりすると、このままじゃいられないと思ってサイトに手を入れずにいられなくなります。

長年愛聴してきたシングル盤にThe Scarlet Letterの"Mary Maiden"というのがあった。プロモ盤なので、両面に同じ曲が収録されている。英国サイケの香りを漂わせる幻想的バラードであるその曲は、音源交換の機会があれば入れる頻度が高かったし、自分用に音質をクリーンアップしてコンパイルした"Ultimate Psyrchlez"というCD-Rの第一集にも選曲したわけだ。もちろん"Psyrchlez"に於いても紹介した。
ところが、先日気まぐれにサイケ関係のサイトを見ていたら、この曲のプロモ・レコードに収録されている曲が、実は全く別の曲であるのではないかという疑問が提示されていたのだ。サイケ・コレクター同志による探求の結果、このプロモ盤に収録されている曲は"Mary Maiden"と別に存在していて、その曲は同系列のレーベルから同時期にリリースされたParaphernaliaの"Sunny Days (And Good Good Living)"という曲であることが判明した。また、"Mary Maiden"という楽曲ももちろん存在していて、同シングルの市販盤には当然そちらが収録されているとのこと。確かに、長年聴いていた曲には、"Sunny Days And Good Good Living"というフレーズは含まれているが、"Mary Maiden"とは一度も歌っていない。一方本物の"Mary Maiden"ではそのタイトルが何度も連呼されているそうだ。ちなみにそちらを歌っているThe Scarlet Letterは後にハード・ロック・バンド、サヴェージ・グレイスに発展したとのこと。
謎なのは、手許のプロモ・レコードに刻印されているマトリックス番号と、レーベルに記載されているそれが同じであることだ。これはどう考えても理解不能ミス。"Sunny Days"のマトリックス番号は"Mary Maiden"の2番後らしい。その曲がマスタリングされている原盤に違う曲のマトリックスが刻印されている? そんなエラーは前代未聞ではないか。確かに違うレーベルが貼付けられているという例は、市販盤にさえ存在するのだが(うちにあるプロモ盤にはもうひとつ理解不能なミスをしているものがあるが、長くなりすぎるのもなんなのでまた別個紹介する予定)。
てなわけで、もし私と音源交換して、その中に"Mary Maiden"が入っていたら、直ちに"Sunny Days (And Good Good Living)"へと曲名訂正をお願いしますね(うううっ、やばい.....まぁ、過ぎたことですからね)。
いずれにせよ、60年代のレコード・ビジネスは、花盛りでありつつもずぼらだったんだなというのがよく解る例でした。これらの曲を出しているメインストリーム・レーベルのレアなサイケ・アルバムの音源は、CD再発がない代りにiTunes Storeで容易に買えるという世の中であるが、こういうシングル曲までフォローしてくれるともっとうれしいんだけどなぁ。

2006-11-21結局君が受け取る愛は君が与える愛に等しい
ガチンコ勝負するだけの気力が風邪に削がれてしまったものの、折角変則インターバルで予約した歯医者さんをさぼるわけにもいかないので出かけたのですが、手持ちの新☆堂のカードがなんと明日で切れるでは! 500と数ポイントを蔑ろにしたくないのでわざわざ川越まで行ってきたものの、あそこってシステムがややこしいんだよね。ある程度までためないと有効にならないんならばそんな細かくポイント設定せんでもいいのに。というわけで、仕方ない。普通に購入です。ただ、ビートルズの場合は国内盤のライナーを読んでしまうとかえって逆効果だと解りきっているので(LIB裸、キャピトル1とCCCDだったので輸入盤購入に慣れちゃったし)、EU盤の癖してシングル1枚ついでに買っても国内盤より安いという結果を優先したわけです。まぁビートルズで照れ隠しという側面もありましたけどね。

◎ザ・ビートルズ/LOVE

問題作、とうとう解禁。シルク・ドゥ・ソレイユのショーでの使用を前提に、ジョージ・マーティン親子によって再構築されたビートルズ・マテリアルのアルバム化。主にこれが「新作」と謳われて煽られたことで、発売前から様々な議論が飛び交っていた作品であったが、私もちょっとずつながら断片的開帳を耳にして、これはマッシュアップという最先端の流行に対する大御所からの回答だというイメージを強く持たずにいられなかった。もともとビートルズ自体にそういうものを期待してるわけないんだし、ただデンジャー・マウスが
あんなことしたりしてるのを知るにつれ、合わせ技としての今作の出来が多少気にならずにいられなかったわけで。なんやかんや文句しか言ってない人は絶対デンジャー・マウスなんて知らなさそうだしね。
所詮サーカスと付随してこそ最大限の効果を発揮する音楽なのである。そういうのって、実際見たらいやがうえにも感慨深くならずにいられないもんね(「ウィ・ウィル・ロック・ユー」がその最たる例)。先入観はその程度にしておけばいい。さあ始まるぞ。
静かに歌い出される「ビコーズ」。微妙に持たせたタイム・ラグ、極僅かな音量で入れられる効果音が期待感を煽る。やがてアドレナリンを上昇させずにいられないあのコードが、そしてダムが一気に開かれるようにビートが始まる。これはサーカスなんだ。ロック・バンドの試練を超えた所に位置する音楽なんだ。
おなじみのあの曲の後ろでさりげなくいたずら笑いするあの曲。首を長くしたり逆立ちしたりしながら幻想の世界へと誘うあの曲。いちご畑は何もない所から次第に実りを増して最後には大いなる幻想の園へ。そこには予測不能なサイケデリアが、しかし決して破滅の方向へと向わせない。大いなる歓喜の声と拍手喝采、最後にお約束の大合唱。愛こそはすべて。
そんな世界が約78分。ビートルマニアにとっては試練であり、これからビートルズを知る者にとっては果てなき迷路の入り口にもなる。ただ、一番素直に歓迎しそうなのは、今までCDでしかビートルズを聴いたことがない若い世代だろう。とにかく音質的にはかなりの生々しさ。「アンソロジー」ではあえて昔の機材に拘って失われた歴史の再構築に挑んだマーティン班が、敢えて最新テクノロジーでちょっとした歴史の続きを作ろうという意気込みが伝わってくる。
「ホワイル・マイ・ギター....」のオーケストラ・アレンジは賛否両論ありそうだが、これはちょっと前の「ジョン・レノン・アンソロジー」での「グロー・オールド・ウィズ・ミー」の延長線上にあるものという感じで、ポールの曲にスペクターがした仕打ちのことを考えると、これはスペクター支持組J&Gへのしっぺ返しと見るべきなのか。天国へ行ってしまった二人を横目に、未だ生けるスペクターは果たして何を思うか。先のデンジャー・マウスの他にも、ニールの「ホール・イン・マイ・シュー」やらXTCのデュークス・オブ・ストラトスフィアやらポールの「リヴァプール・サウンド・コラージュ」やら果てはビデオ版「フリー・アズ・ア・バード」やら、あらゆる「挑戦」に対する答えが集結してるような気がして興味深いのだが(ついでに「スマイル」もかなりの啓発材料となってる気が)、最後の最後にあのスピーチを入れて締めるとは! これでほくそ笑まずにいられないのは、レジデンツも聴き込んでるビートルズ・ファン位だろう。
というわけで何周も聴いてるとまた新たな楽しみが見つかりそうな(まぁ、明らかにこれは冷酷だと思える箇所も幾つか見受けられるけど)盤であるが、発売2日目、購入日に書けるのはこの位のものである。あ、あとありもしない所に突然クラプトンが登場(しかも無化粧)するので注意!

2006-11-22LOVE can be suicide (寒中水泳!)
チャド&ジェレミーが問題作「キャベツと王様」(あまりにも進歩的でコンセプチュアルなアルバムではあるが、録音データによると9割は「サージェント」の発売前に出来ていたというのが恐ろしい)を発表した時、当時ジェファーソン・エアプレインを率いていたポール・カントナーは「ポール・サイモンならこの程度のことを3分間で表現できるさ」と酷評したらしい。
彼が今「LOVE」を聴いたら「ザ・レジデンツはこの位のことを3分間で表現してたさ、30年も前に」って言うのだろうか? (余談ながら名著「踊る目玉に見る目玉」の206ページにレジデンツとポールらが共に写った写真が掲載されている)

というわけで発売3日目に突入した「LOVE」。月曜発売、フラゲ不可というディスアドヴァンテージで昨日集計の週間チャートには食い込めなかったものの、一昨日付けのデイリー・チャートではなんと1位。ビートルズのネーム・ヴァリューの突飛なまでのでかさを今なお思い知らされるわけだし、買う方もわかっちゃいるけどやめられないってなものだろう。ただ、パブリシティの暴走ぶりは前の「レット・イット・ビー…ネイキッド」程ではないと思うし、あのアルバムの中古盤(特に国内盤CCCD)が大手中古ショップのビートルズ・コーナーの殆どを埋め尽くすという現実が買い手の好奇心にブレーキをかけたためだろうか、一般論としてはほんと、概してクールであると思わざるを得ない。

やはりシルクのショーを目前にしないうちに終末的結論を出すのは良くないと思うのであるが、例えばmixiのビートルズ・コミュ(自分はB関係で入ってるコミュはというと、「LOVE」には選曲されていない某名曲をテーマにしたものと、ウィングスのコミュ位のものであるが)を覗き見した限りだと、クールを装いつつも激しいディベートが行なわれていて、何か考えもんだなぁとは思う。某巨大掲示板になると話は別となるのかもしれないけど、そこまで見てる勇気はないし。LIB裸の時はまだmixiもなかったので、そこばっかり見てたわけですけど(ここだけの話)。

ただやっぱ、デンジャー・マウスやレジデンツまで聴いてないのは解るにせよ、ブライアンの「スマイル」位は聴いておけよと言いたくなるんだよね。ジョージ・マーティンがここまで奮起した裏には、どう考えても「スマイル」の存在が絶対的にあるとしか思えないのだけど。シンプルなタイトル自体にまでその影響が及んでる、てことはないにせよ(シルク側の提示ですからね)。
ビーチ・ボーイズとビートルズの音楽的キャッチボールに関しては、今更触れるまでもないと思うが、「スマイル」コンサートのバックステージでのブライアンとポール、もしくは先頃出た「ペット・サウンズ」40周年DVDに収められたブライアンとジョージの邂逅を見るにつれ、現在に及んでも決して無視できない因果関係が両者の間に続いてるんだなと思うのだ(その辺の材料がビートルズ側から提供されていないのが悲しいのだけど。「アンソロジー」の一部位か)。
時代の波に傷つけられながらバラバラになった音楽のピースを、やっと時代そのものによって正当化され、クリーンな身体と精神を携えて甦った作者自身が精巧に再構築して出来上がった「スマイル」。そのプロセスに奇跡的な感動を覚えずにいられなかったジョージが、少しでもその方法論を与えられた仕事に反映させようとしたのがよく解る。その素材が、時代の波に傷ついたピースではなく、時代を飾り立てた完成品を構成していた要素である、そこが大きな相違点なだけだ。
そう、ビートルズはこの作品に於いてひとつの「コンセプト」なんだと。アーティストではなくて。ビートルズがコンセプトとして「サージェント・ペパーズ・ロンリー・ハーツ・クラブ・バンド」をでっち上げた、その正反対。コンセプトに転じてしまう彼等自体。
レジデンツの76年作品であるシングル「The Beatles Play The Residents and The Residents Play The Beatles」で行なわれているのは、まさにそれだったのである。殆どアブストラクトに重ねられた素材は、ビートルズがコンセプトと化してしまっているために見事に「ポップ」の破片に転じてしまってるのだ。それ聴いてショックを受けたからこそ、妄信的フリークに傾くことなく、歪んだビートルズ・ファンとして人生の3/4以上を過ごせてきたんだなぁと思う。
そして今回の「LOVE」は、ジョージ・マーティン自身により正当に行なわれたそれだ。きっと。
この作品の最後に65年クリスマス・レコードの断片が持ってこられたのを聴いて、目から鱗。やはり解ってらっしゃったんだな。先のレジデンツのシングルのエンディングでこだましていたのも、実はそれだった。
あの悲惨な映画版「サージェント・ペパー」のサントラをプロデュースしたのも、最早別に汚点と捉える必要はなさそうだな。この人の仕事にはもう異論を唱える必要はない。

2006-11-23捕獲記外伝にまで至らせたくない話
何気なくiTunes Storeの新着見てたら、あのノートン・レーベルのガレージ系音源が大量入庫してるでは! その辺、探求し出すときりがないしさぁ。で、予期せずリンク・レイの「Rumble '69」を発見。未発表曲、レア曲を集めたアルバムに、Mr.GレーベルからのシングルB面「Mind Blower」と共にしっかり収録されていた。といっても、アルバム全部落とすだけの財力残されてなかったし(「プリーズ・プリーズ・ミー」だけ既にコンピで持ってた)、とりあえずこれは是非聴かねばってことで1曲だけ落とすことに。6分11秒もあるのか! 気合い入ってるじゃん。ちょっと試聴したら普通の「ランブル」とあまり変りないが、きっと曲後半で大胆な展開に向うんだろうなぁ。
何故かかなりトラフィックが混雑してて、落とすのに時間かかったのだが、何とかダウンロード成功。早速聴いてみる。あれっ、結局普通の「ランブル」じゃん! ちょっとエフェクターをかけて、ハーモニカをダビングしただけ。ほんとにこれがMr.Gから69年にリリースされたシングルなのか? それを考えて聴くと全然ヘヴィじゃないじゃん。で、2分30秒でそっけなくフェイドアウト。しかしトラックはまだ進行中。しばしの沈黙のあと、訳判んないシークレット・トラックが。これで6分11秒。やられたよぅ。これのために150円だよぅ。アルバム全部落としたとしても、シークレット・トラックの正体が解らないままじゃかえって混乱するばかりだし、まして単体じゃ余計(ちなみにMoga Hoopのアルバムの隠しトラック「あれ」はiTunesで単独の曲扱いとなっている)。あああ、やはりパッケージの方が有難みがでかいんだなと再確認。
そういうわけで、あの時FENで聴いたとんでもない破壊力の「ランブル」は一体何だったのか、余計謎が深まる。恐らく70年以降、密かに再録音したヴァージョンなのか? リンク・レイに詳しいサイト行って追及してくるか。で、そんなものを平然と「58年の大ヒット曲」と銘打って流すFENのオールディーズ番組もあまりにアレだけどさ。フランキー・アヴァロンとかその辺のディスコ・リメイク版に対しては絶対そんなことしないくせに。ただ単にハーモニカをダビングしたヴァージョンを「リメイク」として出すアーティストの方がまだまともに思える。
で、今日は「キャロライン・ノー」を聴きまくりなのです。っても、ショートにしたコニタンもなかなかきまってると思うわけですけど。◯上さんに似てるよな。小顔ゆえに。

2006-11-26人事だと思ってるときっと泣きを見るわよ
古いビデオ再整理計画を何となく進めているのだけど、何故か比較的に手が届きやすい位置に「ウィ・アー・ザ・ワールド」のメイキングを録ったビデオがあって、アレっと思いつつも引っ張りだし、ついつい見入ってしまった。もう20年もまともにプレイしてなかったVHSにも関わらず、驚く程画質が良くて、同時期のアレやアレをもっとまともに録っとくべきだったという後悔は別としても、いかにこの20年間、これを全く顧みないかを露呈する結果となってしまった。
確かにチャリティ云々とか、それの源泉としてのこの曲の存在意義とか、そういうのを考えると、流行音楽最前線を決して楽観しようと思わない立場から見れば、こんな曲なんてぷーぷーだなんて思わずにいられなくなるのだが。でも、確かにこうやって大スーパースター達が集結し、一つの目標に向って力を惜しまない様を見ていると、自然に圧倒されるわけなんだよな。
で、この曲に対する敵対視的立場をエスカレートさせた理由に、プリンスがいかにしてこの曲に関わろうとしなかったのかを知ったからというのもある。スーパースター達の交わりに関わりたくなかったというのは解るにせよ、よくよく見るとファミリーだったシーラ・Eがそこにいるのを確認できるし、USA・フォー・アフリカのアルバムの為には「4・ザ・ティアーズ・イン・ユア・アイズ」を提供している。いずれにせよ、この曲を巡る彼の見解に関しては、シングル「ポップ・ライフ」のB面に収録された「ハロー」を聴くだけで一目瞭然であるが、そういったプリンスの姿勢をかっこいいと思ったからこそ、WATWの胡散臭さが鼻についてしょうがなかったのだろうな。
で、当時の産業ポップ界のスーパースターと、米国音楽界に花を飾った大物達(確かに、レイ・チャールズとポインター・シスターズの内一人を除く全員まだ生きてるし、大半は健在だ)が集まったこのセッションに、あの人達が欠けているのは何故か、はたと気づく。うわべだけのポップス愛好者なら、絶対参加しててもおかしくないと思うだろうに。そう、ビーチ・ボーイズ。
WATWが発表された85年には、デニスを失って団結力が固まったビーチ・ボーイズがセルフ・タイトル・アルバムをリリースして復活し、「ライヴ・エイド」のステージにも登場した。勿論ブライアンも参加していた。アメリカズ・バンドのメンバーがここにいても何らおかしくないのに。それはやはり、それまでの数年間に渦巻いていたパーソナルなモヤモヤがまだ晴れてなくて、スーパースター達の輝ける表舞台に混ざってしまうとどうしても違和感が出るに違いないと予測できるわけだが。確かに和気あいあいと談合する偉人達の中、ディランは異彩を放ってたけれど、カールやブルースはまだ解るとしても、ブライアンがその輪の中でわいわい談笑してる所なんて想像できないし。
もう一つ、深読みすると、WATWのプロデューサーであるクインシー・ジョーンズと、フィル・スペクターの間にあった確執。それを熱烈なスペクター・シンパであったブライアンが知っていたのかもしれない。だからこそクインシーと仕事するのをためらったのかも。
63年、「涙のバースデイ・パーティ」という楽曲を巡って、クインシーとスペクターの間に壮絶な争いが起こっていた。先にスペクターが目をつけ、ロネッツ用として既にセッションを進行していたこの曲に、クインシーも新人レスリー・ゴーア用に最適なデビュー・マテリアルを探していた時遭遇。しかし、その事を知らなかったスペクターは、クインシーとある時顔を合わせ、うっかりこの新曲のことをしゃべってしまった。焦ったクインシーは、大急ぎでレコードを仕上げ、レスリーのデビュー曲としてリリース。結果は全米No.1となり、スペクターはしてやられたというわけだ。
後にブライアンがスタジオでプリンスとすれ違った時、ワーナーの御偉いさんがブライアンにつき合いっきりで自分の新曲を聴いてくれなかったからという理由でシカトされたというのにも一脈通じる話だが、両者のWATW不参加に対するスタンスの正反対さにもまたトホホである。ブライアンとしては参加しろと言われたらしたかったんだろうなと思うが。マイク・ラヴはわからないとしても。
コーラス隊の後ろの方で地味ながらも喜々として歌っているリンジー・バッキンガムを見ると、いかにも「俺はブライアンの代りにここにいるんだ」ってな気持ちをありありと感じるのは考えすぎだろうか。
ともあれ、21年経ってやっとこの曲の意義をまともに受けとめようという気になったのは、今アフリカよりも近い所に違った意味での悲劇が溢れすぎてるからなのかなぁ。

2006-11-27林檎の気持ちはよくわかる
別の所で「ビートルズネタはまだまだある」と言っておきながら、23日以降出し渋ってたわけですが。うん、かえって多くを語らない方がいいんじゃないかと。「LOVE」の一曲一曲について詳細に語り始めたりしたら、それこそ今年いっぱいかかるのは確実だしね。18日に向けて本気になるためにも、そんなスタンスじゃいられないと。
で、今日のきっかけは「カム・トゥゲザー」が終盤盛り上がるにつれて「ディア・プルーデンス」に浸食されていくパート。最後にはリンゴのステディなドラム・ビートがいきなりポールのせせこましい16ビート・ドラミングに切り替わるわけで、その瞬間たまんない落下フィーリングを感じずにいられないわけだけど。「ホワイト・アルバム」制作中、嫌気がさして「ちょっと出ようよ」モードに入っていたリンゴの代りに、ポールが数曲ドラムを担当したことは周知の事実だが、その不和状態を露呈するような繋ぎまでも「LOVE」を主題とする作品の一部として立派に成立している事実ってやはりマジックなのかな。
そんなポールのドラミングが聴けるもう一つの代表曲と言えば、同じく「LOVE」にも収録されている「バック・イン・ザ・U.S.S.R.」だが、格好のホワイト・アルバムの一曲目から外されたリンゴの逆襲が、解散後思いがけない形で実現する。この曲の、アル・ヤンコビック風に言えば「スタイル・パロディ」の対象にされているビーチ・ボーイズが、80年代初期に行なったツアーのレパートリーにこの曲を取り入れる。そして、84年の独立記念コンサートで演奏された際には、何とリンゴがドラムで参戦しているのだ! 多分マイク・ラヴが言い出しっぺだと思うが(68年当時、メディテーション修行を共にしていたポールに「ソ連(当時)の女の子のことを歌詞に取り入れたらいいと思うよ」とサジェスチョンしたのも彼だそうで、まぁいつものビックマウスって線もあるんだけど)、彼もしてやったりだろうな。ちなみにこの音源はファン・クラブ向けのスペシャル盤で僅かに流通したらしいが、レコード上での両者の共演も昨日触れた85年のアルバム「ザ・ビーチ・ボーイズ」で実現している(曲はオリジナルだが、何となくセルフ・パロディみたいな)。
リンゴの茶目っ気溢れるしっぺ返しはまだまだ続く。ビートルズの記念すべきデビュー曲「ラヴ・ミー・ドゥ」(62年)でも、ジョージ・マーティンの主張でセッション・ミュージシャンにドラムスツールを譲る事になってしまった彼だが、36年後に出したアルバム「ヴァーティカル・マン」でこの曲を自ら歌ってカヴァーという禁じ手に出た。もちろんドラムも彼自身が叩いているが、同盤の他の曲では何とエアロスミスのスティーヴン・タイラーにドラムを叩かせたり、プロデューサーとしての反則技がかつての屈辱を見事に笑い飛ばしている。参加面子的にも、このアルバムこそリンゴのソロの中では最高作、いや90年代を代表するビートルズ・アルバムと呼んでも過言ではないと思うのだけど。

「LOVE」の公認マッシュアップを聴いていて、また別のアルバムのことを思い出したりもしたのだけど、これは結構リスクが高そうなのでまた別の機会に。つーか一昨日奮起したのがたたったのか、またしんどい。うううっ、あと3日以内にベストな状態に持っていけるだろうか......

2006-11-28目ん玉が右によっちゃった
今日も懲りずにビートルズネタ、いや「LOVE」を入手して一週間、色々と探っているうちに、制作プロセスそのものの面白さを更に掘り下げた結果、最近忘れていた色々な事が再び脳裏に甦り出したような気がする。即ち、合わせ技が本来持っているヤバさ。それがまた刺激的に感じられてきて。最早マッシュアップなんて概念よりももっと凄いものがあるんじゃないかと。
で、「LOVE」のエンディングからレジデンツの76年のシングルへと引き戻されたわけだが、本来レジデンツ自体再構築の異端として認識しておかねば。学術的な面構えをしつつ裏では邪悪な微笑みをたたえていた「エスキモー」をよりによってディスコ風に再構築した「ディスコモー」(80年)はその最たるものであるが(ビートルズ絡みという点では「ミート・ザ・レジデンツ」のジャケ自体まず忘れてはならぬ)、「LOVE」を聴いて真っ先に再度向き合わねばと思ったのは、2004年突如リリースされた
「WB:RMX」というアルバムである。
同年後半に「スマイル」がリリースされたためか、発売当初感じた衝撃度はかなり薄れたような気がするが、同年上半期を総括したベスト・アルバム選では3位に選ばせていただいた。それ程ヤバイ作品だったのである。
71年、サンマテオを拠点に謎めいた活動を行なっていた一集団は、敬愛するキャプテン・ビーフハートが在籍している会社なら理解を示してくれそうだという理由で、ワーナーに売り込みを図る。大胆にも「The Warner Bros. Album」というタイトルを記したジャケットまで添付したこのテープを、ワーナー側は冷たくはねつける。その際、返送先の宛名に「Residents」(居住者)と記されていたのがきっかけで、この集団はその後現在まで続く名称、そしてそれに伴う匿名性を与えられたというわけだ。
その後存在そのものが伝説と化していたこのテープであるが、04年突如としてレジデンツ自らの手でリミックスされ、「WB:RMX」としてリリースされた。といっても、オリジナルのローファイな録音(と思われる)を元に、最新テクノロジーを使ってのトリートメントが過剰に施されたこの作品の中で、どこにどう71年の録音の破片を見いだすか、そんなことはもう重要でなくなっているように思える。リミックスという作業を通して、歴史そのものを無価値にしてしまうという、曖昧理論の極みというべき行為は、レジデンツがやってこそ許せる。聴く側も曖昧にあざ笑いながら接していると、どこからともなく現れる美しい音の塊に頬が潤まずにいられなくなるというわけだ。そういうわけで、これこそ究極の「LOVE」の裏側と言いたい作品だ。無論、両方楽しめてしまう自分はいったい何なんだと呆れずにいられなくなりもするのだけど。
ちなみに「The Warner Bros. Album」自体の音源もとあるルートから流出しているらしいのだが、無理してその扉を開けんでもという自制心は持っておかないとね。「スマイル」と逆パターンになってしまうのは仕方ないとしても。そして、皮肉にもこの作品の冒頭において、"Let me take you down....."の一節が歌われている......また一つの輪廻が........

2006-11-30要約すればルフラン待望論のようなもの
歯医者さんのBGMがなんか最近の流行ものチャンネルになってるみたいで、まさかアニメ系のチャート上位曲をあんなシチュエーションで聴けるとは思わなかったが、それにしても歯石きーきーした後BENNIE Kのあの曲(のきゅっきゅっきゅっきゅっやってるとこ)を聴くと堪えまくる。で、久々のライヴレポ。

[実演鑑賞記] 竹上久美子、他@下北沢 mona records

年末にかけてモナレコに行く頻度が高まりそうな気配ですが、財布事情を考えても全部は難しいような。でもやっぱ、竹上先生が来るんなら行くしかありませんよねぇ。全体的に乙女度が高いというアクト揃えだし、歯医者さんの後の癒しにはぴったんこでしょう。
一番目・マコリンは、確かコロムビアからCDを出してたDiVaのメンバーだった人。おなじみの曲も交えて、それなりに安定したヴォーカルを聴かせてくれたけど、個人的にはパワー全開という感じのラスト曲と、猫の鳴きまねを交えた曲が印象に残った。あとシンディ・ローパーのカヴァーはやめてよねっ(よしだよしこさんだけは例外)。
二番目は竹上ちゃん。今日はエレギとパーカッションというどちらかというと異色の編成。地味なアクシデントはあったものの、さりげなく交すところはさすが腰が座ってきた。しかも真っ正面で見てたのでほんと笑顔の素敵さに改めて惚れましたよ。髪切ったコニタンはやっぱ彼女に似てるにゃ........
そういうの抜きにしても、めざましの後の彼女は最早安定期に入ってるという感じで頼もしく、この調子でばしばしいい新曲を生み出してくれるであろう。そして、改めていい仲間に恵まれとりますなぁ。
続いて4人組ユニット、カレイドノーツ。小柄な竹上さんの後だと、どうしてもイメージ的にし◯ちゃんを連想してしまう(失礼! 本当は好きなんだよ◯ずちゃん!)ヴォーカルのコを中心に、手堅いアンサンブルを聴かせる。所謂下北系と思ったらそうでもなく、ヴォーカルの表現力と声はなかなかのもの。ただ、楽曲そのものが追いついていないという気がして。歌詞にしてもとっちらかってるという印象だなぁ。ただ、今後まだまだ伸びるだろうとは思う。
そして、トリは一部で大評判の女子二人組Dew。いい機会だし、じっくり聴いていこうと思ったんだけど、なんかなぁ。ハモリのセンスとかに非凡なものを感じさせるけど、全体的には宇多田以降という世代的悪戯が裏目に出ちゃってるという気がして。古き良き時代のポップスのカラーはあまり感じなかった。この種のデュオを語る時、自分内基準値は花*花ですから(!?!?)。あまり黒い方に傾いて欲しくないなというのが実情。
他のアクトの演奏中も含めてなんかやな印象を抱かせた集団が、彼女らの演奏中はしっとり静まり返ってたわけで、ファンつーかファミリーなんだろうなぁ。そういうのもマイナス要素だったりして。でもまぁ、切羽詰まってなかったらお話だけでもしたかったです。うーむ、7時スタートで4組はきついなぁ。再考しよう。
まぁ、ちょいシビアになってしまいましたが、それだけ12/18に対して気を引き締めねばと思ってるわけで。一晩明けたら何か好い事お伝えできるでしょう、きっと。

2006-12-01どきどき前夜

[実演鑑賞記] SACT!BASIC@新宿SACT!

経済的余裕不足で今日のライヴは半ば諦めていたのだが、本気モードに入ってしまったからには、出演予定アクトの一人に対してだめ押しの誠意を見せつけておかないと(とにかく下準備が色々と厄介なので)。そう、かおりんが出演するので。今大々的に公表できるのはその事実だけなのです、残念ながら。今年最後のライヴということで彼女自身もノリノリなのです。昨年ラストのKAKADOでの熱い盛り上がり以上のものが絶対必要なのだ! そして内容的にも普段以上に盛りだくさんにしようと画策中なのですよ!
そんなわけで、L@Nでの打ち合わせの後、旧パワステ跡近くにひっそり出来た新鋭ライヴハウスでのステージに赴くことに。色々と場の雰囲気を研究するというのも現在の課題なので、積極的にこういう場所に足を運んでおかないとね。
かおりんは一発目。新しいハコということでピアノの方に多少緊張が目立ったけれど、魅せ方はもう堂々としたものである。他のアクト目当てのお客さんを取り込んでいく魔力は、回を重ねる毎に倍増しているようだ。一昨日の竹上さんもそうだったが、エレピを真っ正面にセッティングするというのは実に罪作りだなぁ。観る側は歌い手の表情をダイレクトに受けとめられるのでたまらないけれど。歌い手側はこの罪作りさに勝ってこそ本物である。かおりんは、今まさにそれに近づいているといったところ。
2番手、笹生実久さんは、既に豊富なライヴ活動やmf247での曲発表などで着実にファンを掴んでいる女性シンガー。ベースの男性と二人での登場。一見内省的な下北系シンガーを思わせもするけれど、歌声と身のこなしにさわやかさを感じさせてとても素敵な人だ。一曲、初めてと言ってピアノに向ったけれど、その初々しさがかえって大胆さを呼んでなかなかいいプレイだったと思う。自分的に「やられた」タイプのアーティストとはちょっと一線を画してはいるけど、欠点も少なくてなかなかの注目株。
あと2組出演者がいたが、スタートが遅かったのと今日の予定もあり、既に18日に全力傾けモードにシフトしてる自分は会場をあとに。18日前にもう一度ライヴに行くとするならば、多分12日のモナレコ位だろう。自分的に「やられた」タイプの歌姫が出るからね(しかしまた春風堂とパッティング! でも、前回パッティング時は春風堂をとらざるを得なかったから今回は勘弁して! 結局その時もモナレコだったけどね)。

2006-12-02Brief Candles
右のスピーカーの上でささやかにキャンドルが灯っています。それは射手座のイメージ、アメジストの香り。感謝と労いの気持ちを込めて。

[実演鑑賞記] TGV presents GROOVIN' & RELAXIN'@下北沢mona records

2000年開催の第3回以来の長い付き合いになるDJイベント、
TokyoGentleFiVeも数えて19回目。神経衰弱なんてまっぴら御免と、深夜のモナレコにて新機軸。何と、生演奏4組フィーチャーというかつてない大展開である。よって今回はいつものライヴレポと同じような感じで参加記を記したいと思います。結局3日連続ライヴとなりましたなぁ......
まず、終ってみれば大盛況。深夜だけにグダグダに陥るわけでもなく(特にモナレコの場合これは顕著であるが=失礼)、終始ハイテンションでグッド・フィーリングが保たれていたのにびっくりだ。本人達も想定外サティスファクションだったようで。DJイベントで育まれたTGVスピリットが、そのまま生演奏という形で表現されたのがよかったのか。とにかく4組以上出演のイベントで疲れを感じなかったのなんて異例のことである(自分のイベントは別としても)。DJも含めて、皆魅力的だったからね。
こないだのBGM#3でお世話になったクドウハルヲ氏のDJプレイは、リハーサルが相当押したため本来の形で展開されなかったのが残念だったが、イントロとしての役割は充分あったし、随所のMCもショーアップ度に貢献していた。で、最初のアクトは本年結成されたばかりの、TGVの一員で緩音夕第5回でも回しやとして参加してもらったMASAやんがベースで参加するバンド、ヒノマリスト。昭和歌謡を基調に、随所にユーモアのセンスを取り入れて魅せてくれる7人組。演奏のグルーヴ感とかはまだまだ発展途上にあるとはいえ、フロントのエルコさんを中心とする存在感はもう既に立っている。一昨日のライヴレポでし◯ちゃんキャラのヴォーカリスト萌えについて書いたけど、彼女はリアルでそれだ。強烈なキャラに見合う表現力もしっかりあるし、後ろのメンツとの相互作用でさらに個性を引き立たせる。女性プレイヤー達の持つ華も含めて、このバンドにはさらなる可能性の広がりを感じずにいられない。願わくば昭和歌謡の上辺を狙わず、徹底的に三の線を追求していってほしいと思うわけで。勿論エルコさん、ステージを離れてもとても素敵な人ですよ。
続いて同じく7人という大所帯のWOOLSが登場。こちらは腰の座ったリズムセクションでファンク度を保ちつつ、女性トロンボーン奏者を含むホーン隊でファンシーさを強調。エレクトロ風味が適度に入ったソウル・ポップに、得体の知れないヴォーカルの存在感。かと思えばかつてのプリンス並の派手なアクションを見せてくれたりして、思わず血が騒いでしまう。今回は参加しなかったまちださんがTGVで回す世界の生的再現というか、ここにいて当然という感じで楽しませてもらいました。
続くJUMEAUX OBSCENESは、第二期スパンクハッピーのカラオケコピーバンドという、かなり特殊な立ち位置にありつつ活動5年目を迎えてしまった二人組。西日本の生演奏至上主義の人とかには到底理解し難い世界なんだろうなと思いつつ、キュートなパフォーマンスに目が釘付け。で、やっぱり楽曲がいいなぁと、改めて思ってしまった。
生演奏のトリはELEKTEL。過去の活動からもっとテクノ指向のユニットだと想像していたが、いでたちは別と考えて、改めて聴いてみるとナチュラルなグルーヴを大切にしてるんだなぁということに気づく。ビーマニのサントラに曲提供してるのも納得の高度なメロディ・センスとユーモア。そして今回のライヴを魅力的に盛り上げてくれたのは、ヒノマリストでもサックスを演奏していたヒロパンダさんのフルート。電子グルーヴの一部として見事に機能する的確なフレージングの奥から覗くさわやかな人間味と色気に、やっぱりフルートっていいなぁと。この調子で、リコーダーをテクノに取り入れてみたらどうかなと妄想したりもしてしまった(もう既に「リコーダー自体がテクノ」説を唱えてるドイツの人もいるけど)。
最後にオザワさんのDJでやはり踊らずにいられなかった。このグルーヴ感がないと、TGVは成り立たないんだなぁと。大いなる教訓を得て、このグッド・ヴァイブを何とか12/18のライヴに反映させないとと思わされた下北沢の夜明け。早朝バスが恋しくなって、ついつい吉祥寺から成増へ。

2006-12-03のだめ萌えの甘酸っぱい萌芽
結局何やかんや言いながら開始以来欠かさず見続けているドラマ「のだめカンタービレ」。ディープなクラシック好きでなくともニヤリとさせる音楽ネタの数々、個性的キャラクターの面々、さりげない小道具や劇伴の生かし方など、日頃ドラマなんて積極的に見ないぞと思ってる自分だからこそ惹かれるパーツは沢山あるけれど、一番魅せられるのはやはり主人公・のだめの奔放さに尽きるんではないかと。このキャラを研究するためならばコミック全部読破しても構わないとさえ思ってしまいましたよ。
元々「石原真理子パート2」としての素質ありすぎな上野樹里だからこそ、この役をしっかりこなしてるのに好感が持てるのだけど、見てるうちにリアルのだめというべき人材を渇望せずにいられなくなってくる。そんなコにライヴハウスで出会えたらなぁなんて。
ピアノ弾き語りの歌い手に巡り会う時、まずは歌声とか魅せ方よりも先に、ピアノとの「一体感」をチェックせずにいられなくなるのは、元々自分内にあったのだめ萌え成分の表れなんじゃないかなぁ。ただ単に弾いて歌ってる以上に何かを強烈に感じさせる人じゃなきゃだめなのだ。例えば竹上久美子さん、元Moga Hoopの押谷沙樹さん、タイフーン*ミニスターズのシライシさん。皆独自の「一体感」を持ってらっしゃるからこそ、即時お気に入りに加わったのだろうな。ちょっと前ならいとうまさみさんもそうだしね。矢野顕子や上田知華や谷山浩子に萌えた少年時代まで遡ってみるまでもなく。でも結局、のだめ萌えのリアル萌芽となると、遡らずにいられなくなってしまう。
滋賀の守山という長閑な町の中学生だった頃、クラスにとびっきりピアノが上手いJ子さんというコがいた。それこそ幼い頃からピアノを習っててある程度弾けるコならいくらでもいたけど、生活環境上お嬢様体質が育まれるとは到底思えないし、精々駅前の音楽教室止まりだっただろう。でもJ子さんのピアノは上手いだけじゃなくて、何かしら芯の強さがあった。それは育ちの良さというよりも、根っから持っていた活発さと奔放さに裏打ちされていたものだろう。現に彼女の家は表通りからかなり離れた地味な場所にあったから。
そんな彼女に、萌えとか恋愛感情とかそういうのでなしに、ただ単に一緒に音楽をやりたいなぁという気持ちしか芽生えなかったあの頃。でも、その頃の守山の中学生にはバンド文化なんてまだまだ遠かったよ。
あの頃ベン・フォールズ・ファイヴがいたら、僕はきっと真剣にドラムかベースを始めていたかもしれないし。
そして、この夢は直に高校進学で永遠に途切れることになる。音楽文化を切望した自分が、それとは関係ない理由で東京に来てしまったからだ。
手許に残された「たかとその一味」のテープの中には、たまたま合唱コンクールの練習用に伴奏録音を担当したことから、その時のリハーサル・テイク(?)の断片がちょっと残ってる。無邪気に笑ってるJ子さんの声もそこには入っている.......m.o.e.......
新生Moga Hoopの朝香さんの生演奏、聴くのが楽しみだ。(先月27日にチャンスがあったのだけど、主に健康上の理由で.....)。まず最初に「一体感」をチェックしてしまいそう......ベースとドラムの凄さに飲まれないうちに。

2006-12-04追悼に服はいらない
本日はフランク・ザッパの命日。思ってみれば、ジョン・レノンやフレディ・マーキュリーに比べると、命日にまとめて曲を聴くという頻度が彼の場合非常に少ないような気がする。それはやはり曲が濃すぎるというのもあるし、追悼以前に情が深くなるのは目に見えてるというわけで。そんなわけで今日はのだめの時間以外はザッパに没入することにしました。
といっても、iTunesにあまり曲入れてないんだよな。iTunesで曲を聴くという概念があまり似合わないってのも確かだし、特にコンセプチュアルな作品の一部だったりすると、他のアーティストの曲に繋がった場合違和感があまりにもでか過ぎる。
とりあえず数えてみたら、ザッパ・ソロが15曲、マザーズが31曲、ビーフハート/マザーズとレノン/マザーズが各1曲。相対的に少なすぎ! 以前はもっと入れてたかもしれないが(現にlast.fm時代のプレイリストではかなり上位に来ていたが、これはlast.fm側でマザーズの曲として再生したものを勝手にザッパの曲として表示してしまうのも原因のひとつ)、HDDが一度飛んでiTunesの中身が全部消えてiPodから曲を戻した段階で計48曲となったわけで、即ちiPod向きじゃないと判断したものが外れたということにしておくか。確かに代表作と言われる作品の内3割程がうちのCD棚にないのは、悲しいけど事実である。それほどまで深いんだよなザッパ先生。
一方、かつて友人のために選曲したザッパベストの原本MDというのが出てきたので、それを最初に聴くのがベストだろうと思い早速プレイ。うーむ、これは納得過ぎる選曲だぞ、まじで。但し初期の曲しか選んでないというのが悲しいが(いくら友人の嗜好を考えた結果といっても)。曲名表記は邦題も多々あることだし原題で統一しました。
1. Peaches En Regalia (「ホット・ラッツ」)
2. Plastic People (「アブソリュートリー・フリー」)
3. Hungry Freaks, Daddy! (「フリーク・アウト」)
4. WPLJ (「バーント・ウィーニー・サンドウィッチ」)
5. Brown Shoes Don't Make It (「アブソリュートリー・フリー」)
6. Mother People (「ウィ・アー・オンリー・イン・イット・フォー・ザ・マニー」)
7. The Duke Of Prunes (「アブソリュートリー・フリー」)
8. Call Any Vegetable (「アブソリュートリー・フリー」)
9. Let's Make The Water Turn Black (「....マニー」)
10. Dog Breath (「アンクル・ミート」)
11. Holiday In Berlin, Full Blown (「バーント....」)
12. Aybe Sea (「バーント....」)
13. Toads Of The Short Forest (「いたち野郎」)
14. Twenty Small Cigars (「チャンガの復讐」)
15. The Uncle Meat Variations (「アンクル・ミート」)
16. Dwarf Nebula Processional March & Dwarf Nebula (「いたち野郎」)
17. Oh No/The Orange County Lumber Truck (「いたち野郎」)
18. The Big Squeeze (「ロスト・エピソーズ」)
19. Project X (「アンクル・ミート」)
20. It Can't Happen Here (from" Help, I'm A Rock":「フリーク・アウト」)
21. Take Your Clothes Off When You Dance (「ランピー・グレイヴィ」)
22. America Drinks And Goes Home (「アブソリュートリー・フリー」)
ちなみにiTunesに入れたのは1,2,3,5,6,9,10,17,21(「マニー」ヴァージョン),22。5〜8の並びは、68年リリースされたベスト・アルバム「MotherMania」に倣ったもので、6は検閲されていない別編集ヴァージョン。7は厳密にはその後の2曲("Amnesia Vivace"、"The Duke Regains His Chops")も含む。8もその後の2曲(曲名割愛)を含みつつ大胆に編集されたヴァージョン。ついでに20も「MotherMania」収録の別編集ヴァージョンだった。
自分は最初に買ったアルバムが「バーント・ウィーニー・サンドウィッチ」で、その後「ヴァリー・ガール」が大ヒットしたりして徐々にのめり込んで行くのだが、その時期はザッパの旧譜が非常に手に入りにくい状況で、しかも極初期のものは非公認コピー盤が出たりして、いけないことにそれを買ってさらにはまったり。そして、CD出始めの頃ライコから公式にリイシューされ始めるわけだが、その時点であまりの深さに降参したのか、でもブートと訣別するためにも初期のものは押さえとかないとと思ったわけで。
あと手許には「アポストロフィ/オーバーナイト・センセーション」という2大ヒット・アルバムをカップリングした、ライコから公式リリースされたMD(!)があるのだが、いくらライコと言えどもMDクオリティでザッパの濃さを再現というのは叶わなかったようだ。
アナログも含めて、手許に欠けているのは主に70年代のジャズ・ロック期のものと晩年のものなので、出来る限りフォローしていかねば。

2006-12-072006年度ルル網ベスト・ディスク選(その1)
つーわけで、今度こそお約束通り、それでも若干早いですが、2006年度ルル網・ベスト・ディスク・セレクションをお送りします。本日より3日間、いつも通り洋楽・邦楽・リイシューの各部門に分けてお送りします。
まず総括として、今年店に行ってブツを買った回数は61回。但し、ライヴハウスでライヴを見たついでに買ったものとか、通販も含まれてはいますので、厳密にはもうちょい少ないです。昨年が12月まで含めて60回だったことを考えると、少しはましということになるかもしれないですが、ここ数年購買頻度が落ちる一方というのは目に見えてるわけで。買う買わないは別として、情報収集に自分の足を使うというケースが減ってるのがまず情けないのですよ。まぁ、ライヴに足を運ぶ頻度は寧ろ減ってないわけだし、自分でもイベント主催を結局今年は4回やったというわけで、パッケージ市場が衰退してるからといって、ポジティヴな楽しみを続けることに悪影響は何らないと言えるでしょう。iTunesの使い方に関しても、手持ちのネタのおさらいという有効な手段はさらに続いているわけだし、ストアの方でも、CD市場では有り得ない思いがけない展開に出会ったりして、配信だってけっしてなめてはいけません。ESP、メインストリーム、ノートン、ゲイリー・ウィルソン、マイケル・ヨンカースなどなど。
そういうわけで、2006年発売された音楽作品に絞ってのチョイスではありますが、まずは洋楽部門から見て行く事にしましょう。
新作の部(洋楽) *アーティスト名・アルファベット順に記載(但し最初のは除く)
◎プリンス/3121 (NPG/ユニバーサル)
◎ザ・ビートルズ/LOVE (アップル/パーロフォン)
◎ベック/ザ・インフォメーション (インタースコープ、iTunes)
◎レイ・デイヴィス/アザー・ピープルズ・ライヴス (V2、iTunes)
◎ドニー・アイリス/Ellwood City (Primary [US]、iTunes)
◎ロジャー・ジョセフ・マニングJr./ソリッド・ステイト・ウォリアー (ポニーキャニオン)
◎スクリッティ・ポリッティ/ホワイト・ブレッド・ブラック・ビア (ラフ・トレード/インペリアル)
◎ボブ・シーガー/Face The Promise (キャピトル [US])
◎スローン/Never Hear The End Of It (マーダー/ソニーBMG [CAN])
◎ザ・フー/エンドレス・ワイヤー (ユニバーサル)
それにしても、パッケージ黙示録のこの世の中、この「洋楽新作の部」の想定外の充実ぶりは一体なんなのだ? 過去5年間を振り返ってみても
2001年 : 辛うじて5枚選出。ビッグ・ダム・フェイス(リンプのウェスのプロジェクト)、ELO、ミック・ジャガー、ポール・マッカートニー、プリファブ・スプラウト。次点としてベン・フォールズ、レニー・クラヴィッツ、R.E.M.、セルフ、スローン。
2002年 : 問題外。「ネタ」と「失意」の年であり、洋楽新作(サントラ、ベスト除く)に至っては3枚(前年輸入盤を買ったプリンス「レインボウ・チルドレン」を別としても)しか買っていない。ベック、レジデンツ、ジョージ・ハリスン。
2003年 : 邦洋混合で10枚選んで内洋楽が4枚(内一枚はK-POP)、和洋折衷コンピが2枚。イ・ソウン、パディ・マクアルーン、リンゴ・スター、ウィーン、キル・ビル (サントラ)、「マッド・フレンチの仲間たち」。ちなみにこの年スローンの「Action Pact」が出ているがこの時点ではカナダ盤のみ、しかもCCCDだったので選出せず。
2004年 : 「スマイル」(別格)、 プリンス「ミュージコロジー」 、 R.E.M.、「ダニエル・ジョンストンの歌」 だけ選んであとは棄権。ビースティ・ボーイズ、フィン・ブラザーズ、レニー・クラヴィッツ、マシュー・スウィート等ことごとくCCCD(前3者は輸入盤も)で、やる気なくす。それにしても上半期3位に選んだ「WB: RMX」を外していたとは、よほどスマイルの衝撃がでかかったのか。
2005年: 完全棄権。「最早洋楽を聴く事がかっこよさのステイタスだと思い込む世代には完全についていけなくなりました。選んだ所でいつものような名前が並ぶだけだし、しかも最も快心作だと思って愛聴した2枚(ストーンズ、ポール)は案の定、国内盤がセキュアCD」(当時の日誌よりコピペ)。致し方ない。ベック、ベン・フォールズとかもよく聴いたけど。
で、結局そのツケが来たと。2001年以来の大豊作です。しかもベスト10圏外にまで快作が溢れ出る結果となるなんて(一応次点としてマシュー・スウィート&スザンナ・ホフス、アル・ヤンコビック。いずれも2001年のどの作品よりもいいと思う)。まぁ、いつもの名前が並んでると言えばそれまでですが、とにかく前2作で運に恵まれなかったスローンとベックの大逆襲、スクリッティの思いがけない復活、そして26年振りのザ・フーを筆頭とする大ベテランの健闘と、久々に聴いててすかっとする作品に恵まれました。過去3年散々煩わされたCCCDも、無事殆ど撃沈(EMIの輸入盤は除くとしても)。そして信じられない事にノンパッケージ作品が遂に選出されてしまいました.....いや、マイナー過ぎるレーベルのためCDが日本に全く入ってこないという弊害のせいなのですが、それを抜きにしても、オヤジロックの熱過ぎる神髄を聴かせてくれたドニー・アイリスと、それを聴ける環境を提供してくれたiTunes Storeに大いなる感謝をしなければいけません。まぁ、別格としてプリンスを最初に持ってきてしまったけれど、3枚だけ選べと言われたら多分スローン、ドニー、スクリッティの順になるんだろうな。但し、スローンのアルバムの国内盤がもし2007年に発売決定したら、2007年度に回し、その分アル・ヤンコビック(これはもう国内盤無理だろうけど、iTunesでは買える)を繰り上げたいと思います。
何やかんや言ってオヤジモード入りすぎたので、邦楽部門でフレッシュに戻しますね。(続く)

2006-12-082006年度ルル網ベスト・ディスク選(その2)
例年の如くジョン・レノンしか聴かない日ではありますが、成行上昨日の続きということでよろしくお願いします。本日は邦楽の部。しかしこちらは訳ありでシビアな結果に。
新作の部(邦楽) *アーティスト名・アイウエオ順に記載
◎さくらかおり/ソラウタ
◎竹上久美子/CANDY BOX
◎二階堂和美/二階堂和美のアルバム (Pヴァイン、iTunes)
◎フルカワモモコ/La Jolla (タンポフィス)
◎Moga Hoop/モダンガール (ラストラム、iTunes)
敢えて過去5年間との比較という側面は持ち出しませんので、一応気になる方は昨日の洋楽の部から各々のリンクを再チェックでもして下さい。ただ、2002年から2年間の中身の薄さはただ単に「心の持ちよう」だったのか、それともネタとしてのシングル市場(その黙示録が訪れたのが、03年10月15日)に傾いたせいだったのか、今は敢えて考えないようにしておきます。
そしてその後の2年で逆説的転機に恵まれまくったわけですが、その反動が今年来てしまったというか。ネタ市場のボルテージ・ダウンは言うまでもなく(iTunes他配信市場で孤軍奮闘したMY SONGレーベルは讃えるべき。タイトル見てるだけで名曲揃いの予感!)、メジャーのやる気も例年を遥かに下回ったという感じで、過去4年間洋楽シーン(特にマーケティング)に対して感じていた幻滅感とほぼ同質のものしか伝わってこなかった。敢えてメジャーのものを1枚選んだとしても、RYTHEMの2枚目止まり。いや、シングルも可ならば「恋のダウンロード」(爆)ということになるんだろうけど......
そして、そのオルタナティヴとして、やはりメジャー以外、特に所謂歌姫シーンに救いの手を求めようとするのだが、それに関しても、5月20日の六本木イベントを境に視点が大きく変わったというか、冷めて観察せずにいられなくなったという気がする。理由は色々と考えられるわけだけど.....まぁ、誰とでも気楽に意志の疎通が図れたり、誰の持論にも気軽に賛同できるわけではないというのを、mixiも含めて色々な場面で感じたりしたわけで。それを抜きにしても、かおりんと竹上さんのがんばりには素直に拍手を送りたいし、新メンバーを迎えたMoga Hoop共々、今後の成長にも大いに期待してます。もちろん、世界観を変えてくれるような歌姫やバンドの出現は、常時楽しみにしないと。
そして、結局二階堂さんには毎年やられっ放しだ、としか言えなくなる結果に。結局洋邦通じて彼女の名前だけがずっと目立ち続けてます、ルル網ベスト・セレクションに於いては。
というわけで、10枚選ぼうとすると積極性が薄れてしまうので、5枚で切り上げることにしました。これで密度的には洋楽の方とバランスがとれたと思う。
本当はシングル一曲だけ選ぶとなると(配信のみも可として)「恋のダウンロード」じゃなくて「イン(以下略)......つーわけで残るはリイシュー部門。(続く)

2006-12-092006年度ルル網ベスト・ディスク選(その3)
ジョン・レノン射殺のニュースを聞いたのは、日本時間だと1980年12月9日の午後、学校から帰宅した直後である。日本のファンの間では、そのタイミング故に9日こそ喪に服さねばならない日だという意見も飛び交っているが.....それ以前に12月8日という日付自体が世界的にも一つの意味を持ってしまってるから、その意見には賛成し難い。
9日はむしろ「スターティング・オーヴァー」の日なんだな。そんなわけで、一夜明けた今朝、やっとルル網ライヴのビラが出来上がった。タイミング的に、配る機会が物凄く限られてしまうのが残念だが、シンプルなデザインの中に個人的感情を込める事が出来たと思っている。
それでは2007年度ベスト・ディスク・シリーズ、最終ラウンド。

リイシュー・発掘音源の部 *新作に準じ、洋楽・邦楽の順に記載
◎ゴールドブライアーズ/クライミング・スターズ (エピック)
◎ザ・モンキーズ/恋の終列車 [デラックス・エディション] (ライノ)
◎キース・ムーン/トゥ・サイズ・オブ・ザ・ムーン (Deluxe Edition) (サンクチュアリー[UK])
◎ミュージック・マシーン/The Ultimate Turn On (ビッグ・ビート/MSI)
◎プライス&ウォルシュ/Temptation Eyes: The Price And Walsh Songbook (Rev-Ola[UK])
◎V.A./BEATLEMANIACS! The World of Beatles Novelties (エイス/Pヴァイン)
◎カメカメ合唱団/人生はピエロ (エレック/VAP)
◎沢たまき/コンプリート・テイチク・イヤーズ (クロニクル/テイチク)
◎人生/ナゴムコレクション (ナゴム/ピーエスシー)
◎V.A./ソフトロック・ドライヴィン 空と海とわたし+美しい誤解 (ビクター、ソニー)
洋楽の好調はリイシュー部門の比率に於いても露骨に表れました.....というか、過去2年間と比較すると、これだ! という凄いのがなかったことに気づく。特に邦楽は.....全体的に見ると、エレックのリイシューを展開したVAP、そしてビクター、ソニー(ゴールドブライアーズの3枚目は日本先導の偉業!)と、ここでやっと日本のメジャーの威力に気づかされるわけで、その調子でばんばん掘って頂かないと困るよとエールを送りつつも、もう歌謡曲のリイシューで世界が変わるなんて概念は終わりにしたいとため息。今後レーベル・アンソロジーのような企画を促進していただくためにも、ヴィンテージ音源を円滑に配信できる環境を早く整えてほしいと思う。まぁ、内容より「出た事自体快挙」の作品が多かったですね全体的には。そんなわけで今年ばかりは「手前味噌ですが」などと控え目になるのを避けて堂々と選んでしまいました自分仕事。あっ別にあの筋は絡んでませんのでご心配なく(謎)
海外においては、今年はいまひとつだったサンデイズドに代り、一番がんばったのが英国のRev-Ola。プライス&ウォルシュと、結局まだ手持ちのステレオLPで我慢状態のファミリー・トゥリーだけでもお腹いっぱいです。あっ、一作だけ選べと言われたらもちろんキース・ムーンの2枚組。紙ジャケ買わなくてよかった。ボーナス収録の狂いすぎ「ドント・ウォリー・ベイビー」だけで死ねます。
ついでに、「悔しいリイシュー大賞」は、当然タータグリアとバロック・イネヴィタブルの紙ジャケに差し上げますよ。理由はご察しの通り。紙ジャケ市場に限って言えば、07年こそサイケの大波が訪れそうな予感。訪れないと困る。特にユニバーサルとエアーメイル。期待してます。 最後に、昨年度は「初めて観たアクト」に限定してライヴ編10組を選定しましたが、今年は逆に生演奏を聴かせる催し物として印象に残ったものを列記して、締めにしたいと思います。それだけトータルで印象に残ったイベントが多かったので。(開催順に記載)
☆柴田江美子モノラルコンサート@広尾・ククイカフェ (2/26)
☆ルル網プレゼンツLive Vol.3 「Pop Picnic〜ことのほか春っぽい」@七条After Beat (3/19)
☆竹上久美子レコ発「ナノでワンマンなの!!」@二条nano(3/21)
☆高円寺変動 Round22@新高円寺Club LINER (3/22)
☆松岡宮Presents「赤坂音楽詩集」@ L@N赤坂 (5/7)
☆Koji Asano「リコーダー& オルガン組曲」松田あゆみ・大竹勲 コンサート@日本聖公会 聖パウロ教会 (7/27)
☆さくらかおり 初ワンマンライヴ「キミ ノ スイッチ」@大泉学園ゆめりあホール (8/12)
☆四角佳子/よしだよしこ@原宿クロコダイル (10/9)
☆oto umu voyage〜秋の日の遠足のように -autumn picnic song-@京都cafe ZANPANO (11/5)
☆TGV presents GROOVIN' & RELAXIN'@下北沢mona records (12/2)
一つだけベストを選ぶとなるとAsanoさんのリコーダー組曲生演奏に他なりません。清らかな衝撃という形容が一番似合う音空間だったと思います。リコーダーの持つエロス(特に奏法に於いて)のようなものを目の前で見せつけられたのは勿論初めてだったし、教会オルガンのクールさにも改めて開眼。この二人でよかった。
手前味噌ながら自分のイベントを選ばずにいられませんでしたが、いろいろ反省点はあったとはいえ、自分にとってベストといえるライヴのスタイルを作り出せたことと、今後の展開において何かしらの出発点と位置づけできそうなことにより、ベスト10の一つとして留めておくことにしました。
「高円寺変動」は「美人喫茶」とどっちを選ぶか迷いましたが、トータル的にはそこまでいってないという印象ながら、結局押谷さん入りのMoga Hoopを見た唯一の機会になってしまったので、選ばずにいられませんでした。勿論美人喫茶の3人(特にきい! いろんな意味でありがとう! 新たな生命の誕生に乾杯します!)や、タイフーン*ミニスターズ、レンダ、SPANCLE、千早青、桃茶など、上記TOP10に選べなかったアクトとも、素晴らしい出会いに恵まれまくったことを忘れてはいけません。勿論、18日のライヴでお世話になるゆやゆよんも忘れずに! みんな観に来てよね! 2007年こそスローンを生で観たい!!!

2006-12-10人生の壁
ちょっと前「LOVE」の話題からそれてレジデンツの話題へと発展。そのレジデンツに関して、興味深い新発見(?)があったのでここを借りて書きたいと思う。
自分のレジデンツ好き歴は最早軽く人生の半分以上を越えている。勿論、初期のものに関してはリアルタイムなわけがないけれど、ニューウェイヴの洗礼を受けてた時期にそれらを聴いたものだから、当然鮮烈な衝撃を受けている。そんな初期の一枚に、75年制作された「サード・ライヒン・ロール」というアルバムがある。
このアルバムは、レジデンツの歪んだ視点で60年代ポップ・ヒットの数々を「再構築」することにより、ポップ・ミュージックが現代社会をいかに汚染してるかを知らせる恐ろしい作品なのであるが、それを聴くのと並行してオールディーズの探求(当時好きだったコがシャネルズのファンで云々)なんかも行なっていたうぶな中学生だった故に、このアルバムに於ける解釈を先に耳にして、それを通じて(ジャーナリズムの力も借りながら)オリジナル・ヴァージョンの存在を再確認するという愉しみを持つことができた。
どんな曲が「再構築」されていたかは
wikipediaに詳しく記してあるので参考にして頂きたいが、確かに「サイコティック・リアクション」「リトル・ガール」「トーク・トーク」等のガレージ・クラシックスの類は、当時の音楽ジャーナリズムでも殆ど語られる機会がなかった故に、後に何かのコンピ盤で偶然発見したり、FENで耳にしたりした時は新鮮な嬉しさを感じたものだ。一方「あの娘のレター」とか「グッド・ラヴィン」など、ある程度知名度がある大ヒット曲は、それ以前からある程度親しんでいたので、レジデンツ版を聴いた際もなるほどと思いながら接していた(勿論それ以前にシングル「サティスファクション」でばかでかい衝撃を受けていたので、何が来ても恐れなかったという気持もあったのだろうが)。
で、改めて原曲リストを見ながら去年出たリマスター盤を聴いてみると、「この曲ってどんな形で出てくるの?」という疑問を感じずにいられない部分もあるが(まぁ、このリスト自体レジデンツによって作成されたものではないことは言うまでもないが)、逆に「これってこの曲なんじゃないの?」という新発見も幾つかあったので書いておこう。
ひとつは"Swastikas On Parade"のラストのテクノっぽい部分。リストでは「英雄と悪漢」(ビーチ・ボーイズ)となっているが、ベース・ラインがそれっぽい位で、その曲とは断定し辛い。むしろこの部分の元ネタは、近年のソフトロック・ブームで再発見されたソルト・ウォーター・タフィーの「ファインダーズ・キーパーズ」なのではないかと思う。確かにSWTのその曲のイントロを最初に聴いた時(当然90年代になってから)は、「これはレジデンツのアレでは?」と思ったもの。全米チャートでは105位が最高位なので、他の元ネタ程ヒットしているわけではないが、レジデンツの深層心理に染み付く程のローカル・ヒットにはなっていたのでは。
もう一つは"Hitler Was a Vegetarian"で「ロック・アラウンド・ザ・クロック」ではないだろうかと記されている部分。確かに55年と74年にそれぞれヒットしてる曲がここに入ってるとすると、ある意味違和感が。で、ある日無意識にiPodを聴いていると、ある曲が流れて来た。それを聴いてはっとして、これこそこの部分の元ネタなのではないかと。
その曲とは、61年に全米44位を記録したフロッグメンの「アンダーウォーター」。実に素っ気ないサーフ・インストの曲なのだが、ピアノのリズムが丁度それに続く「プッシン・トゥ・ハード」の部分に呼応しているし(ドタドタしている所も何となく)、主旋律も何となく「ロック....」でないかとされるシンセのメロディーっぽい。この曲自体ビーチ・ボーイズの「恋のリバイバル」の元ネタだと言われているし、ビーチ・ボーイズの初シングル「サーフィン」と同じキャンディックスから発売されてるということもあり、興味の尽きない曲ではある。
それにしてもこのアルバム、元ネタを再生しながら演奏を録音し、最終ミキシング段階で元ネタを消去するという方法で作り上げられたらしいが、そうとも思えない不思議な「間」も感じられて、結局聴き手はレジデンツにはぐらかされ続けてるんだなぁと改めて感動せずにはいられない。まぁ、先の「プッシン.....」の一部分ではオリジナルのギター・ソロがわざと残されてたりするわけだが。リマスター盤で改めて聴くと、楽器やエフェクターのみならずターンテーブルまでラジカルな使い方をしてたんだなぁと吃驚させられたりして。そして最後の音が終った時の空虚感は、いつもながらのレジデンツ。

今これっぽいことをやるとしたら、まず古本屋の一枚10円CDシングルコーナーから適当に20枚程掘って来て、それをプロトゥールスに適当にダビングして、ぐにゃぐにゃ加工しながら新しい音を加えて、最後に元ネタの音を消しながら(一部わざとばれないように残して)それをカセットにミックスダウンして、タイトルを「第三J*SR*C帝国の逆襲」とでもして.......やばすぎ。

で、昨日一旦「2006年度ルル網ベスト・ディスク選(その3)」をアップした後、はっと気づいて密かにセレクション中の一枚をすり替えておいたのだけど......その一枚、実は購買記録にないのだが。真相は約一名が知ってる、ということで(thx! 前回のビラの件もついでに)。内容がどうであれ、再発されたことの意義はでかい(昨年出た空手バカボンはアレとアレとアレが入ってないという理由だけで選ばなかったわけで......)。ロータリー・コネクションさんすみません。

2006-12-11時は流れ、気分は変る
今度はサーバ毎完璧に消えちゃったよ.....神サイト、Global Dog Productions。インターネット界に於ける2006年度最大の損失は、45回転盤好きにはたまらない2つのサイトの閉鎖に他なりません(もういっこの方は、閉鎖直後に作者自身と思われる者が「そのサイト名+閉鎖」で検索して当ブログのアクセス解析にひっかかったことも考慮して、敢えて名前出さない事にしておきます)........と、対外的にはそういうことにしておこっと。(注: GDPはその後も復活したと思ったら消えたりという状態なので、敢えてリンクは貼ったままにしておきます)
久々に山手線に乗ったら例のクイズワンのキャンペーンガールが新しい人に。前の人のファンの間ではいまいち評判が良くないようだけど、「スッキリ!」のポーズとられちゃそんな大差ないんではと思える。奈々たんにはこのままフェイドアウトしてほしくないものだ。電車を降りて、今年いっぱいで業務を終了するアキハバラデパートの前を素通りしつつ、ひとつの時代がこれで終ったんだなぁとため息。フットケアまでメイドさんにされたくないよな。
ヤマハ銀座店も来年早々新築ビルに衣替えの為営業一時停止とのことで、たまたま覗いたら店の歴史を俯瞰する興味深い写真の数々が飾られていた。レコードマニアとしては売場写真にしか目が行かなかったのだけど、そんな時代もあったんだな。つーことで例の如くクリスマス前あたりに再び足を運んで名残を惜しもうと思います(ムフフ)。

2006-12-12ありがと、さらばだ
二大神サイト、アキハバラデパート、ヤマハ銀座店と、惜別の気持ちを列記した翌日早速その反復で申し訳ないのですが、今回は出会って早々という感じで余計名残惜しさが高まる。
再開発で揺れる気配を見せている下北沢から、ひとつ名所が姿を消す。今年2月の香港フラワーズのライヴで巡り会った、アジアンバウンドブック。
それこそ90年代初期は香港や台湾のポップが大好きで、新宿NSビルにあった新星堂や丸井地下にあったヴァージン、あと横浜中華街にあった発三電気でネタ漁りしまくってたのだけど、その頃から劇的な変化を遂げたアジアのポップ/オルタナティヴ・シーンを、実に解り易く伝えてくれる特異なアンテナ・ショップとして即時目を惹いた店だった。加えて所謂下北系アンダーグラウンドへのサポートも惜しまず、それ故にルル網イベントのチラシを持っていって営業した際も、いろいろと関心を持って下さり、いつかはここで何かやりましょうとのお声も頂いていたのであった。こういうお店は滅多に現れるものではなく、それ故に何か虚無感が残る。
で、今日下北に用があったのでついでに行ってきました。もちろんここでも最後の営業(ビラ置き)忘れませんでしたが。インディアン・フルートのおいしい音色に包まれながら、この貴重な空間との別れを惜しみました。半額処分中につき、何とか2枚程CDも購入したのだが、まだまだチェックし足りない。18日過ぎて精神的にゆとりが有りまくる時に、また行こうかなと。

[実演鑑賞記] shibata emico、他@下北沢mona records

で、モナレコにもビラ置きして来なきゃという絶妙のタイミングで、emico嬢のライヴがあったので喜び勇んで出かける(実はまたも春風堂とパッティング.....でも、2マン相手のいなかやろうも以前見てるし、どうせなら未知のアクトが沢山出る方が特だもんね)。ほんと、ぎりぎりになってやっと間に合ったわけで。でも、10日前行った時には、未だ確定してないことが多すぎたし、しょうがないさというわけで。
で、まず未知のアクトから。最初に出てきたnicoは、イメージ的には典型的下北系バンドという感じながら、ヴォーカルのコがアヴリル以降の近年のガーリー系雰囲気を称えているという点で異色。曲自体にはそれほどのときめきを感じなかったのだけど、トークの聞かせ方が面白かった。ルル網初期にnicoというHNを持った複数のコといろいろあったことを思い出して、何か胸キュン。でも本当の意味でオルタナティヴなコなら、この名前は恐れ多くて名乗れるわけがないだろう。80年代にはニューミュージックの男性デュオにもこの名前のがいたけれど。
続くmarbleもアレンジや曲作りの構造は確実に渋谷系以降なんだけど、ヴォーカルの声質やメロディや基本的な歌世界は90年代初期のガールポップから直に通じるものを感じさせる。その手のもの(さらにちょっと遡って永井真理子とかその辺)を子守唄として育った世代がいよいよ来たか、という感じもしたが、見た目はその世代っぽくなかったしなぁ(失礼)。
トリがかなりの動員力を誇ったcosmic homeで、フロントの女の子二人がキーボード&ヴォーカル、プラス・ベース&ドラムという編成。感覚的にはナチュラル・ハイあたりに近いというか、好きな人は好きそう。個人的には、以前書いた通り基準は花*花ということで(謎)。でも最後の浮遊感あるエレクトロニカっぽい曲は気に入ったな。
そんな華のあるバンド3組に挟まれて、ピアノ一発で勝負を図った今日のemicoさん。そのせいか、緊張の色もちらほらしていたが、逆にそれをもポジティヴなキュートさに変えるパワーが備わって来た気がする。ほんと、奏でる音の一つ一つに主張が出てきたというか、早い話、頼もしいです。初期の頃はアシッド色だと思っていた天然さが、実は持って生まれたしたたかさの賜物だったんだなと気づいた。でも、そろそろまた自由奔放なライヴが見てみたいという気もする。そんなわけで、来年3月リリース予定のミニ・アルバムに期待しましょう。

2006-12-13営業やら奇跡やら
本日は六本木Y2Kでかおりんのライヴ。かんさんのバンド主催ということで是非とも顔を出したかったのだけど、避けられない都合により諦め。それでも、熱烈に営業活動したい気持ちは抑えきれず、18日の告知ビラを折り込みしてもらうため、歯医者さん経由でY2Kへと駆け込み。大江戸線が開通したおかげでかなり助かったなぁ。
粘る余裕もなく、本日のメインイベントへ。ロフトプラスワンで行なわれたムック「恍惚のセクカワレコード・コレクション」発売記念トークイベント。
まぁ、本の内容は殿方の愉しみたるエロジャケの類を肴にぐだぐだという感じで、目の保養にもなるし勉強にもなるけれど、副作用が心配。イベントの前半はジャケを開帳しつつ音を「紹介」する程度でトークもかなり緩い。この段階では知ってる曲の割合がかなり高かったこともあり、素直に楽しめなかった(その分、プラスワンの罠で色々と注文しちゃうんだなぁ......後でそれが仇に)。若い世代代表として壇上に招かれた21歳のAV嬢(何でもエア×××なる催し物で優勝したとか、その割にふつーにノリのいいコ)の反応を眺めるだけでもちょい救われたが。
で、いよいよイベントの後半、今夜のメイン・ゲスト、再評価に押されて何と34年振りに歌手活動復帰となった麻里圭子さんが登場。
90年代の和モノ再発見で火が付き、グルーヴ歌謡、ストレンジ・エロス(プティ・マミ)、実験チルドレンポップ(「21世紀のこどもの歌」)など、ありとあらゆる側面が現役時を凌ぐ熱烈な支持を生んでいる伝説の歌姫降臨である。まず第一印象、年輪は重ねているといえども、実にキュート。元々小柄だから言うまでもないけど、全然老け込んでいないから凄い。
御本人も持っていないというレアなシングルの音を解説しつつ(多分「危険な春」「ジェルジェ」以外の全てのシングルが開帳されたはず)、興味深い事実の数々が語られる。会社の方針で演歌デビュー(曲自体は初めて聴いたけど、実にアナーキーな歌唱で演歌として聴くととても新鮮)、それを覆すきっかけを作った大橋巨泉さんのアドバイス。末期のスキャンダラスなイメージも計算ずくだったというのはびっくり。そして最後のシングル「告白」は説得力たっぷりの名唱で、丁度出始めの頃だったシンセとスタジオで対面というエピソードまで語ってくれた。全くネガティヴな回想を交えずここまであっけらかんと語ってくれるのならば、ビクターがインタビュー満載のライナーを添付してベスト盤を出さないのが全く不思議でしょうがない(K口さんお願いします!)。そして、復活の裏にインターネットあり。パソコン入手から1年でここまで来たという奇跡のプロセスにもらい泣き。
御本人曰く、何にでも対応できるオールラウンドさ、そして全てに自分のカラーを投影できる天賦の歌姫魂(だからこそプティ・マミや「ゴジラ対ヘドラ」もものに出来たのだ)。それがプラスでもありマイナスでもあったというわけで、私としては同時期に同じビクターでさらに焦点がばらけた活動を続けたとある歌姫(はい、妹が大出世したあの方です)から果たして同じ答えを誘き出せるかが気にならずにいられなかった。
それはおいといて、34年振りの復帰仕事となる「ゴジラ対ヘドラ」のリメイク。グルーヴ歌謡的側面やネタ度も生かしつつ、さらにスケールの大きな平成仕様、そこに乗っかる歌声はまぎれもなく本物だ。オヤジロッカーに負けない、昭和歌姫ルネッサンスはまだまだ開かれる可能性を孕んでる。そのスタートとなるべき一曲だ。
し、しかし.....ここで惜しくも燃料切れ。先に本を買ったのがいけなかったのか、はたまた一品余計にオーダーしたのが仇となったか。CD購入資金が若干足りなかった。仕方なしに東宝からライセンスを得て製造された生写真を一枚購入。そして、ちゃっかり持参したシングル盤にサインして頂きました。かおりんのライヴを欠席してまで駆け付けたのだから、そこまでせずに帰れますか。
麻里さんの出番が終った後、余興として本にも載っていない秘蔵ネタ開帳。実はここからが凄かった。こんなネタがあってもいいのかというとんでもない曲がいっぱい! タイトルの言えないブルース、とか(それは違うだろというツッコミは社外秘でお願いします!)。アレをチェンジした人のレコードとか。松村幸子「13日の金曜日」は円盤の田口さんが凄い曲と絶賛してた赤星氏作品だが、それのB面が聴けたり(実はA面聴いた事ない)。そして最後は、一部で有名なマリリン愛「借金音頭」で虚しく見送られたのでありました。同胞がいたら300円位借りてたよ、まじで。

というわけですが明日の活動資金はちゃんと温存してありますよ。大事な大事な、営業及び準備最終ラウンドである。

2006-12-14雨の赤坂
やっと落ち着いた。今後3日間は、何とかこの落ち着きムードを保持しつつ、18日の成功を確信できるよう心の呼吸を整えるのに専念しましょう。といっても今日も色々とそそるライヴがあるし、17日には渋谷のタワレコにそそるフルート姫がやってまいるのだが、我慢。ライヴ前用に温存してた燃料が完璧に切れました。
昼間に最後の作戦会議のために一旦L@Nを訪れたあと、時間が空いたので、といってもあの界隈は面白い場所に欠けるから、思わず渋谷に出てユニオンやらあの辺を徘徊。天気も冴えないし、もう少し時間の計算が上手く出来ていればなぁ。
赤坂に戻って、本日のメインイベント。

[実演鑑賞記] 松岡宮presents 赤坂銀河祭り@ L@N赤坂

今年5月以降、何かとお世話になりっ放しだった松岡宮さんが2006年最後に放つ一大ページェント。今回はとにかく半端ではありません。まともな音楽的要素を排除しつつ、極限まで表現の過激さを突き詰めた、そのくせしてまったりなイベント。
オープニングで軽くジャブをかましたのは一人ユニットKaMiya。テクノ歌謡というより、歌謡曲風味テクノポップと呼んだ方が相応しいか。2組目はインプロ+ペインティングというスタイルで、かなり凄い事が起こると予感させたVAGDIK。インプロはドラム+生ギターだし、ペインティングも身体全部を過激に使うというより、かなりデリケートな手法で行なわれていて、スタイルとしては予想していた以上に淡々としていたのだが、見入っているうちにその奥にある毒に気づかされてしまうというシステム。これはなかなか凄い。そんなアーティスティックなムードを一瞬にしてぶち壊すのが、パンクな詩人+お笑い+パフォーマー、北村幸生。怪しい「神様」スタイルで出て来ていきなりスケッチブックを使ったパフォーマンス、これは小心ズ的世界か? と油断してると、いきなりお菓子やらコンドーム(!)やら訳の解らないものが飛び交い、コント(?)の内容もシュールでかつ脱力系。しかし全体にパンクの要素が充満していて、心の底から吐き出されるアナーキーに拍手せずにいられない。そしてそれは、こないだのくつした蒲田ライヴでもお客さんの度肝を抜いたマッドシティーの映像美学へのまたとないイントロになっていた。ネタ的には前回とほぼ同じだったが、2度目ともなるとどこにツボがあるか解る分、予期せず笑いのレベルが高まってしまう。もうまじで最高。
そしていよいよトリの宮さん。今日はまじで何かに取り憑かれていたとしか思えない、何時にも増して壮絶なパフォーマンスを展開。詩的センスは言うに及ばず、その世界をさらにエスカレートされるべく動かされるひとつの身体。表現自体がロックンロール。邪悪なインテリジェンスが無邪気に微笑み、ひとつひとつの言葉を「調べ」に変える。まさに今年一年を総括という感じのライヴでありました。
帰ってきて、やっと落ち着いたと思ったら、たった今某北欧国の方から厄介なメールが......今は構ってられないんだよな経済的にも、と言いつつ、これも何かのきっかけになればとどきどき。タイトルは一応ブルコメの曲ですが、帰り際お客さんとしてご一緒したレンダのお二人にそうすると言ってしまったばっかりに。

2006-12-16あんりみてっどさぷらーい
昨日はまじで抜け殻状態。18日への営業を始め、いろいろなことが同時に進行していて、本番を前に一旦落ち着きを見せると、それだけで「無」の境地へと至ってしまうのです。松岡宮さんのイベントが凄かったからというのもあったかもしれないし。
それに加えて、朝から東芝が音楽事業から撤退というニュースを聞いて余計放心状態です。ええ、少なくともCCCD導入し始めてからは、東芝EMIに対して殆どネガティヴなことしか書いてこなかった気がするのですが、あの及び腰で有名な英国EMIがあっさりこれを認め、100%子会社にするために重い金を動かしたというのを知るに及んで、あああもう終ったんだなという気分に襲われました。
1959年始まった日本レコード大賞の第一回受賞曲は、発足したての東芝音楽工業からリリースされた、水原弘の「黒い花びら」でした。そのレコ大が、今年を最後に幕を閉じるというニュースさえ聞こえてきます。あらゆる意味で象徴的ではないかと。
今後も東芝EMIという名前はしばらく残すそうで、徳間書店とは全くの別会社となっている現在の徳間ジャパンのことを考えると不思議ではないのですが、東芝の意地が妙なところに感じられてなんか悲しいし。何度も書いたギガビートを巡る件といい、ソニーの潔さとは違う不気味な意地の悪さが最後まで消えなかったということですか。まぁ、100%外資系となったことで、以前ワーナーやBMGがやったような演歌歌手総リストラが行なわれないかがまず心配ですが、主流のJ-popは今まで通りぼちぼちやってればいいと思うし、英国流のやり方が入る事でカタログ部門も今までと違う形の充実が望めるのではと思う。
何よりも、CCCDが完全にこの世の中から消え去ってくれれば、それで充分です。
例によって、別の処でこの件について必要以上に深く書いてしまったので、探して頂ければ幸いです。

2006-12-192006年度ルル網イベント日程終了
開催まで色々と紆余曲折ありましたライヴVol.6「よい子の森よ永遠に」、無事終える事が出来ました。準備日数のあまりの少なさを補おうと必死で営業したものの、やはり「12月にしかなし得ないオーラ」には勝てず、集客的には(ライヴ・イベントだけを考慮したら)最も淋しかったという気さえしますが、もうほんと、達成感だけはいやと言う程ありました。
ここまでに至る道程は明日以降少しずつ振り返ってみたいと思いますが、とりあえず結果報告ということで。今月2日のイベントの場で急遽お誘いすることとなったTGVの渡辺兵馬氏は、期待通りTGVらしいというか、その場を独自のものに変えてしまう選曲で、居合わせた少数の人達のハートを確実に捉えたと思います。体調不充分の中、与えられた時間をしっかりこなして下さり、どうもありがとうございます。
オープニング・アクトとして登場したのは、今回ハコ側の推薦により出演が決定した小泉妃香里さん。今週、卒論の提出を控えているという現役女子大生シンガーで、大変な中出演して下さり非常に恐縮です。な、なんとあの幹てつや氏にスカウトされたというきっかけも泣かせますが、歌の方も芯がしっかりしていてチャラチャラしたところがない。かおりんのファンにも是非聴いていただきたかったですね。
2番目のアクトは男女二人組ユニット、ooze。実はこのスロットが決まったのは何と10日前で、丸芽もまだ音を聴いていないという状態だったのですが、驚くべき事に今回のイベントの核心とも言える音世界を展開してしまったのでした。生ギター2本とピアノ、そして多少のエフェクトというシンプルなスタイルながら、音の演出の仕方があまりにも深すぎ、アシッド・フォークとはまた違う幻惑の世界へと誘う。所謂アコーストロニカってのはこういうものなのでしょうか? ヴォーカルも繊細でありながら時に激情し、乙女ポップと激情ロックの間を上手く埋めているという感じ。ぎりぎりにはなったものの、今年新たに知ったアクト上位5組には確実に入るのではないでしょうか。
そしてこのoozeを推薦してくれる等、今回のライヴでかなり重要な役割を担ってくれたのが、次に登場したゆやゆよん。7月に初めて観て以来、この独自のスタンスを持った爆音ロックは、ルル網のスタイルの一つとして是非提供しなければとずっと思っていて、今回のライヴのコンセプトも当初はバンド中心でした。いざ実行してみると、やっぱそれは無理なものだったと思わされたし、ハコの選択やバンド間の連携など、ルル網のキャパを越える課題がいくらでもありそうで、ほんと反省材料いっぱいです。そんな主催者を横目に、いつにも増して激情のライヴを展開してくれた三人に、またも感謝の気持ち。上級なお歳暮を届けてあげないとね。
トリを飾るのはさくらかおり嬢。彼女の出演だけはこのライヴの当初の構想からずっと決まってたのですが、コンセプトの変更とか色々に惑わされつつも、この歌姫の魅力をより多くの人に知って頂きたいという気持ちはずーっとあって、その気持ちが彼女を今回のトリへと位置付けたのでした。昨年12月30日のKAKADOでのライヴの盛り上がりも頭の中にあったのは言うまでもないです(まぁ、日程的には30日の方が遥かに自由度が高いのは確かでしたが.....)。この所ずっと弾き語りでのライヴが続いたので、久々にピアノから解放されたかおりんの伸び伸びとした歌声は、この夜の歓喜を刻印してくれたような気がします。
結論として、やはりコンセプトはしっかり立ててから臨むべき、というのを教訓として得ました。何せ、ハコ側主体で開催するイベントの演出は初めてだったので、色々とプレッシャーがありすぎたのは確かですが、改めてまだまだ負けるのは早いと感じたのも確かです。ルル網にはまだまだやり残していることがありますし。
やっぱ、好き者稼業は楽しいですよ。それだけでは食って行けないなんてネガティヴなことは一切考えないようにします。身体を削ってまで生き抜く事にこだわる位なら、シビアに幸せと向き合う方がずっと素敵。愛してます、みんな。

2006-12-20よい子の森から赤坂へ
やっと終った! という安堵感がやはり逆方向へと身体を誘導してます。これから色々と重要なことに取り組んで行かねばならぬのに(勿論次のライヴも含みますが、それが一番重要なことではないとだけ書いておく)。ほんと、身体の調子だけは整えておかないとね。
というわけで、今日はライヴ当日に至る道程を敢えて振り返ってみたいと思います。
この話が持ち込まれたのは、8月16日にL@N赤坂で行なわれた松岡宮さんのイベント 「赤坂御盆」の直後のことでした。このイベントでDJとしてかなりはりきることが出来た丸芽は、終了後ハコ側と主催ライヴの話で盛り上がり、間もなくイベント全面プロデュースの話を打診されました。10月にHOT SHOTでの第5回ライヴを控えてはいましたが、次のイベントはバンドを集めてもっと盛り上がるステージをやりたいと考えていた丸芽は、それならばと乗る事になったわけです。
しかし、本来は2007年2月位にできればと構想していたところ、いきなり11月某日はどうでしょうかという提案が。いくらなんでも、構想してるバンドを集めるのにこの準備期間は短すぎと思ったし、他にも今までのルル網ライヴでは考えられないリスク面が浮上してきて、これじゃ無理、せめて12月にしてくれということで妥協してもらいました。しかし、12月という時期自体が最大のリスクであるという罠に、この時は流石に気付いていませんでした(過去、12月に行なったイベントというと、2年前の早稲田・茶箱での第5回緩音夕位のもので、あの時は先に場所代を払うというシステムだったため、当日の動員数の影響がそれほど深刻に感じられませんでした。確かにmayutanさんのお陰で、かなりの動員にはなりましたし、ルル網仲間も遠方の方含め沢山集まってくれましたが......)。
この段階で、すでにさくらかおり嬢の出演だけが決定していて、そのかおりんがお茶の水KAKADOで行なった昨年最後のライヴがかなりの盛り上がりを見せたことが、好印象として残っていたのは幸いだったのですが。ともかく、10月に入って、各方面にアプローチ開始。直接バンドと接触できるチャンスがあればばしばし利用したり、その他のことを準備しながらあらゆる面で奔走してはみたものの、いつにも増して険しい道に。やはり「条件」の壁なのだろうか、それともまだまだ甘かったのか? いずれにせよ、11月になる頃には、これ以上バンドを集めるのはもう無理と悟り、一旦は方針変更。今度は歌姫集め。しかし、そっち方面もしっくりこない。もうどうにもならなくなって、ルル網プレゼンツの冠を一旦返上して、普段通りのブッキング・ライヴに変更できないかという提案までぶちあげましたが、簡単に投げ出すわけにはいきません。この段階で、ハコ側の方も空いてるスロットを埋めるために色々と動いてくれることになりました。結果、オープニングの小泉さんの出演が無事決定。
そんな中、11月11日の 「くつしたサミット」や、今月2日のTGVライヴなどに、改めて勇気を貰うことでやる気を取り戻し始めた丸芽の元に、ゆやゆよんの皆様から朗報が。やる気満々なだけではなく、アクト推薦の話にも乗って下さり、ここでooze出演が決まりました。何と今月7日の話です。最後の最後にDJを押し込むことも決まり、2日にはTGVのその場で渡辺兵馬さんに参加を打診。潔く乗って下さいました。全てのピースが埋まり、金銭面でもぎりぎりながら折り合いがついて、やっと開催当日です。
前日になってから慌ただしくネタ仕込み、当日配るルル網10周年記念機関紙も試行錯誤しつつ夜更けまで制作して、いざ出発。電車の中で、重要なことに気付く。ヘッドホンの変換プラグを付けるのを忘れていたでは! こないだのBGM#3でも同じものを忘れたばかりだったのに! 近くに電気屋さんないかなと探しつつも見つからず、集合時間が近づいていたので、松屋で腹ごしらえして、機関紙コピーし、L@N入り。プラグは何とか借りられたものの、今度はもっと重要なものを忘れていることに気付く。シングル盤用のアダプターだ。宮さんのイベントの時は、特に客出しの時のネタが殆ど45sだったので、ちゃんと2つ持って来てたのに。あああ、これはでかいよ。CDJが一台拘束されることが事前に解ってたので、可能な限り殆どのネタをアナログ盤で持って来てたわけだから。幸い、持参したシングル盤の内一枚が、センターホール小のものだったので、それを下敷きとして使うことで何とかごまかすことに決定。それにしても、曲順をしっかり練らないと、変な繋ぎになりかねないしね。
そうこうしてる中、かおりんの一行(但し、かんさんは仕事の都合でリハに間に合わず)、ゆやゆよんとoozeが次々と到着。今回は演出も本格ライヴハウス仕様ということで、リハーサルの場作りには参加せず(かえって前回のHOT SHOTが、一番場作りに協力できたという点で貴重な一夜だったな)、じっくり眺めて雰囲気を読むことに専念。リハ終了間際に小泉さんも到着。じっくり話す機会はなかったけど、なかなかの好感触だ。そして本番開始15分前に、渡辺氏がやっと到着。DJの件であーだこーだと色々お手数をかけるかもと説得する間もなく、彼の方で格別の解決策を準備していた! さすがTGVスピリット。お陰で、時間的な制約はあったとはいえ、刺激充分のDJプレイを堪能させてくれた。
そして、いよいよ本番。あとは昨日書いた以上のことは書きませんが、ライヴ本体はほんと申し分のない出来だったし、DJの方も、45アダプターなしというハンデにめげず、何とか最低限のことをやり遂げました(あとでMDを聞き返してみると、一部の曲でやはり音が揺れまくり.....冷や汗)。多々反省点ありますが、これを何とか次回の肥にできるよう、じっくり考えながら準備を進めたいと思います。少なくとも、今度は何とか日曜開催が確実というとこまで、持っていってますよ。
最後に、「よい子の森よ永遠に」というタイトルは、丸芽が幼少期を過ごした、近江神宮内に実在する「よいこのもり保育園」に由来しています。まさに自分にとってのストロベリー・フィールズとはここなのだということで。先頃訪れたら、まだ存在していたことに感動しました。いつか歌いに行かせて下さい。

COMMENTS
松岡宮: >お疲れさまでした。イベント、ちょっとネット中継で観ましたよ?。イベント名の由来に感動しました。みんな子供だったんですね。
丸芽: 宮さん、見て下さったのですね! ありがとうございます。再放送が有料となったので、自分の目でどんなものか確かめられないのが残念ですが。どのアクトもL@Nの空間を上手く使って、素晴らしいステージを見せてくれたと思います。その点では勝ちだなぁ、と。
最初は別の名前を考えていたのですが、結局諸事情で変えねばいけなくなって、その時ふとケータイ内にあったよいこのもりの画像が目に入って、「これだ!」と。まぁ、一部漢字に変えましたけどね。「ストロベリー・フィールズ」も本当の名称は「Strawberry Field」ですし。来年もよろしくお願いします!

2006-12-23少し笑った横顔に
さてと、ちょっとだけながらライヴ鑑賞記がありますよ。

[実演鑑賞記] (12/23) 5884、他@ 大塚Cave

唐突に、5884とは何ぞや? それは、この2年間ルル網としても大変お世話になったくつした嬢がドラムを担当するスーパーグループである。思えば、松岡宮さんのイベントも含め、今年ルル網が関わった催し物の殆ど全てに参加して頂いたので(勿論京都ライヴと宮さんイベントは出演者として)、当日Xx歳の誕生日であるからして恩返しをしないわけにはいけない。昨年、ベーカリー六角の一員として小気味良いドラミングを聴かせてくれた彼女だが、このバンドでは直球勝負のストレートなロックをやるということで、期待に胸高まります。
さすが、ドラムがしっかりしてると素直にグルーヴに没入することができるし、バンド全体の音もまとまりが良くなる気がする。大人のパンクという感じで久々に乗りまくり。乙女ドラマーにはどうしても大胆なものを求めがちになってしまうけど、こういうドラミングの基本的なツボを押さえたプレイこそ最も重要なんだなと感じさせられた。
この夜のイベントは全部で6バンド出演したのだが、体調的な事もあって、3バンドで引き上げてきた。さすがに9時過ぎてあと3バンド観るのはきついな。3つ目のPARAISOが、見た目は硬派なロカビリー系かと思わせて、実体は80sニューウェイヴに通じるクールなプレイ、しかし曲作りとヴォーカルはかなりの屈折度で他に例えようないバンドだった。と言っても、ガールズ界に目をやるとつしまみれとか、こんな感じのバンド珍しくないわけで、余計特異に映って感心した。

2006-12-25Lost Someone
JBが亡くなった......90年代に2回来日公演を見ているが(特に92年は翌日にプリンスを観たという凄い体験だった)、還暦過ぎにしてカリスマ感を失わないその存在感は、何にも増して鮮烈なものであった。彼を生で観られたというだけで幸せだったと、言わねばならない。今日はのだめ最終回を挟んで夜通しファンク追悼祭りだ。
それに先駆けて、55年の歴史を誇るヤマハ銀座店が、ビル立て直しのため一時移転に伴って今日から5日間CD大バーゲンセール。早速行ってまいりました。クラシック以外のCDやDVD(全部ではない)が半額ですよ。タイミングよく報われたな。今月は結局ちば嬢のCD以外は全部半額買いでしたね。銀座行ったついでにのだめフェスティバルも覗いてまいりましたよ。

2006-12-30サタデー・ナイト・すすり泣き
スッキリ! 吐き出したかったことも無事吐き出すことができて、これで安心して年を越すことができそうです。といっても、一つだけやり残してると思うことがあるので、何とか今日中にやりとげよう。とにかく、本年の暮れは珍しく外で羽目を外そうと決意したので、あまり無理しないことにします。

回顧も一段落したのでネタがないのですが(つーかお祭りに迎合するだけの神経がない)、思ってみればSNSでの出来事を朧げながらここで明かすのもある意味効果ありかもしれないということで、本年のルル網の歩みにどのようにSNSが関わってきたかを記してみたいと思います。
まず、SNSとの関わり合い自体に関しては、昨年に比べると安泰だったと思います。唯一ヤバイ出来事だったと言えるのが、5月の六本木ライヴの直後。ちょっとした誤解で一人同志を失いました。といっても、そういうケースに限って自分から同志になろうと言い出したわけじゃないから、それは相手側の体質なんだろうなとそういうことにしておきます。あとリアルでの新しい出会いがSNS付き合いに発展したのと同じ位、旧知の仲間との「遅すぎたSNSデビュー」に追随する再会が目立った、そんな一年でありました。そして、対外活動を活発に行なった分、コミュニティ管理が充分に行なえなかったという反省点もあります
。 自分のイベント絡みでは、京都に関しては大部分SNS関係無しで準備を進めたのですが、その後の3回は全てSNSが物を言いまくったと思います。六本木の場合は、結局出演アクト全員がSNS付き合いありという結果でしたし、HOT SHOTの時は直接SNSがきっかけでコネが出来たアクトは皆無でしたが、準備段階(チラシの画像とか)に於いてSNSコネが物を言いました。そしてL@Nの時は、アクト探しの段階でSNSの恩恵をかなり被りました。特に最後の1週間はそれが物を言いましたね。
自分自身のSNS内部での言動に関しては、やはり口を噤むべきなのでしょうが、部外者の不穏な動きには結構悩まされたです。といっても、短時間に大量の見知らぬ者からのアクセスを受けたというケースは殆どなかったのですが、やはり正体がはっきりしない者に何度もチェックされると気になるじゃないですか。それも、アイデンティティがはっきりしない、しかも友人が極少ない数しかいなくて、その友人のアイデンティティも怪しいとかになると余計心配です。まぁ、SNS側としてもクリスマス辺りからその辺のヤバい動きを緩和できるよう、いろいろと努力してくれているようですが。仕方ないです、自分の同志の同志の範囲内にさえ、敵は存在するのですから。
あと、折角始まったプレイリスト晒しサービスによる人脈形成を上手く利用できなかったのは悔しいですね。まぁ、節操なさ過ぎだからしょうがないけれど、この道は有効だと思っているので今後も活用していきたいですね。ただこれの副作用で外部HDDが不安定になったのだけは確かですが.......。
来年は是非とも、イベントとか抜きにして純粋に顔を合わせて好き者トークをする機会を絶対持たなきゃと思っています。

さてと、今年はどうしようかな、「おまけコーナー」(謎)。

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