よりぬきルル網日誌 2003年の巻

2003-04-28故意の衝撃
シド・バレットの存在は記憶という単語とは程遠い。よってテレビ等に呼ばれず。したたかである。朱里エイコの存在は万人の記憶に残る。よってテレビに呼ばれれば出ていく。幸せである。
必ずしも幸せな方が記憶をいい形で脳裏に甦らせてくれるとは限らない。昨日「決定! これが日本のベスト100」を見てて、つくづく思った。
現在の朱里エイコの姿を見るよりも、海道はじめの「新スナッキーで踊ろう」を聴く方が何億倍も幸せをもたらしてくれるのは確かだ。歌い続けた海道さんは決して時代の流れに負けず、葬り去られた楽曲を蔑ろにしなかった。朱里さんはある段階で時代感を失ってしまったのであろう。彼女に何とか走る力を与えているのは「万人の記憶」以外の何でもないはずだ。
ヒット・ソングは流行り廃れ、新陳代謝を繰り返す。そんな世界だから、したたかに生き残るのって、難しい。ジョン・レノンの「想い出に浸りたいのなら、レコードを聴けばいいじゃないか」というのは格言としか言い様がない。もちろんその言葉に刃向かうように疾走を続ける今のポールやリンゴも、充分頼もしいのであるが。そしてワイルド・ワンズやハプニングス・フォーや再始動したゴールデン・カップスも。
失った時代感なんて、肝に命ずれば容易く取り戻せるはずさ。
まぁ、自分は「あの人は今」企画なんて好きで見たいと思わないのだが、あの番組は「これが太田のベスト3」があるから見てるようなもの。あと時々やってくるとんでもない胸キュンのために。グルメ企画とかの時はまず見ないしね。

2003-05-04「償い」はネタ度高くて泣くどころの話じゃありません
愛猫に死なれたばかりの人や離婚したばかりの人を呼んで恐れ多くもそんな企画をする奴がいるかとあきれつつ、結局ちょっとだけもらい泣きした今週の「これが日本のベスト」。言っておきますがそんなお涙ちょうだいソング20曲程度では怯みませんよ。でも別の意味で泣ける曲はいっぱいあります、極個人的にね。
ちなみに人が亡くなった時に泣いたって例は過去殆どないんです。「御葬式に行けない」とか別の理由がからむと、余計涙腺が刺激されず、神経に直にきてしまう。人生において誕生と往生は必然なのだから。 だから個人的に泣ける曲のリストの中には、父の死と切り離して語れない「パープル・レイン」とかジョン・レノンの曲は入ってない。むしろ人生の中で起こる数多くの、必然的ではない損失に対する涙は避けられません。こう言っていいのかな、泣くことが最上級の悲しみの表現とは考えたくないと。下世話な悲しみは好きなだけ泣き飛ばせと。泣けない曲がない奴なんて信じないと。そうさ、何より先に悲しいなんて思わなきゃいいんだよ。オチに「明日があるさ」を持ってきたのは番組の構成上正しかったと思う。
ではささやかにここを借りて便乗企画「これが丸芽志悟の泣かずにいられない曲ベスト5」。
5. ローリング・ストーンズ/愚か者の涙
人生の荒波を経験した大男が突然ダメ男ぶりを悟り聴く者を同情させずにいられなくなる。しみったれた哀愁と無縁なのはミックの説得力のお陰。あと「ブライアン・ウィルソン自叙伝」の280ページも参照。実はポリス「見つめていたい」と激戦だったが.......
4. 10cc/アイム・ノット・イン・ラヴ
究極の強がりソング。最近のラヴ・ソング系コンピでこれが入っているのを見ると、憤慨するよりも「思い知れ」という気持ちが強くなる。でも「大の男は泣くな」と囁かれた直後この歌詞が来るとまじで涙腺爆発。「君の写真を壁に貼ってあるけど/それはきたないしみを隠すためなんだよ」。ううううううう。
3. ザ・ビートルズ/オール・トゥゲザー・ナウ
ビートルズの曲の中では昔からこれを聴くとほんと心がうるっとなって。「サッカー場で皆がこれを歌うのを聴くと楽しい」とジョン・レノン(作者ではない)は言ってたけど、むしろこれを聴くと連帯感を欠いた世界の抱える病みが脳裏を横切ってしまうので。20世紀、世界はビートルズに踊らされたというのは実は間違ってたのだ。踊らされていたらこんな世の中になってるわけない。なお映像(「イエロー・サブマリン」のラスト、各国語の字幕が出るところ)付きだと余計泣ける。
2. ブライアン・ウィルソン (ビーチ・ボーイズ)/キャロライン・ノー
1. 杉山加奈/青い落ち葉
この2曲はあえてコメントなしです。『ペット・サウンズ』は全編個人的心理状態をぐらぐらさせる曲ばかりですが、最近はむしろ気が重い時は聴かないようにしてます。1.は人前で死ぬ程泣いた時に流れてた曲だし(覚えてるでしょ)
ちなみに同番組後半のカヴァー・ソング特集には井手メンバー出てきませんでした(当然だって!)なんて書いて、ムードを軽くしよっと。さてと「シーズ・オール・ザット」についてきた松竹宛てのハガキ絶対出さなきゃ。買った理由→その他(声優の一人)、DVD化希望作品→もちろん「進め! ジャガーズ敵前上陸」。素直に書きまっせ。

2003-05-11天上の調べは始まりだけを象徴する
篠原理華さんのコンサート、行ってきました。それこそ一時期は追っかけ状態に近いものがありましたが、色々あって一昨年6月のソロ・コンサートを最後に御無沙汰状態で。まぁ、ここで語るべき事を語り始めたら大変な事になるのでやめておくが、実際大変な不安があった。ほんと申し訳ないという気分が先行して。まぁ、理由は解る人だけ解ることにしておくけど。
でも、一旦音楽が流れ始めたら、そんな事どうでもいい。目の前には巫女がいて、天上の調べを奏でている。思ってみればそれは全てにおいて始まりの象徴だったのだ。この調べが何かの終りを涙で水没させるものであってはいけないのだ。改めて、音楽における癒しの力を見せつけてもらったような気がした。
そうだよ、いい加減な同志意識をもって誰かさんのあほな戯言に迎合してる位だったら、いい音楽と共にいい気分でいる方がずっといい。だから買うのだ。だから落とさない、コピらないのだ。どうもありがとう、これからも大切にしていきます。

2003-05-13農・協・牛・乳! (ニセ)
我がネタ磁場内には再びフェイクものの嵐が来そうな予感。最近のクロニクルやコロムビアのアニソン・コンピの選曲を見ても、権利の都合上カヴァーで済ませるしかなかった音源にもやっと価値が見い出されるようになったという気がしますが、我がネタ界はそこまで真剣に語らせる余地はありません。
きっかけは、16日に例年のごとくキングから大量放流される「決定版」シリーズの一枚、「SF&アクション映画音楽」をチェックしてたら、プリンスの「バットダンス」が得体の知れないヴァージョンで入っていて、よくよく思い出したら家にもあったと。去年の廃盤セールで、同じ「SF&アクション映画音楽」の2枚組の奴を買っていたのだ。オンライン買いだと放置しがちになってしまうもんですよね。「SW」とか「E.T.」とか、ありきたりなテーマ曲に交じって、GNPクレシェンドの社長の息子で、子供の時からシーズやキム・フォウリーと遊びまくったというニール・ノーマンの指揮するオーケストラが演奏するB級SF映画の音楽がいっぱい入っていて、興味をそそられたのである。(ちなみに今度出る1枚ものには殆ど入っていない)。まぁ、昔は「サントラはキング」というキメ文句があった程充実していたのに、今はこんなに.....というお家事情がそうさせたようなコンピであるが、件の「バット・ダンス」(原文ママ)、やはり入ってました。歌byジェームズ・マーヴィン。作曲者からして"C. Young"となっていて謎である。
なん、なんだ.....映画からなのかプリ様のヴァージョンからなのかよくわからないが、セリフもろサンプリングしてるぞ。ギター、打ち込み、叫びと、あらゆる要素が適当。しかし一番訳わかんないのがこの編集。CDプレイヤーのタイム表示見ても、ちゃんと正常に動いているし。どこでどう考えたらこういう場面展開になるのか不思議である。ボーカルなんかカミールの方に近いしね。おなじみの「農協牛乳」叫びなんて、適当に言ってるとしか思えない。最後にまたもろサンプリングだが、安物のテープが切れたみたいな終わり方である。ぁ・ゃ・ι・ぃ.........
こういうのも、きっと日本でもアメリカでもない謎の土地で適当に作られたものと憶測するしかないが、その怪しい存在感は一体なんなんだろう。フェイクの美学としか言い様がない。というわけで、今後はバブル期までに乱発された「最新ディスコ・ヒッツ速報」みたいなアルバムとか、「ドイツのスタジオ・ミュージシャンが演奏」とかそれらしい謳い文句が刷り込まれた安物のコンピも上手い具合に探求せねばと思うのです。もち、メディアはカセット・テープ限定! LPやCDで買うほどの重量感を求めてどうするのだ。ネタMIX的にも即効使えるし。
で、今は恵比寿さんから送ってもらったナウいトゥロットゥのテープを聴いてます。これもカセットが良く似合う。ディープなのに、このアッパー感は何なんだ? 屎ふあつきんな野球を映し出すテレビの画面さえも一瞬で浄化されてしまいます。お隣のお国は(事情がどうあるにせよ)ここまでフィーバーしてるのに。我が国の歌謡界はなんなんだろう。せめても、ガウスさんには愛のおさい銭。ここだけですよ、これに近いアッパーな平成歌謡を今生み出せるレコード会社は。キングにもちょっとだけ。

2003-05-14宿命の音盤
嵐の前にちょっとしょうもないことを考えてみた。一体、我がCD棚に於ける最もダブリの多い曲って何なんだろう?
思いつくまま、少なくとも4枚以上の異なるCDに収録されている曲を探してみたが、特にキンクス、モンキーズ、ビーチ・ボーイズあたりは単独CDだけを対象にしてもかなりの曲がリストアップされてしまうので、対象を複数アーティストのコンピレーション(サントラ含む)のみに限定。基本的に大幅なヴァージョン違いのあるものは別曲とみなし、勿論オリジナル音源を所持しているレコード会社から出たもの及び、その会社のライセンスを得て発売されたコンピのみに的を絞ったら、こんな結果に。
4枚の異なったCDコンピで持っている曲 (アイウエオ順)
明日なき世界 (バリー・マクガイア)、インセンス・アンド・ペパーミント (ストロベリー・アラーム・クロック)、ギミ・ダッ・ディン (ザ・ピプキンズ)、狂ったナポレオン、ヒヒ、ハハ.... (ナポレオン14世)、シット・ダウン・アイ・シンク・アイ・ラヴ・ユー (ザ・モジョ・メン)、パイプライン (シャンティーズ)、メキシカン・レイディオ (ウォール・オヴ・ヴードゥー)、ラッパー (ジャガーズ)、リトル・グリーン・バッグ (ジョージ・ベイカー・セレクション)、ワイプ・アウト (サーファリーズ)
5枚の異なったCDコンピで持っている曲 (アイウエオ順)
カンフー・ファイティング (カール・ダグラス)、サーフィン・バード (ザ・トラッシュメン) まぁこれは変な曲好きとB〜Z級映画好きも絡んでるということで......
ちなみに邦楽は未調査だが、「モンキー・ダンス」(ザ・スパイダース)が一番多いのは確実だと思う。あと「お宮さん」とか「赤毛のメリー」あたりか。それにしても.....単独CD持っているアーティストって両サーフ・インスト組とナポレオンとモジョ・メンだけだし。あとは自然の成り行きってもんでしょうか。それと「メキシカン・レイディオ」の意外な健闘 (全て米国盤80年代ニュー・ウェイヴ・ヒット・コンピ)にびっくり。狙ってなかったのに。
単独CDを含めると4枚を越える「次点」としては「スピリット・イン・ザ・スカイ」(ノーマン・グリーンバウム)、「ピクチャーズ・オブ・マッチスティック・メン」(ステイタス・クォー)、「マイ・ワールド・フェル・ダウン」(サジタリアス)、「リーダー・オブ・ザ・パック」(シャングリラス)、その他いろいろ。本当の事を言うとナポレオンは単独CDと非公認コンピを含めると8枚もあって単独トップ決定! ああっなんてCD棚なんだ.......そう、コンピ至上主義を責める理由なんて自分の中にはこれっぽっちもないんです。

2003-05-31グッドバイ・フジヤエービック
ポイントカード新規発行停止、手持ちのカードも9月いっぱいで有効期限終了というニュースは多くの好き者に衝撃を与えたが、昨日そのカードもやっと使い切った。果たして今後ここにお世話になることはあるんだろうかと、ふと考える。
そう、中古レコード・CD屋の在り方についてまた考える時がやってきたのである。
レコード会社にとっては数多い敵の中の重要な一つでありながら、そんなレコード会社にお世話になってるアーティストも含めた音楽好きの消費者にとってはこれなしで生きていくことなんてできないという厄介かつ美味しい場所。
幻の名(迷も)盤好きの自分としては、宗内のページで書いている通り、これと巡り会ったおかげで人生が変ったという風な品の供給元としての中ちゃんに、リスペクトに近いまなざしを送っているわけだが、これもまたレコード会社の体質が遠回りに作用した所以である。自分達が世に送った全ての作品を同じ様に流通させておくわけにはいかないという掟のせいで、幻の名盤は生まれるわけだから。
一方最近の自分の、ネタ好き転じて誰かの捨てたネタも自分にとっては美味しいから中ちゃんは有難いという思想にしたって、絶対正しいとは限らないんだから。捨てる誰かがいるということは、音楽という文化が大切にされてないってことだから。そこに目をつけ、色々と理屈をまくしたて吠えまくるのもレコード会社である。よって中ちゃんは悪者ということにされてしまい、抹殺されてしまうお店も出てしまうということである。ああ悲しい。まぁ、買ったばかりの新譜をつまんないからと翌日売ってしまう人の話も、「名盤名盤って持ち上げられるからって自分にとってはどうでもいいから売っちゃうんだよ」ってかっこつける奴の話も、仕方ないから仕方ないし、中ちゃんはそれで美味しい商売してるわけなんだけど、ただ一つ。私にとってはCDもパンツも同じ消費物だなんて絶対思いたくないのだ。作り手の心くらいはちゃんと解って買ってあげなきゃと思う。いくらとんでもない迷盤だって、作った人はちゃんといるんだからね。それがわかんない人は買うなと、ずっと同じパンツ濡らしてりゃいいんだと思うのである。
まぁ私も80年代集めた洋楽45sを結局600枚強「都合により」手放したことがあるんだが、大した成果は得られなかった。でもどっかに有り難がる人はいるものだ。そう思った途端、ネタの放出をするのは(極個人的なトレードを除いて)やめた。中ちゃんにお世話になるのは誰かの可哀想なおこぼれもののためだと割り切ってしまおう。まぁ、「オマリーの六甲おろし」を去年再プレスの際定価で買い求める羽目にならなかったのには救われたとだけ言っておこう。
最後に表題の件。一応フジヤエービックという商号がなくなるのは事実なんであえてそう書いただけで、気が向いたら今後もお世話になるつもりではありますが、まぁ円盤詣でのついで位だろうなぁ、中野行くなんて。

2003-06-04晴天の霹靂
まさにやられたとはこのことです。同志プディ氏による「歌謡曲黄金時代」のレビュー。ネタ3連発というだけで飛び上がってしまったのに。
はなわ「佐賀県」と「NOVAうさぎのうた」のレビューですよ。言われてしまいました。正直に。これ読んで自分の頭を蹴りたくなってしまいました。こういう見解を発してくれたから、かえって嬉しくなるわけです。自分も「NOVAうさぎ」CMヴァージョンに対する見解を含めて、彼と全く同意見と思ってたのに、うまく書けない。素直になれない。聴いて楽しいならいいというだけで、ネタ度に対する深い考察なんてしてなかったのです。
ルル網がある段階から敵を作り始めたのもひとえに素直になれないせいだと決めつけていたんですが、それもそのはずです。一旦書き物を仕事にしてしまったら後戻りできないわけですから。で、ちょっと何か言ったら批判と決めつけられて同志扱いされなくなる。この一年間、それがずっと喉元に引っ掛かっていて、「緩音夕」にしろ何にしろ、スムーズに活動できなかったんです。もちパーソナルな問題もありましたけど。
何度も書いた覚えあるけど、あるレコード業界関係者に「ルル網みたいなサイトのせいで音楽雑誌が売れなくなったんだ」と言われたことがありまして。裏返すと、音楽ジャーナリズムというものがシステムとして崩れ去ったということなんです。金で買った雑誌にヤなことが書いてあったから逆に興味を持って追いかけようとするとか、そんなことはまずなくなった。まずネットで調べればいいんじゃないかと。売る側(アマゾンにしろHMVにしろ)が批評めいたこと、しかも無差別な意見の採用に力を入れるようになったのも、その副作用なんです。本当のことを知りたいならネットをいくらでも探求してみろってことですね。一方で売り物に物を書く人のスケールは縮小する一方。某所で読んだけど、若手ライターがCCCDのこととか素直に書けないのは、生きるつてを失いたくないという恐怖心からだとか。そこまで畏縮したらもうおしまいですよ。レコード会社の操り人形になるより、むしろ敵にするくらいの勢いがなきゃ。金もらってるんならね。
まぁ、我々好き者の宿命は、いつまでも正直であることなのです。だから無意味に、逆説的意味を込めてクソだとかいうのはよさねばならぬとは思うけど、自分の金で探求したものに関してはもうほんと、自分の思うままに語っていきたいのです。作り手に見つかって攻撃でもされたらこの一言で躱す、「こっちは仕事じゃないんだから! 少なくともこのネット上に関しては」。そうよ。アイム・オンリー・好き者。(But I'm not the only one!) プロの批評家でさえ動機は純真なんだから、純真なまま堕ちていくのがかっこいいのだと、「あの頃ペニー・レインと」を観て感じた。好き者ならあれと「ハイ・フィデリティ」だけは絶対観ておいてほしい。(両者とも2500円DVDとして発売中)
そんなわけで、心が浄められた状態で店に行った私は、早速「佐賀県」と「NOVAうさぎ」に挟まれ絶賛されていたネタを***(ネタバレ)してきました。

2003-06-05困った
昨日みたいなことを書いてせめて好き者精神は寛大なままでいようと思った途端、とても困っちゃうアルバムに巡り会ってしまった。プリファブ・スプラウトのパディ・マクアルーンの初ソロ作品"I trawl the MEGAHERTZ"(英リバティー、国内盤発売未定)。
私のプリファブ・ファン歴は名盤『スティーヴ・マックイーン』を国内盤発売前、英国盤の段階で聴き狂って以来だからかれこれ18年になるし、シングル・アルバム共もれなく集めてきたつもり(曲単位でいいというポリシーのため、2枚組ベスト盤は持ってなかったりするが)で、もちろん86年の来日公演にも行ったわけだが、そんな私としても第一印象は「困ったな」。ポップ一大絵巻どころかポップのポの字も拒絶しそうなそのたたずまい。一曲目は長い長い序曲だなと思ってたら、そのまま21分も続き、その後もアンビエントともミニマルともつかないインスト(といっても、生オーケストレーション中心の演奏なので、退屈感はそんなにない)中心に展開していく。いくらグループ・リーダーの初ソロ作といってもここまでパーソナルで箱庭的作品が届けれられるとは思いもしなかった。感触としてはピート・タウンゼントの『現人神』(72年)あたりに近いかもしれないが、まだあれの方がポップだ。そうか、66年にリアルタイムで『ペット・サウンズ』を聴いて戸惑った者の顔を思い浮かべることもできるのかな。
しかしこの見解だって聴き方に問題があるからということに徐々に気付いてきた。解説も読まないで、通勤電車に揺られ半ばウトウトしながらの鑑賞である。ちゃんと理解できる訳ない。
このアルバムの極端にパーソナルな感触は、制作時のパディの精神状態に起因していたことがライナー(当然英文)で明かされている。殆どまともに曲が書けない程悪化していた病状の中、時にまかせてあらゆる形態の電波をキャッチ。それらを脳内スクランブルさせながら、受け止めた言葉の数々をカットアップし、ぎりぎりの状態からもたらされるインスピレーションをパソコンの作曲ソフトにぶつけて作曲されたのがこのアルバムなのである。かつてプリファブのアルバム最低3枚分をボツにしているという極端なデリカシーの持ち主でありながら、こんなパーソナルな作品を率先して出してしまうというところに益々感動した。7曲目でやっと彼のボーカルが聴こえてきた時の至福感ときたら、それが痛みに起因するものにも関わらず、あまりにも美しい。
この作品は、他の音が全く聴こえてこない状況で、神経を集中して接するべきものなのである。知らず知らずの内に、作者の痛みは共有されていく。うん、だからやはり国内盤、余計な説明やらエキストラ・トラックのついたやつは出ないんだろうなぁ。出ても拒絶するな。やっぱ21世紀の『ソング・サイクル』か。それともやっとCD化されたブルース・パーマーのソロ作の世界かな。プリファブの最初のシングルのB面が"Radio Love"だったことを忘れてはならない。
66日目にしてやっとここがディスク・レビューみたいなことに使われたわけですが、本来はもっと特別な場所を使ってやるべきなんだろうなぁ。というわけで明後日のネタ仕込みも済みました。実は直前まで仕事なんですけど、身体だけは壊さないように気をつけないとね。

2003-07-04米国万歳
前半の冒頭だ次週の予告(み、水擬.....)だとハァハァしまくってる香具師が8時過ぎに大量発生したようですが.....私としては「おまけ」パートが素晴らしかったと、折笠さんマキシ三連発に狂喜した身で素直に告白しておきます。みかんたん(幼少期)イイネッ! これぞ名声優魂。ちなみにバンダレコード田無店らしきものがOPに出てくるのに初めて気付いてまた感動。
相変わらず(屋内では)イ・ソウンばっかり聴いてるんですけど、私のK-POPへの接し方はアメリカのストレンジ音楽マニアが「日本のノイズやメタルやパンクや歌謡曲はみんなエクストリームで大好き」と言ってるのに近いと、ちょっと前F.O.P.で言ったことがある。思ってみればそれはある種の人格攻撃に値し兼ねないので、この場を借りて撤回したいと思うのだが、そもそもアメリカのストレンジ音楽マニアが日本の極端な音楽が大好きなんてセオリーがどこから現れたのか。それはリサーチ誌の"Incredibly Strange Music"のジェロ・ビアフラの項に他ならないのであるが。どパンクの人だと思わせといて、喜多嶋修の「弁財天」に感動し「こんな感じの日本の音楽ならどんどん聴きたいから紹介してくれ」とニコニコ顔で言ってしまう人なのである。それと欧米人のプチGS崇拝主義。でも実態はまだまだ浸透しきってないとそう思うのだ。試しに"Snacky de odoro"でググってみたら全くヒットしない。
なら視点を変えてみろということで"Otome Pasta ni Kandou"とか"Yeah Mecha Holiday"でググると、 出てくる出てくる.....おびただしい量の海外サイト! やはり来てるんかな。J-POP自体がもはやグローバルなものになりつつあるのだな。UGでの音源やりとりとかアマゾン等の異国間流通も含めて、サイバー時代の賜物には違い無いのだが、まじびっくりしたよ。で、中でも某個人コミュニティ(都合に依りURLは削除しました)には目からウロコ。"Nova Usagi Our Hour"で検索してヒットしたんだが。ここまで真剣にいろいろ漁ってる者が日本にさえいるか? 「歌謡曲黄金時代」ならぬ「J-POP黄金時代」の商号を与えたくなる。自分のサイトの更新予定をスルーしていたのも忘れてはまりまくってしまいました。まぁ、もう少し勉強してほしいという部分もあるが(「いとしのエリー」の方が先だって! あともっと沖縄音楽を聴けとか)海外の人が教えてくれるまで自国の産物の偉さを知れない悲しみというものを私もやっと体感したようだ。業界の方、もせ狩りの方、たまたま目にしたとしても、この位目を瞑ってやってくれ。別に悪いことしてるわけじゃないからさ。世界は広いんだから。さあファンレターでも書くかな。「ソフトロック最高! ファズ最低! 女なんかより俄然音楽!」なんてヤシよりずっと共感できるもんこの方のほうが。(ろんごめん!)
勢いに乗って、先週見ず大後悔したMステ、最初から最後まで全部見た。普段あゆとかV6とか、見ないのになぁ(意図的に?)。HALCALIも3曲目にしてやっと嫌味ない乗せ方になってきたね(でもO.T.F.に対する偏見はまだ捨てらんないし加えてCCCD.....) 最近通勤時によく聴くのが何故か90年代初頭にはまったニュースクール系のヒップホップだったりして、気分的にも何かアッパーなんだな。この辺もg.o.d.とかのおかげだったりして.....とどのつまり、一番近い異国に感謝、なんですな。

2003-07-15自分内コミュニティってものの意味
今朝例の爆弾事件の報道を見て。やはりリスペクトということを知らない者の末路は悲しいと、ただただそう思った。30代前半にもなってこんな生き方しかできないとは....なんて意見は私を知る者に言わせると「人の事言えないだろ」となるから止めておくとして、果てなき疎外感の向こうに何も救いを見つける事ができなかった哀れな人格は、結局当てのない方向に爆発してしまうだけなのである。やはり子供の頃からひねてしまうといけないのだ。だからこそ大人がしっかりしなきゃ。大人たちがまずコミュニティの意味を大らかに解釈しなきゃいけないのだ。自分は親戚関係的にはとても恵まれてたと思うし、逃げ道としての音楽というのがつねにあった。自滅という思想を抱きそうになっても、その時何かしらの暖かい空気に包まれれば、心は自然に開かれるんだとそう思う。家族っていいものだから。
そんな事を言いつつ自分もこの歳になって親戚関係というものの複雑なもつれを目にするとは思わなかった。特に父方はいい人ばかりだと思ってたのに。そんなわけで今年はちょっと悲しい。去年と違った意味で。
せめても前向きでいようと思いつつネット巡りをしてみたら、例の米国娘が相当お怒りのようで。何でも、友達とささいに共有してるだけのつもりのJ-POP音声ファイルが、某ロシアのサイトから無断リンクを貼られていたらしいのだ。そんなことで目くじら立てるなんてと、某臣大掲示板で育った(?)日本人として思ったりするのだが。本人達は仲間内で楽しんでるだけなんで、干渉なんかすんなという気持ちは解るわけだけど。でも一旦ネットに出ちゃったらしょうがないじゃない? 私だって"Nova Usagi"で検索したらひっかかったわけだから。で、誰かが密かにリンクしたのを別の誰かが見て、それを繰り返してるうちにレコード会社の人が来て.....と、その展開を恐れているってのもあるだろう。前にも書いたけど、彼女は日本語を読み書きできない世界からすれば顕微鏡でも確認できないほどちっぽけな「J-POPファンというコミュニティ」を仲間内で楽しんでるわけで、それこそその全員でテープ交換とかやってたらとんでもなく手間のかかる世界になってしまうことをネット上のコミュニティ・スペースで行ってるにすぎないのだから、レコード会社やJASRACが介入する余地なんかないと思うのである。いい気になって「林明日香をアメリカで発売したら売れるぞ」などと、単細胞な業界思想が暴走するかもしれないだけだ。いや、それはないかもしれないけど、こういうことが屎CCCDを発売する口実に繋がるのは確実だろうと言っておく。
私としてはJ-POPの熱弁者である旋律爆弾女史をこんなことで見捨てるつもりはないのだが、たかが逆リンクで逆上するのは大人気ないと一言言いつつ、このページのどこかに記したURLを密かに消しておくのである。ファンレターの代りに心優しい忠告でもしておこう、彼女が米国に戻った頃。ついでにそろそろ沖縄音楽とか演歌とかも聴けよと記して。(注:臣はわざとですよ! このくらいの「わざと」は許されて当然でしょう) .thgir si "xes naht elbatrofmoc erom si cisuM"....noR, niaga yrroS .S.P.

2003-07-24悲しい時ー
見知らぬ女の子のカバンについている「一澤帆布」のタグを名札だと思ってじっくり見つめてしまう時ー
暑さのせいかますます激しくはまり込んでます。アレとかアレを買いにいってる時間もないし。まぁ、うちの秘密謀報網によるとガッシュとかサイカノとかで結構ひっかかったりするんですけど、私は単にシェリーとかちせの声優のファンとして主にその歌を楽しんでる好き者にすぎないんでね。今度プロフィールを更新する時は、個人的側面は曖昧にしつつも嗜好性についてはとんでもなく詳細に綴ろうかとも考えています。で、これも暑さのせいかもしれないけど、かゆい。かゆいところはどこと聞かれると明確に見せたくなる程かゆいが、見せりゃ見せたであまりにも醜いので。話によると古いダンボールには害虫が大量に湧くらしいです。毎日そういうものを扱ってる自分らとしてはまじで気をつけたいです。で、無闇にかくとばいきん増殖するし。あああ頭脳まで撹乱されてくる。もうここはただ鎮まれ鎮まれとじゅもんを唱えるのみです。で、肝心の商品名が出てこない.....昔石川優子がハンモックから落ちるCMやってたやつだっけ? (解ってるくせにぃ!) ところで私個人はソフトロックだとは全然思ってませんっ(謎)
最近はここ一年の反動か癒し系音楽が自分の中に必要とされているような気がします。といってもJ-クラシックとかそういうのとも一線を画した、革新的表現に満ちた響き。ちょっと前に買った女性アカペラ・グループのしゅしゅって人達はその点、癒し効果以上にスリリング風味が効いていて実にツボなのですが、今朝新たな刺客現わる。中国からやってきたその名も、女子十二楽坊、の皆さんだ。
構成員は全員エリート教育を受けた中国古典楽器の演奏家の皆様で、しかも女子アナ集団にさえ勝る才色兼備揃い。今日デビュー・アルバムが出たばかりなのだが、気になってたところにめざましテレビ出演の報。早速録画してチェック。打ち込みを使用したトラックはボンドを意識してる感じも多少あり(せこい所がいかにもエイジアンで憎めないが.....)なのだが、この艶奏! 心洗われると同時に満たされる。目にも耳にも大いに新鮮。二胡を立って弾くってのは結構大胆だし、中国フルートの音も色気満点。もう、戦メリとか演ってくれたら気を失いそう。これは買い決定です。あとあの笛姉妹が久々にサード・アルバムを出したし、エイベックスからデビューしたマヤってヴァイオリンの人がジャケからしてまじでくらくらだし(まぁ、CCCDは...目を瞑ろう)、風船おじさんの娘さんも......やっぱネタ集めに熱中した反動なんかな。こういう世界を欲しがっています今の私。まぁそれ以前に富美子さん&ソウンたんの歌声にかなり癒されはしましたけどね。
ところである2種類のキーワードで検索すると、引っ掛かったページの約3/5が「音楽好きへ100の質問」の解答だったりするのなんでだろう? あとは公表しないよーん。

2003-08-08What's it all about, ......
「かゆい」がソフロならこの曲は大ソフトロックだなと嫌味まじりに感心しながら聴いていた曲が、実はアルフィーの新曲で、しかもドラえもんの新EDテーマであると気付いた時にはまじで目から鱗。ま、CCCDなんですけどね。
98年頃自分の中でオフコース再評価がなぜか盛り上がったのと同様の理由で、今こそアルフィーに正当な評価をという気持ちがなくもない。去年、フォークルの新結成の時に坂崎幸之助が参加した時は、それこそ原因不明の非難が渦巻いたもんだが(私的には当時「ポールとリンゴにジョーイ・モーランドが入ってビートルズ新結成みたいなもの」という意見を吐き、それこそドラえもんの前のEDテーマ変更時の時のような異和感を感じることはなかった)。未だに80年代中期の彼等のパブリック・イメージを引きずる人達が多いのだろうか、音楽マニア的体質の人種には。
個人的には音楽的云々は別としても、坂崎氏の日本のフォークに対する変わることないリスペクトには常に拍手を送ってきたつもりだが、近頃気になるのが高見沢俊彦のネタ職人的体質である。名曲「ホリケンサイズ2」(こないだの関西紀行で300円まで落ちたのを確認したが、やはりCCCD故、まだ手を出せずにいる)の作者だもんな。あの80年代にさえアイドルポップ界に残る不滅の名曲を残している。こないだ激安入手したエナメル・レコード(!)のイケイケユニットにまで及ぶプロデュース活動の多彩さも見すごせない。やはり、音楽に対するポジティヴな姿勢が、こうやってバンドを30年も引っ張ってきたという事実は決して見下げるべきものでないと思う。
うん、何かヤなものがあったとしたら、きっともう一人のメンバーの声だったのだろうか。あまり考え過ぎないようにしよう。オフコースを語った時、いや実は山口由子(懐かしい!)を語った時に書いたけど、活動初期に筒美京平氏の曲を歌いその後「自作自演派」に進むアーティストの末路が悲しいわけがないよ。
おまけの一言。大滝のパクりはリスペクトがないからヤだなんて言い放つ奴に限って、「ロック史上に残る名作」として紹介されるようになって以後『ペット・サウンズ』を聴きその世界に一直線、その後「禁煙音頭」を聴いたような奴に違いない。ということはだなFGとP5で育った奴と決めつける。おめーらにそんな事言う権利ねーよ。

2003-08-11ルル網プレゼンツサウンド夜話その1
嵐の谷間の静けさ。こんな時こそこんなコーナーをやるのもいいんじゃないかと思い、あくまでも不定期展開ですがスタートさせます。今回のお題は「テープ・フランジ」。今どきあまり耳にしなくなった言葉です。宅録もHDがすっかり主流になりましたが、テープで音遊びをやった経験のある人なら大抵このサウンドにぞくぞくっと来たのではないでしょうか。
この効果の概要は、2本の同じ内容が録音されているアナログ・テープを、微妙にタイミングをずらしてかけることにより、うねりが発生。ジェット機が離陸する様子を連想させることから、「ジェット・マシーン効果」とも一時呼ばれていました。いかなる実験的試みをも可能にしたサイケ革命時に、このテクニックはいやと言う程使われたのですが、意外にもヒット曲で使用されたのはもっと早く、1959年に全米3位まで上昇したミス・トニー・フィッシャーの「心の痛手」("The Big Hurt")がその第一号と思われます。当時はもちろんモノ・レコーディングが主流でしたが、たまたまエンジニアが2本のテープを同時にプレイしてこの効果を発見、何度も試して上手くいった部分を編集したという、当時としてはとんでもない労作だったのです。
その後、変わったサウンドを求めるジョン・レノンのリクエストによって、EMIのエンジニアが同種の効果が出る仕組みを開発。ビートルズの曲では「ルーシー・イン・ザ・スカイ....」「ブルー・ジェイ・ウェイ」(共に67年)で効果的に使用されていますが、このサウンドが最も効果的に使われた英国ポップ曲と言えばスモール・フェイセズの「イッチクー・パーク」(67年-当時の邦題「サイケデリック・パーク」)にとどめをさします。サイケの本場アメリカ産のものではミレニウムの名盤『ビギン』(68年)の随所に使われているのが聞き物。そしてファズ、シタール、フィードバック、テープ逆回転、現実音、管弦楽など他の様々な「サイケの音」をさしおいてこの効果を好みまくった国家がオーストラリアです。当時のオーストラリアは英国等に比べてレコーディング技術が発達していなく、それ故にこの手の特殊効果は奮闘するエンジニアの間で探求されまくりました。そして、執拗なまでの効果音の導入と、それを彩る竜巻きのようなテープ・フランジ効果をフィーチャーした6分20秒にも及ぶ大作、ラッセル・モーリスの"Real Thing"(69年)は全豪1位に輝く大ヒットとなり(アメリカでも107位を記録)、世界的にもサイケ・ポップのマスターピースと呼ばれることになります。私としてはビートルズの「ヘイ・ジュード」に対する南半球からの返答という見解さえ持っている名曲です。他に豪州サイケでのこの効果使用の好例としてはヴェジタブル・ガーデンの"Hypnotic Suggestion"/"Even Stevens"(69年)がお勧め。まじで頭が変になりそうなサウンドが展開されています。
この種の特殊効果にあまり関心がなかった日本では、60年代における使用例は殆どありませんでしたが、70年代になると「プログレッシヴ」なロックの世界でぼちぼち使われるようになりました。歌謡界でも沢田研二の「許されない愛」(72年)のエンディングにさりげなく登場しています。やがてテクノロジーが発展すると、この種のサウンド作りをコンパクトに実践できるエフェクターも登場。所謂「フェイズ・シフター」や「フランジャー」がその代表格ですね。今ではPCでのサウンド加工でも容易にそれっぽい音を作ることができます。
ただ、整頓された計算式に基づいて作られるコンパクトなフランジング・エフェクトに比べると、テープで作ったフランジ音は実にスリリングです。2本のテープ間に生じる音質の差とか、デッキの回転の僅かな狂いなど、アナログならではの偶然性が加味されます。どうやってずれるタイミングを微調整するかというエンジニアのセンスも欠かせませんね。丸芽志悟も実は小学生の時この音を発見して興奮しました。当時のラジカセはラジオとテープの音を同時再生できるものが多く(ワイヤレス・マイクの出力をFMで受信してミキシングし、カラオケみたいな使い方をするためと思われる)、FMでジョン・レノンの曲が流れてた時、同じ曲を録ったテープをかけてみたら、じゅわ〜〜〜〜っと。やはり偶然ですよ、それが大事です。面白いサウンドを探求してるあなたも安物のラジカセとか持って来て、やってみては?
今後これで取り上げてほしいネタとかありましたら是非リクエスト下さい、F.O.P.の方にでも。体力に余裕がある限り応えたいと思います。

2003-08-12ルル網プレゼンツサウンド夜話その2
サウンド夜話というより、最近廃れつつあるテープ音遊びの極意に焦点を当ててお送りするシリーズその2。今夜は「テープ・スピード変化」で行きましょう。その前にこういった音遊びがサイケ革命と共に開花したという事実以上に重要なことについて触れておかねばなりません。磁気テープによる音響記録は1940年代に大いなる発達を遂げますが、それと並行してフランスのピエール・シェフェール等の実験的音楽家が、テープ録音を媒体とする新しい音楽作曲のスタイルを追求、その動きは「ミュージック・コンクレート」として知られることとなります。楽音のみならず身の回りにある様々な物音が素材として使われ、それらはテープ録音された後再生スピードを変える、再生方向を変える、はたまた人為的変容が加えられるなどのプロセスを経て最終的にハサミを入れられ、スプライシング・テープで編集されて「作品」と化すのです。50年代には電子的音響発生のメカニズムも加わって飛躍的発展を遂げることになるのですが、それは別の機会に.....。
ポップ音楽の世界では、主に奇を衒った音響効果の演出のため、テープ・スピード操作は50年代末から頻繁に使われていました。代表的な例が、58年全米1位を記録したデヴィッド・セヴィルの「ウィッチ・ドクター」。ここで人間の声を倍速で再生した変な声を使用し(これもまた、トニー・フィッシャー同様偶然の発見だったそうです....)大受け。数多くの亜流ソングを生んだ他、生みの親セヴィル自身も「チップマンクス」というキャラクターを開発。後にアニメ界にも進出し、現在まで半世紀近く愛される存在となっています。最もディズニーの「チップとデール」ではこれ以前から早回し声を採用していたそうですが、吹き替えも大変だったと思われます。
日本では言うまでもなく67年突然変異的に大ヒットしたフォーク・クルセダースの「帰って来たヨッパライ」がこの手の早回し声の代表作ですが、これ以前の使用例は歌謡界にさえ2、3見受けられます。楽器演奏を倍速再生しても、超絶テクニックだなんだ言う前にまず「変な音だな」とうならせる効果が得られ、特にギターに使うと面白いです。代表例は75年にヒットしたK.C.&ザ・サンシャイン・バンドの「ゲット・ダウン・トゥナイト」(オースティンネタ)ですか。プリンスにも幾つかありますね。
さて、ここでまたビートルズの登場となりますが、彼等のテープ・スピード操作応用は単に奇を衒ったものではなく、より深い音響探求姿勢に基づいています。最初にこのテクが使われた曲は65年の『ラバー・ソウル』収録の「イン・マイ・ライフ」で、間奏のジョージ・マーティンのピアノを倍速再生しています。彼等はこの部分に何の音を入れるかかなり迷ったそうですが、結果的にマーティンがバロック風のソロを加えることになりました。しかし彼のテクニックでも追い付かないフレーズだったので、半分のスピードで録音し、元に戻してこうなりました。しみじみと聴いてしまいがちですが、最後の方はいかにもで笑えます。もっともマーティン自身はこのテクニックを、彼がプロデュースしていた別のグループのレコーディングで「シンガーが妙な音を出してしまったとき、これをかぶせてカムフラージュ」するという目的で多用しており、やはり彼にとっては「妙なエフェクト」の一つだったと思えます。
翌66年のアルバム『リボルバー』収録の「アイム・オンリー・スリーピング」ではこのテクがさらに進化して使われています。ここではバックの演奏を多少早いスピードで録音し、通常のスピードに戻して再生するととてもけだるいムードのサウンドに変化しています。逆にジョン・レノンのヴォーカルは遅めのスピードで録音し、通常スピードで再生、鼻にかかったような妙な声になっているのです。この異様な感じは、『アンソロジー2』に収録された同曲のテイク1と聴き比べるとよく解ります。同時期の「レイン」や、翌年の「ルーシー・イン・ザ・スカイ....」「フール・オン・ザ・ヒル」(普通にリコーダーでこの曲をCDの通り吹いてみると、絶対こんな感じになる訳がなく、Cのキーで演奏した音を全音速めているのが解りますね。これも『アンソロジー2』でネタバレですが....)など、この技はサイケ時代ビートルズの決め手として使われまくりましたが、極め付けは68年の「アクロス・ザ・ユニヴァース」です。この曲はプロデューサーの意向により2つの異なったミックスが作られているのですが、共に大幅なスピード変化を経ているので同一曲と思えません。『パスト・マスターズVol.2』で聴ける所謂"Wildlife"ヴァージョンは原音より半音上げたミックスで、かなりのアップテンポ。『レット・イット・ビー』収録のフィル・スペクターMIXは逆に全音下げ、ビートルズ及び女性ファン2名によるコーラスをカットしてオーケストラと大合唱を加えた尊厳なヴァージョン。どちらを聴いても感じられるのは、ジョン・レノンの声の変化の大胆さです。これも『アンソロジー2』で聴ける、テイクは別ながらオリジナルのキーによる演奏では、ジョンの声も非常に天然な感じで響いていますよね。
ビートルズがこの技を使い始めた頃は、テレコのモーター回転を制御する電圧を変えるなど、色々と手間がかかるテクニックでしたが、ビートルズ革命(?)を経てテクノロジーも進化し、スピード微調整の出来ないプロ用のアナログ・テレコは皆無となりました。一般用のカセット・テレコでも、英会話のLL学習(!! 懐かしー!!)用に採用されて普及、その後カラオケ練習という目的で更に普及しました。デジタル技術の発達により、ピッチを変えずにスピードだけを変化できるディヴァイスが一般化しましたが、この方式だと練習等には便利なものの、アナログ時代のような「音遊び」には不向きですよね。逆に機械的に音のピッチを変える機材も発達しましたが、これもスピード変化ほど暖かみのある、そのくせして変な効果は生み出さないという気がします。ちなみに機械的に変質させた声の代表作といえばパーラメントの一連の「サー・ノーズ」声をフィーチャーした曲、日本では何と言っても「ドリフの早口ことば」がおなじみですね。
さてと、また熱中して長くなってしまいましたが、我がちゃちいテレコでもある技を使って散々面白がったなぁその昔。というわけで次回は何について語ろうかなっと。

2003-08-14.....there are no words.....
20日に発売されるCDの中に
こういうのがある(深リンスマソ)。これの前編の1枚目の44曲目の次に当然アレが収録されていると思いきや、収録されていない。
いよいよ永久封印の時が来たか? ああ悲しすぎ。
特撮ソングをTVサイズで100曲収録するという企画であるから、外される曲はあって当然なのだが、「レインボーマン」関連の中でこの曲だけがのけものにされているとどうしても深く考えてしまうのだ。
この曲自体は番組放映時からずっとカルト・クラシックとして扱われていたような物だが、ネタ的価値が高まったのはここ2、3年のことである。その背景にはやはりネット文化の旺盛があり、さらにFlashムービーという付加要素も加わって認知度が大幅にアップしたと思われる。 しかしこの曲が「危険物」の様に扱われる運命を招いたのは、やはり「拉致問題」とかあの辺の事が余計な感情を呼び起こしたからであろう。その事を踏まえて聴くと、この曲の歌詞で最も攻撃力が低い語句は「死ね」ではないかとさえ思えてくる。私みたいな人は脳内でそのソフトな言葉(?)を繰り返しながら、決して行動に変えてはいけない憎しみや憤りを蒸発させるしかない訳だが(いつしかクロニクルや他の再発レーベルで「失恋ソングス」みたいなのをコンパイルする機会があれば、これを最後に入れようという暴言さえ吐いたことあり)、やはり深部まで入り込むと日本人の国民感情に付け入るような表現はよくないと考えてしまうのだ。だからこそ。所詮特撮テレビ映画の一幕である。考え過ぎるな。名曲を蔑ろにするなと。
昨年の個人的ネタ大賞に選んだ「おさい銭」とこの曲の編曲者は同じ池多孝春先生である。「おさい銭」の作詞作曲者である長谷川弓子さんに(オンラインで)御挨拶された際、池多先生にどうぞよろしくという言葉をお返しするのを忘れなかった。「レインボーマン仕事、お気に入りです」の一言を添えて。それで先生が喜んで下されば、名誉以外の何者でもない。(でも流石にあの曲のトラックにエミネムのラップを合わせたとはまだ告白してません.....)
まぁ、44曲目にアレが入っているとならばこれ以上のナイスな展開はないなとボケをかましてこの話題から去りますが、とにかくVAPから出ている『愛の戦士レインボーマン』の劇伴集(ちゃんと1コーラスサイズで入っています)及び東芝とVAPから出ている特撮テーマ曲のコンピ、いずれも今後どうなるかわからないので今のうちにゲッツ必至です。そういえば......クラウンからこんなコが創立40周年記念としてデビューするってことを書いておかないと。もちろん演歌で。某娘と名前まで同じ(考えてみれば苗字も激似だ!)だけど気合いの入り方はその比ではなさそうだ。しかも同発の北島三郎の新曲でさえマキシオンリー(勿論カセットもあり)なのに、この人は8cmシングルも出しちゃいます。で、8cmの方が圧倒的に購買欲をそそるわけなのだ。縦長だけに裏の写真が.....メーカーの方も解ってきたってことかな? 徳間の大井裕子だったか、アナログのシングルとCDシングルを同時に出してアナログの方がきわどい写真だったなんて例を思い出すわぁ(逆だったけか?)。。。。とりあえずこのコは応援したいと思います、神園さやかタン。(お盆休み中なんで普段より作業スケジュールが早いんだわよ)
以上、夜話再開はとりあえず今のとこ未定ってことで。 御目出度い事を全く言う気ない日にはこの程度で充分だな

2003-08-16甘酸っぱい嵐云々はとりあえずなかったことにして
今年は実質夏が5日間しかなかったような気がする。ってまだ8月が半分残ってる段階で何を言う。脳内以外のときめきはまだ捨てちゃいけません。
今朝は久々にザッパの『マニー』を聴いてた。あれこそテープ・スピード操作技の究極が堪能できる作品ではないだろうか。もっともそこでは嘲笑、皮肉の態度を強調する手段としてそれが使われているわけだけど。サイケという文化を鼻で笑うための変な声、変な音の生成。『おかしな世界』というかつての邦題は言い得て妙でかつ大勘違いである。あの作品を夢中になって聴きまくってたのは83年の夏、丁度20年前のことだったっけ。全米ヒットもののフォローを続けつつ、前年『アンクル・ミート』を聴いて目覚めたザッパ好き魂が爆発。西新宿界隈で出回り始めたヴァーヴ盤LPを夢中で買いまくったというわけだ。
しかしそのLPってのが何を隠そう当時のコレクター道的語弊を使えば「リプロ」、早い話が不法コピー盤だったんだから何をかいわんや。当時は原盤の権利を求めてザッパとヴァーヴが闘争していた時期で、当然ヴァーヴにも出す権力がなく、その隙間を狙ってコピー盤が登場したのだ。ブート市場に最大の皮肉を持って対抗してみせたザッパも、さぞ頭痛かったんだろう。そんなザッパが今生きてたら、果たしてコピーコントロール万歳なのだろうか? その約2年後登場した『マニー』の最初のCDリマスター盤でドラムとベースを差し換えなんてこともやった彼の事だから、純粋さよりも正義優先ではあるだろう。で、CCCD出しまくったりして。......あああっ、そういうのは考えるべき事ではないっ!
現在発売されているCDはザッパが亡くなる直前奇跡的に発見されたオリジナル・マスターを使用しているが、このマスターは2ヶ所においてヴァーヴが発売当時に行った検閲が残っているという、それなりの悲しみもある。差し換え版ではそれらの検閲は元に戻されていた。完全なる自由=Absolutely Free=なんてあっちゃいけないのかい! かと言って、完全なる自由を超越したweb世界に全ての答を求めるというのもいけないことなんだが。しばらくは心のやすらぎを求めよう。

2003-08-20いいもん。国体があるもんね(謎)
いつかの日記にCCCDに対するオブジェクションを書いた時「こういう時こそ異世代間の意見交換が物を言わねばならぬ」と述べたのだが、具体的にはこういうことだろうなと昨日ふと思ったのでここに再現しておく。
《8月19日のある父子の会話》
父「なぁ柚弘、明日CD買いに行くんだろ? そしたらついでに三船和子の新しいCD買ってきてくれよ。明日発売のやつ」
息子「いいけど、カセットじゃないの?」
父「いや、カーステレオももう寿命なんで、カーCDを新しくつける事にしてな。明後日取り付け業者が来てくれるんだ。早く新曲聴きたい、わくわくするな」
翌日 (即ち今日)
息子「これでいいんだろ? 三船和子の今日発売の新曲、『お疲れさま』ってやつで」
父「これ、アルバムじゃないんか? いつもワシが買ってくるシングル盤と違うじゃんか」
息子「アルバムじゃなくて、マキシシングルっていうんだ。12センチ・サイズでシングルの曲数しか入ってないやつ。お店の人に聞いたら、8センチのシングル盤は出ていませんって言われてさ。コロムビアもビクターももう出さないらしいよ」
父「そうなんか、時代変わったな。で、何なんだこの赤いマーク」
息子「これ、コピーコントロールCDっていってね.....えっ、これCCCDなんか! 今は演歌までCCCDなの? 気付かなかったぜ、どうしてくれるんだよ! サイテー!」
父「それ、欠陥品なんか、柚弘?」
息子「まぁな。表向きはパソコンでコピーできないよう細工してあるんだけど」
父「パソコンでCDコピーするんか? 今の若いやつは.....」
息子「落ち着けよ、オヤジ。パソコンにCDから音楽をコピーして、CDを焼いたり」
父「なぬ? CDを焼くのか?」
息子「いや、売ってるCDと同じようなものを作れる仕組みになってんだよ、最近のパソコンは。それを『焼く』っていうんだよ。で、そういうことをする人が激増したからCDが売れなくなったってレコード会社の人は思ってて、それに対抗してこのCCCDってのを開発したんだよ」
父「で、そんなに悪いものなんか、CCCDって」
息子「憶えてねえの? 去年の今頃、コンポが壊れたから新しいのを買いたいんで小遣い前貸ししてって騒いだの。あれ、CCCDのせいなんだぜ。スカパラのCD買ってきて、かけたらさぁ」
父「スパカラ? 何だそれ」
息子「東京スカパラダイスオーケストラ」
父「お前クラシックなんか聴いてたか?」
息子「まぁまぁ、落ち着けオヤジ。で、そのスカパラのCDかけたら、9秒毎にノイズが入りやがるんだ。で、おかしいと思って何回かかけてるうちに、プレーヤーのモーターがいかれて、おじゃんさ。」
父「ほう。なんでかけただけで壊れるんだ?」
息子「それは説明すると長くなるから、後でネット見せながら説明するけど。とにかくこれ、普通のCDじゃないんだ。特にカーCDは、カーナビと同じ信号読み取りの仕組みになってたりするから、危ないよ。絶対まともにかからないよ」
父「そうか、初めて聞いた。じゃ悪いけど、お店行ってカセットと取り替えてきてくれない? あと、カーCD、やめる。今まで通りカセットのカーステレオにするから、これからもダビング頼むよ柚弘」
息子「もう作ってないんじゃないの? あと、何げに問題発言してるぞ.......」
......以上。今日も仕事終ったら店じまいの時間でしたが、やはり店行けてるうちは華なんですよ。しかしラス卜ラ厶コーポレーション、究極の邪道に出たぞ.....いつぞやのC&Aより酷いやんか......つ・づ・く。

2003-08-25 世も末だな
某オークションの結果を見てきた。最早レア盤界に輝く主役はビートルズでもナイアガラでもない、ミノルフォンの謎の歌手のシングルだなんて!!!! もう黙っちゃいられない。徳間さんも黙ってないで、KA-500番台までのMPのシングル盤AB面全部をMP3化して100枚分づつCD6枚に入れて、あと1枚にハーベストとダンの1000番台以前の全シングル入れて更に全シングルのジャケ写と全歌手のデータの入ったCD-ROMをつけた「創立40周年(再来年ね)・ミノルフォンのすべて」8枚組でも出してくれたら50万円でも買うよほんと。いや、NAVの場合88枚だったからCD9枚で済んだけど、MPだと曲も長いしそう簡単には終らないでしょう。ともかくねぇ、業界全体(少なくともプラティアの外では)が儲からないと嘆きまくってる時に中ちゃんがいい顔になると口調も荒くなるとそういうものですよ。
えっ、私もそのシングルに投資しようとして忘れた一人ではありますが、どうせ6000円位で止めたと思いますよっ。ちなみに沖千鶴さんって人は、返還の遥か前に初期MPが獲得した二人の沖縄出身歌手の内のヤング路線の人でして(アダルト路線は知念昌美)、他の歌手のB面に隠れてオリコン・チャート・ヒットを稼いでいます。その時の名義は本名の祝峰三枝子でした。この名前で出したやつは全部持ってるんだけど、沖名義のが一枚もない。ぁぁっ。ちなみに藤井明美関連のレコードで唯一持ってないやつも、同時期にMPから出た花里あけみ名義の某盤だったりします(何かは言いません。怖いから)
ああ、もう止めよう、きりがなくなる。これからは見てるだけにしまっす。あるいは「僕の旅路」の時みたいな奇跡に賭けるとしよう。

2003-08-27ドント・ドリーム・イッツ・オーヴァー
7月上旬のルル網日誌を賑わした(?)例の旋律爆弾ちゃん。日本と韓国でのヴァカンスを終えて米国に帰還した途端、またも怒りが爆発しているようだ。しかもまたロシアの悪いやつに色々と迷惑を被ったらしい。
我々としては、日本の大切な文化資産でそんなに遊ぶなぁぁぁぁっと大声で叫びたい気分だ。そのロシアの悪いやつのサイトを見たら、明らかに日本の業界関係者によると思われる警告が一言書き込まれている。こともあろうにロシア人は、その書き込みに対して「ケツ舐めろ!」と挑発している。なんて汚らしいいたちごっこなんだよ。
いくら遊ばれている対象がエイベックスの産物だからって、やっちゃいけないことはやっちゃいけないのだし、一度WWWに乗ったら仲間内も何もない。日本製のCDを入手できないコミュニティ内で済む問題ではなくなるんだよ。日本人だって不法DLを活用しないわけないんだから。誰かが公にしたらそれでおしまい。渦が広がる、口実が増える。買い手が泣く。それだけ。
まぁ、「勝手リンクする奴は氏ね」と平気で豪語する奴の群れに向かってここからリンクを張ることはする由もないが、もし業界の偉い方が詳しい事を教えてくれって言ってきたら素直に教えるからねまじで。個人的には、旋律爆弾ちゃんのJ-POP観はいかなる日本人のそれをも上回っている(外者ゆえの素直さは、すぐに批評家ぶろうとする我々も見習いたいものである)と思うから、音源共有等は大目に見つつWWWからは消えないでくれーと思ってるのであるが。
早い話、深刻に捕えてはいけないのだよ。CCCDが増えるってことが、何よりも悲しいんだから、消費者としては。それにしてもザッパ云々と書いた途端に彼の僚友の一人、キャプテン・ビーフハートの作品集(英国盤。リバティーとヴァージン原盤のベストというコンセプト自体強引すぎるが)がCCCDで出てしまうとは。これもまた世も末の兆候。

2003-08-30食わせてくれる、63才になっても?
今朝のニュース。63歳のじいさんが16歳の小娘を誘惑して、半月近く同居してたっていう。岡村靖幸の「聖書」も真っ青。っていっても63歳は馬鹿にできないって今朝テレビで北野誠さんも言ってたし。63歳っつーことは1940年生まれ。リンゴ・スターと同じ歳。つーことはGS古参者もこの位の世代ってことだ。人によってはまだまだイケテル。GSがかっこいいと思ってる若い世代の人がリアルタイマーについていっても何らおかしくない、ですよね? ビル・ワイマンやピート・タウンゼントの件も脳裏を横切るし。ということはだよ....今から25年位経って、全てのイカ天バンドが神格化される時代が到来し、平成元年前後にバンドや宅録で音楽を演った世代がもてはやされるとして、その時自分がまだ独身であれば........ごめん!!! まじごめん!!! 完全に不謹慎です。もうこの話題はやめ!
オレオレ詐欺に敢然と立ち向かうおばあさんの話も数件伝わってきましたが、電車に乗ってて空席ができる気配を感じると急に目つきが鋭くなって心は既にそっちに突進しているばあさんを今日数名見た身としてはなぁ、正義ってなんなんだろと考えされられました。ちなみにオレオレといってもイ・ソウンの曲とは関係ないですよもちろん。
つーわけで池袋から浅草行きのバスに乗ったのはいいもののなかなか走りがスムーズでなく、ふと車内広告を見たら今日は例の野外大レイヴ(?)の日だったことに気付きしまったと思いながらも充分目の保養をして、ついでにかける機械がないのにとうとうアレを買っちゃって渋谷に出たはいいものの時間も遅かったし何も買わずカレーだけ食べて家路についた今日の放課後でした。もうちっと持続力があったら初の円盤ギラ行ったのに。まぁ、明日は投票だしね。どうせ桃タンの罪滅ぼしは我々にはできません。んーと、ハピネットのアイドルDVDを激安処分はいいんだけど何か決め手に欠ける、どうせなら『ガールズ・ルール! 100%おんなのこ主義』を激安で売ってくれたら買うのになぁ。

2003-08-31他に誰も称賛しないから私がやるぅシリーズ1
お祭り情緒溢れるバックトラックに、脱力でありつつも色気のあるラップが乗る。そしてサビ部分は必殺演歌絶唱! これが最新型ヒップホップのあるべき姿。ブランニュー・ユニット、ハラカリ遂にデビュー! なんてことを原田ゆかりさんがやってくれたら死ぬ程嬉しいんですが。とうとうデビュー20年ですか、早いもんですねぇ。私がアイドルに近い感情を抱いた演歌歌手の系譜があるとすれば、まず原田ゆかり、その後坂本冬美、かなり間が開いて(もちろん昔の歌謡曲に夢中になったせいだが、敢えてそこに入れるとすれば市川由紀乃、富士美咲[*1]、藤川なお美[*2]、林あさ美、水森かおり)現在椎名佐千子となるわけですよ。素直に言いますけどね。
20年前に密かに出した曲が「柴又の母」といって、極めて真面目な曲なんだけどジャケでは顔を隠すし、謎度の高いデビューだったんです。その3年後、突然変異的名曲「三味線師ロンリー・ブルー」を引っさげて正式デビュー。それに続いて出したのが「東京イミテーション」という名曲。これは後に演歌の大御所と言われる事になる堀内孝雄の作品で、某トローチのCMに使われて結構話題になった曲なんですが、演歌に行きかけのニューミュージックのパイオニアが新進演歌歌手にアイドルに片足突っ込んだような曲を提供したら、かえってロックになったというパワフルな歌唱が心をくすぐります。あとドラマの主題歌とか祭りグルーヴの傑作「GENYADANA」を経て、87年の「昭和街道」から本格演歌世界へ。派手なヒット曲こそないもののアイドル・ファンも巻き込んで幅広い支持を得る事になるんです。その時期、仕事先で御一緒するという幸運にも見舞われました。
その後96年にポリドールに移籍するのですが、そこで出したのが「元禄花見踊り」。この曲はPV兼本人登場カラオケの映像がセクシーだということで相当話題になりました。続いて「Oh! 富」というノベルティ・タッチの曲も出しましたがあまり奮わず、その後ポニキャン傘下のJ-STONESというレーベルに移って今に至り。その間、ものまね関連の番組にも頻繁に出演して、器用な喉を披露しまくったのは言うまでもありませんね。西尾夕紀さんとt.A.T.u.でもやるところを見たかった気も。あっ公式
要するにただ女らしさ(美貌と其れ故余計感じられる悲しみ)を強調する演歌歌手よりも、こういった陰翳に富むバイタリティを持ったコの方が好きなんだなぁということを言いたかったんです。あとこういうコ達はポップスを歌っても結構いけそうだし。かなり前だけど某大物美人歌手と言われる人がテレビで歌った明菜の「DESIRE」、全くだめだったな。さやかちゃんには是非その線で頑張ってほしいもんですわ。
注[*1]熱湯コマーシャルにあの薮本アナが出た同じ日に入湯していた。
[*2]デビュー曲「演歌はぐれ鳥」がさくらももこ/細野晴臣作品。

2003-09-25閉ざされた怒り
本日付で、ルル網内にある「元背泳女王」に関するリファレンスは全て自主的に削除させて頂いた。
6月下旬、この方のグラビアが「週刊ポスト」に載り、熱心に水泳競技を見てきた者としては気にならずにいられずついつい名前を記してしまったのだが、この方について話題を提供しているwebは、個人サイトに関する限りルル網を除いて皆無。それなのに、この方の名前で検索された回数は述べ300回以上に上った。気になって逆リンクを覗くと、ルル網へのリンク以外ない。そんな状況に違和感を感じたためというのがその理由である。
このような状況に至った背景を考えると、webワールドと写真・活字全て含めた印刷物流通業界は、最早完全に隔離されてしまっているという個人的憶測に辿り着く。つまり、この方の動向が気になる、雑誌を見逃したからせめても写真がどっかにアップされていないか、現役時代どんな成績を残していたのか、それでwebに依存せずにいられなかったのはたやすい想像だ。週刊誌というものは一週過ぎると過去のもの、容易に再会できるものではない。自分も実はこのグラビアを拝見したのが川越の某カレー屋さんに於いて、発売の2週後のことだった。つまり、こういう方が週ポでグラビアになったから、気にならずにいられない、そう書いただけなのである。ルル網自体は単なる音楽好き者(私です)が日頃の嗜好と日常についてうだうだと綴りまくるサイトでしかなく、第三者の芸術を勝手に膨張してあれこれと妄想しまくる場所ではないのである。300回以上のリファに於いて、ルル網のトップページまでチェックして下さった方が殆どいないというのも余計しっくり来ない要素だったわけだ。
印刷物流通業界だけではない。音楽業界だってそうだ。 アマチュア・ミュージシャンにとっては格好の自己表現の場であるwebワールドも、気がつけば不法複製ファイルが行き来し、創作を生き甲斐とする者の自尊心を踏みにじる。それを一大事と思い込んでしまう「売り手」の側は必要以上に警戒心を感じて異常な行動をとってしまう。ルル網にとって今最も忌むべきコンセプトの一つである「コピーコントロールCD」の出現の源とは即ちこういう事だ。CCCDに文句を垂れまくってる者が、主役の知らない所で勝手に自分でも良く解らないものに関する情報もどきを独り垂れ流しているというのは、どう考えても納得行かない事でしょ?
そう、最も守られるべきものは「人権」だ。だからこそ「歌詞」とか「MIDI」とか「MP3」でサーチされるってのは実は不愉快なことなんだよ。日頃面白がって「釣りワード」とか言ってる自分も、本来はデリケートなんだよ。5年前など、誰かが脱いだと書いただけでその誰かを擁護する方々から攻撃を受け怯んでいたものである。今では陰口を叩ける場所が幾らでもある。本人が余程マメで暇じゃない限り、どこで何をされようが平気な状況が作られている、それがネット・ワールドである。自分がそこにまだ存在しているのは、自分にとってまだまだ巣となる場所が必要だという意思表示でしかない。勿論、他人に楽をさせるサイトを目指すつもりなんて殊更ない。だからこそ今後もルル網は歩み続けるのです。小学館さん、こんなwebじゃ決して満たす事が出来ない有意義な情報をこれからもびしばし提供してやって下さい。出版業界よ死ぬな。

2003-10-24こんな時じゃなきゃ「アメリカ万歳」とは言えないな
『LIB.....N』、日本盤の発売日3日早まって14日に。オリジナル『レット・イット・ビー』が特にビートルズのアルバムの中で日本で愛されたという理由にてアップルから特別の処置が下されたという。
そこまでの口実をひねり出さねばならぬ程苦しいんかゴルァ!!!! もうまじ、アメリカ盤待つ。48ページもある日本オリジナル・ブックレットなんて余計萎えるよ。最悪カセット・テープでもいい(ユ二オンは『1』とか『ペット・サウンズ』のカセット輸入して売ってたから今回のもありだろうな) 大体『LIB』自体CDで持ってないし、初期のアルバム6枚のステレオ盤/オリジナル・ミックス盤をそうしたみたいにCD-Rに焼く事さえしてない。各々の曲のネイキッド・ヴァージョンは一応『アンソロジー』で聴けるしな。あとはブー卜で補ってと(やべやべ)
まぁ、作業的には次に控えるナウシカ祭り(19日発売、同日ケミストリーのシングルとかも出るから余計きつい)の前に一呼吸置けるんで助かったわけだがな。くくくくくっ、今日もE東M芝Iのせいで余計な体力と知恵を浪費したじゃないかよぅ(社外秘)!!! ぴりぴりしてんだよう!!!!! なんでこんな時に某所で星井匕瀬祭りやってんだよぅ!!! 欲しくなっちまったじゃねぇかよう!!!!!!!! (.....F.O.)
怒ってばかりじゃしょうがないのでここらでちょっとためになる話(どこが!)を。輸入盤の流通に関する話ですわ。要するに輸入レコードが高貴なものだった頃、それを扱えるのは一部の勇気とスキルある小売店と代行業者のみでした。その名残りが今、西新宿という地区の随所にあったりするわけなんですけど(爆)、70年代後期の奇跡的ドル安のせいで輸入業者の取り扱い枠が増大し、専門店のみならずデパートの催し物会場などで売られる機会が増えて、ずっと手にしやすいものとなったわけです。私がビートルズのLPを買い揃えたのは大体こういう機会が多く、おかげで米キャピトル盤中心の収集を余儀無くされました。英国盤やヨーロッパ盤は相対的に高かったですね。日本盤と比べても。
やがて80年にタワーレコード国内第一号店が札幌にオープンし、翌年渋谷に進出するんですが、まさに「大型輸入レコード店」という呼び名が相応しいものでした。米国西海岸的な開放感溢れる店構えは、確かに従来の輸入盤店のみならず大手レコード店とも雰囲気を異にするものでした。ドル安に加え、商売敵・貸しレコード屋の登場にも刺激され、あの手この手の魅力的戦略でタワーが音楽生活を侵略することとなるのです。そして80年代中期、時代がCDにシフト開始。ソフトのコンパクト化、カタログの増殖、リスナーのボーダーレス化が進み、あの90年代初期のメガヒット時代へと突入するんですが、そこで輸入盤シーンが様変わりするんです。タワーに続き、ヴァージン、HMVが次々に日本進出。店鋪のメガ化につけ込んで、日本のレコード会社は最早輸入盤店を目の敵とすることなく、かえって迎合する方向に歩み始めるわけです。それにつけこんで、輸入に対するコントロールをも握り始めるわけなんです。つまり、バイヤーに一任されていた注文に関する権限に規制を加え始めるわけです。具体的には海外5大メジャーと直接コネを持つ会社ですね (+その手の権化であるエイベックス、ついでに犬。我らがテイチクとかコロムビアとかキングとか第一系のことは考えないでいいですよ!)
例えば、Bというメーカーがあるとして、日本盤を出してもあまり売れるとは思えないカントリーのCDなんかは、そこの「輸入部」が一括して卸すわけです。その代りトップ・プライオリティのアーティストの新作の場合は、日本先行発売などという戦略を使って日本盤を大幅に確保させ、その代り輸入盤を極力入れないようにするんです。輸入盤をどうしても置きたいという場合はバイヤーが別ルートを使って(海外のマイナー専門ディストリビューターをついでに利用するとか)なんとか確保しなければならないのですよ。 『LIB....N』のアメリカ盤非CCCDを一般の店で手に入れようと思ってもできないのなら、以上のような事情のせいなんですよ。幸い、一部のチェーン店は頑にレコード会社との直接のコネを拒んでいるので、そういう所に望みを託すしかないんですよ(ううっ、ヒントを出してしまった.....上に)。あと少量ながらしぶとく生き残っている米国盤輸入業者とコネを作っている数少ないお店とか(ビートルズ専門店の類はその線が考えられますね)
あああっ、こんなコントロールだらけの音楽生活に「新作」を送り込まねばならぬ神聖なる4人組の胸中とは。まさにLET IT BEだが、もう一つ、ポールを怒らせたある事柄について書いておかないと辻褄が合わなくなるんで明日はその話でも(それまでに原稿を.......)

2003-10-26今日のサザエさんを見てやっと解った
「抜け殻」だって集め甲斐があるもんだということを。そんな自分もバーンアウトした抜け殻状態ですが。ああ早くサンデイズドよエネルギーを与へ給え! (時間と金なしじゃそれもどうでもならないか)
さて24日の話の続きだが、ポール・マッカートニーの日本という国家に対する敵対感情が今度のCCCD化を押し進めたという戯言がどうやらネタではないというニュアンスを裏付ける事情はちゃんと存在するのである。何が? 最高のパートナーを日本人の女に奪われたから? 日本の学習塾に言い包められて自分のポリシーに反するCM出演をやらされてしまったから? 自分の無意識が元で日本の牢獄に9日間も閉じ込められたから? 初来日の際観光のためホテルを抜け出すのに成功したものの無理矢理連れ戻されてしまったから、そしてその出来事が直後のマニラ事件やキリスト事件とオーバーラップして嫌なトラウマとなったから? それらの事実も次に挙げることの前では芸術家ポールにとって屁に過ぎないだろう。
即ち、駅の構内とかその他妙な場所で売られている怪しげなビートルズの不法CDと、その登場を助長した日本の著作隣接権の甘さである。
CDというメディアの登場が音楽のコンパクト化を押し進め、より一般人にとって身軽なものへと進化させる傍ら、その存在の手軽さが著作権の持つ重みを蔑ろにしてしまったのは事実であり、その結果としていい加減なコピー商品が公式マーケット以外の場に溢れたのが90年代前半の悲劇だったのである。無論タワーなどの大型市場の隆盛でやり場を失った一般のレコード店は、こういったものを売ってその場をしのがねばならなくなった。一番のターゲットとなったのが、(当時の)著作隣接権で守られた25年という年月から僅かに外れた60年代中期の音楽、そうビートルズだったのである。勿論マニア向けに未CD化のステレオ及びモノ音源を使用した密売業者もいたが、大抵の場合は市販もののコピーだったのである。それにまた適当なアートワークを施し、非公式でありながら公式に近く見せるという手段。皮肉にも新しめのビートルズ・ファンの中には、こんな怪しい音盤で彼等の曲を初めて買ったという奴らがぼちぼち存在するそうであるが。罪作りだ。
ポールは93年の2度目のソロでの来日(通算では4度目)の際、コンサートを聴きに来た多くのファンに感動を与える傍ら、こういった光景を実際に目にして怒りを露にしていた。直接東芝EMIに怒鳴り込んで「何とかしてくれ」と言ったとか言わないとか。
生前のジョン・レノンは自らブー卜を積極的に集めるほどで真剣に事態を考えていなかったのかもしれないが、公式音源がコピーされて売られてると知るときっと目を真っ赤にして怒りに燃えたに違いない。ジョージとてリンゴとて同じだろう。そして今、音楽はコンパクト化を通り越して無形のものへと近付き、違法音源はどこでもない場所からどこでもない場所へと流れるように行き来している。そんな時代に辛うじて形として残されるコンパクト・ディスクという商用媒体に、アーティストの権利を保護するという名目で刻まれる曖昧で不可解な情報。ポール自身も早速去年出た世界向けライヴ・アルバムにそれを入れ、今度はビートルズのアルバムにも......。この情報がハードウェアの音源選択権にまで傷を付け、結局は売り手のプロパガンダ以上の何をも意味しないということに、アーティストは気付かないのだろうか。結局はいかなるバリアも挑戦され破られ舐められるのが最後なのだから。とにかく、純粋な音楽さえ提供され続けていれば、それでいいのである。
だいたい純粋な音楽の在り処さえ今は見つけるのが難しい......皮肉にも、サイバースペースという、ソフトウェアの概念を破壊した、素手で掴めない場所のどこかには、最高級の純度が高い音楽が隠れたりしているのであるが。
うん、今はひっそり楽しんでますが、いつか作り手の方に感謝の意を差し伸べ、ついでにリンクさせてもらうつもりでいますからね。

2003-10-27日本シリーズもやっと終って
まぁ、ペナントレースとは全く違う意味で見ててこんなにわくわくするシリーズも久々だと思うが、大阪の灯火がこれを境に静かに消えて行くのを見届けるのは悲しい。ダイエーも、約一名に鎮魂せねばならぬことを永遠に忘れるな! あんなにオリックス痛めつけておいて(覚えてる方は覚えてますよね) これで明日からまた客観的に横浜を応援できる立場に戻れるな、円満に。
また昨日(一昨日?)の続きになるが、ビートルズ『レット・イット・ビー』の日本での特殊な生命力って、一体何なのだろう? 数年前にもこのアルバムが再び活発に売れた事があったが、それはタイトル曲が某バラエティ番組で「ピアノ発表会の課題曲」として使われたからだった。そんなもんだ。
SMAP出演のCMソングに使われた時、あれだけ東芝が精魂こめてキャンペーンを展開したビーチ・ボーイズだって、こんなにはならなかったさ! ブリトニーがお茶のCMで舞い踊った時のホリーズなんて、ベスト盤さえ出されなかったさ! ストーンズだってそうだ。初来日の時あれだけ無関心だった人達を呼び込んでおきながら、商品面ではビートルズ並に安定したカタログの供給なんてなかったではないか(これはひとえにアラン・クラインのせいでもあるが。2年前まではね)
神格化された故の特殊性。教科書に載ってるとか、それを助長するファクターが多すぎる。だからこそ、何かでどうかなれば商品が動く。音楽業界そのものがビートルズに習えになっているんだな。掟破りの甘い汁を吸う連中もついでに。そこにつけ込んでCCCDの洗礼かよ。我々は本当に音楽を楽しみたいだけなんだよ。業界の足掻きに耳まで傷つけられたくないんだよ。
ルル網はその中指に仕込んだスピーカーからワイルド・マン・フィッシャーの歌う「イエスタデイ」を垂れ流しこの物質至上主義世界に捧げる(いや、既に捧げた。「テ小守」に来てくれた者だったら解るよね)。その次に控える曲は勿論「恋愛15シミュレーション」(CCCDからカセットにダビングしたので無害)だ。

2003-10-28エクストリームな曲10選/女子アイドル・デビュー曲編
1. 恋愛15シミュレーション/星井七瀬 (03、プチヴァージン/東芝EMI)
2. 花売り娘/中沢千鶴子 (77、ビクター)
3. I Love あのコ・夏のMaki/江戸真樹 (86、トーラス〜現ユニバーサル)
4. 青春の1ページ/高沢順子 (74、CBSソニー)
5. アテンション・プリーズ/能瀬慶子 (79、キャニオン)
6. 家へは帰れない/千倉真理 (82、ラジオシティ)
7. 白馬のルンナ/内藤洋子 (67、コロムビア)
8. セピアの夏のフォトグラフ/吹石一恵 (97、BMG)
9. 花の女子高数え歌/谷ちえ子 (77、コロムビア)
10. すばらしき金剛山/宝ひとみ (92、テイチク)
次. 三味線師ロンリー・ブルー/谷口美千代 (81、コンチネンタル/テイチク)
注:三人組以上、インディーズ、声優は対象外。1の選出に関して、「ガラスのクツ〜なっちゃん/なっちゃん」はプレデビュー曲的なものなのでその存在は無視させて頂いた。「これも入れた方がいいんではないかゴルァ」という曲があれば教えて下さい。大場久美子、おニャン子関係、吉川ひなのは各々違った意味合いの元、わざと入れていないのだが。

2003-11-04ポール・マッC「ママ・ミス・アメリカ」をBGMに読んでね
ルル網の提唱するスローガンの内、"F**K CCCD"に続いて重要だと思ってるのが"PAUSE BUTTONS RULE!"である。ある世代から下になると全く訳がわからないと思うが、昔のラジカセやカセット・デッキに必ず付いていた「一時停止ボタン」である。カセットを引き合いに出さずとも、VHSビデオを想起して頂ければいいだろう。これならまだ大抵の家庭にある筈だもんな。MDになると意味合いがちょい違ってしまうが。
テキサスを舞台として生まれたネタ交換の輪が元で聴くこととなった、アントン・ブリューインの「IN OUT」という曲。これこそ"PAUSE BUTTONS RULE!"のテーマ曲と言っていいのではないか。
昔のカセット・デッキのポーズ・ボタンは、押すとピンチローラー(録再ヘッドの右隣にある黒いやつ)がキャプスタン(その上にある棒みたいなの)から離れテープの回転を止めるようになっている。そのためか、テープを繋いだようなスムーズな切れ目にならず、どこかぎこちない。ブリューイン氏はそれを逆手にとって作品を作ってしまった。自らの声、ハーモニカやその他得体のしれない音。それをスイッチをかちかちやりながら0.1秒単位(?)で微分録音していく。声などを拾うマイクが同時にスイッチ押す音も拾い、その様子が実に滑稽だ。たかとその一味も、このテクを使って随分音遊びをしたもんだが、指先に相当圧力がかかるので精々数秒程度しか続かない。ブリューインは何と18分も続けてしまった。偉い。
今やPCの音声ソフトの波形コピペ・テクニックを使えば(忍耐力とメモリ次第で)いくらでもできそうな試みだが、ミュージック・コンクレート時代はそれこそテープ切り貼りの繰り返しで1分に一日かける世界だった。ペリキン等のポップ・コンクレート(?)となると曲が短いので余計過激な編集テクニックが挑まれていた。それに対する大いなる皮肉もあるのだろうか。曲が作られたのは81年のこと。まさにYMO世代ではないか。目当ての曲がFMで流れるのを待ちつつポーズ・ボタンに手をかけるどきどき状態。今思えば胸キュンではないか。それに比べると目当ての曲を探して人のネタ帳を網越しに漁る現在なんて....加えて売り手にとって目に見えない分、敵度が(FMより)大きくなり....結果的にCCCDなのだ。くくーっ。だからこそPAUSE BUTTONS RULE。本当の事を言うと自分のミックステープも全部ポーズボタンカチカチで作りたい。でも今の自分にその精神性がない。何とか取り戻さねば。ほんと、波形コピペとかターンテーブルキュルキュルより、ずっと面白いよ。この哲学を加速させた石田豊さんという偉大な人物へのトリビュートも、ここでは忘れません。
おまけ、明後日出るモー娘。の新曲のジャケを見た途端、思わず想起したのはこのジャケットなんて、やはり異常ですかね。まぁ、似てるってわけじゃないけど、いつかやるだろとうっすら思ってたから。

2003-11-07ジョンとポールとヨーコとモトコのバラード
ジョン・レノンのDVD「レノン・レジェンド」。確かに既成のビデオ・クリップと一味も二味も違う。5.1サラウンドがどうなっているかは解らないものの新たなミックスでこれこそ「ネイキッド」感が増しているし、一部の曲がフェイド・アウトされない状態になっているところも興味深い。で、映像の方はというと.....案の定、色んな所でいろいろ言われてるようだ。微妙に同感で、微妙にオブジェクション。商売上手な所と私的ベタベタ振りの両者をいやと言う程見せつけるヨーコさんが、ここでまた敵を結構作ったみたいだ。私としては貴重な映像が増えているのはいいと思うんだけど、わざわざ「コールド・ターキー」や「スタンド・バイ・ミー」まで大幅にリニューアルしなくてもという感じだ。アンソロジー・シンドロームの悪い部分をもろ被ったような気がしなくもない。
で、ヨーコさんの事。「東洋の魔女」「ビートルズを解散させた女」のイメージがジョンの死後徐々に美化されてきて、80年代後期の「ロスト・レノン・テープス」や映画「イマジン」の頃になると、彼女に対して悪いイメージを抱く人は殆どいなくなったような気がする。それが今また元の状態にぶり返してきているような。きっかけはやはり「ジョン・レノン・ミュージアム」とか、愛の戦士ジョン・レノン像を必要以上に美化しつつそれを商売に利用してしまうイメージが浸透しすぎたのともう一つ、これもやはり「アンソロジー」効果か。ビートルズ神話はいい部分はいくらでもいいように継承され、その逆も然りだ。その点ではヨーコさんがとんでもなく可哀想な気がする。一方どうしても賛同できない部分があるのも否定できない。私の場合その音楽に対してではないのは確かですけど。(一時期はほんと『トゥー・ヴァージンズ』を「理想」だとさえ考えたことがあるんですから.....)
つまり。DVD見てて、いちゃいちゃするのは別に構わないんだが、そんな服着るのだけはやめてくれー、と。その歳になってそこまで脚出していいと思ってるんか?????
.......撤回。ここで散々「解説席でうだうだ無駄な事喋ってる位なら早く写真集出してよー」と文句言われてる対象の方と「イマジン」の頃のオノさんがほぼ同世代であることを考慮したら、そんなこと言うのはあまりにも冷酷ってもんですよ。女の人に対して。
というわけでとどの詰まり脚が長くて綺麗な人は幾つになっても得でいいねぇという結論を導き出しただけなのですが、そんなのとは別にネイキッド祭りへのカウントダウンはあと1週というところまで来ました。オノさんと違って、ポールに対してはある時期殆ど敵意に近い感情さえ持ったこともある(具体的には80〜86年位か)わけですが、今ならオノ的プロパガンダよりも日本のCCCD渦に飲まれてしまうビートルズのトップとしての存在(それがポールであるとは認めたくないですが)の方に相当嫌悪感を抱いてしまうわけです。

2003-11-15もう特定の地名とか人名を聞いて過剰反応するのはよそうっと
昨日は東上線で人身事故があって駅構内に3時間近く拘束された。厳密に言えば3つ前の駅の近くで事故があったらしいのだが、関係ないはずの目の前で救急隊員が走り回ったり、ほんとまじで踏んだり蹴ったりだった。冷たい夜風の中ふと次のような妄想が脳内を駆け巡る.....

T駅付近で発生した人身事故の原因はビートルズ?


現場付近から事件当日発売されたビートルズの"新作"『レット・イット・ビー....ネイキッド』のCDケースが破片となって発見された。死亡した男性は14日夕方、S市内のCDショップで同CDを購入しているのを確認されており、恐らくそのCDが「コピーコントロールCD」であったことに腹を立てたため、もしくは同CDをポータブルCDプレイヤーで再生しようとしたところ「コピーコントロールCD」特有の現象で誤動作を起こしプレイヤーが故障したため、興奮状態で線路に飛び込み電車にはねられたものと思われる。

はい、もちろん妄想ですよ、本気にしないで下さい。その位起これば音楽ファンを狂わせ続ける長期冷戦にもピリオドが....などと楽観的に考えられるわけがない。それにしてもある特定のCDショップ・チェーンだけは、ビートルズ騒ぎなどものともしない激震に襲われたと思われる昨日14日である。どこって? もちろん新星堂様だよ。あとの話は明日、このページがまっさらになった状態でしようかと思う。その方が有意義でしょ。
そうこうしているうちに一晩明けたが今度はもっととんでもない事態が.....我がHD/DVDレコーダーが御陀仏に。もちろんネイキッドを入れたからではない(それ以前に買ってないし、他のCCCDも断固としてボロラジカセ以外の機械には入れていない)。他の事に神経を集中するあまり、「世界ふ(以下、フェイド・アウト)
さあ、気を取り直して、まだ保証期間効くから明日でもM電機に持っていこっと。その間、iMacにはまだまだがんばってもらいましょう(同じHDDとはいえこっちはよく持久してくれてるなぁ。モデムも。13日夜一瞬認識しなくなって冷や冷やしたけど)

2003-11-26あることをした翌朝、太陽が黄色く見えた頃の話をしよう
29日店頭に並ぶワーナーのファミリー向け1500円DVDシリーズ。そのラインナップに、ハリー・ポッター第1作やルーニー・チューンズ各種に並んで、主題歌マイケル・ジャクソン(「フリー・ウィリー」)と制作総指揮ピート・タウンゼント(「アイアン・ジャイアント」)が名を列ねているのが、何とも言えませんなぁ。
昨日はいけない青春時代のことを書いたが、思い出せばもっといけない青春時代、勉学に励み友人が常に近くに存在した頃のことも書かねばならぬ。あの頃は、歌手やアイドルの好みで友人関係の善し悪しが左右されたということがよくあった。今青春真只中(爆)の皆さんもきっとそうに違いない。
私の場合、決定的にうまがあわなかったのは、松田聖子とさだまさしのファンである。聖子ファンは何か意地悪なやつが多くて、対してさだファンは根暗とかそういうのでなく、ただ単に陰険なヤツが多かったのである。逆にオフコースのファンとは結構うまが合ったというのは以前も書いたが、アイドルでは何故か堀ちえみファンの方々と仲がよかった。自分が堀ちえみファンだったということは恐らくなかったのだが、親戚の一人が彼女と勉学を共にしていたという関係もあって、ちょっと親近感抱いていたな。そのナチュラルさに惹かれる者は、決してヤな性格を手にしなかったのであろう。
そういえば伊藤つかさのファンの人もいて、彼女のイベントで撮影してきたつちやかおりの写真を大量にもらったことがあったな。エヘヘ。ファンだったっすよ。全米TOP40一辺倒だったはずなのになぁ。LP全部揃ってるし主要なシングルも。今度出るベストCDも買うよ、多分。まぁ、彼女の場合はついでに好きですなんて言ってたファンが結構いたんじゃないかな、と推測しますが。そんなわけで、未だにあの頃の状況が尾を引いているわけなんですよ。いや、さだはうちの姉(同居したのは2年位だったが)が大ファンだったので、かなり親しんでるはずですが。そんな姉はチューリップのファンでもあった。
ある意味日本最強のビートルズ・チルドレンだったバンドも、あの頃は所詮ニューミュージックのひとかけら。故にあの忌わしいレッテルの権化のようなものに奉り上げられるのかもしれない、ある世代にとってのビートルズとは。解散前後からポール成田逮捕あたりまでの間にファンになった人達が一番いけないんだよな。そういえば私自身もだな。奥田民生とかオアシスとかを経てファンになった根本的にCD世代のファンの方が、まだ幸せかもしれない。

2003-12-06今年は2日早いのです。そして一人
2年ぶりのジョン・レノン・ミュージアム。恒例のトリビュート・ライヴ・パーティが行われていた。ちょっと遅れて着いた時には丁度サエキさんが「ナースコール」を歌ってたのでちょっとなんでだろうモードに入ったが、その後松尾清憲さん登場で(ビートルズ・ナンバーより生「愛しのロージー」の方が感動的だったのもまた....)準備モードに入り、いよいよお目当てのデヴィッド・ピール登場だ。
まさにアップル・ファンにとっては伝説の人物。私みたいな「Z」好きの人にとっては永遠のフリーク・アーティストの一人。こうして日本の地を踏み、神格化されたジョンの姿を前にしても彼は尚も愛すべきフリーク! だった。今年で還暦とは思えない得体の知れないオーラ。ビートルズ・オンリーな人にとっては相当ショックだったと思われるが、いつしか彼のペースにはまってしまうわけである。通訳の人のどこかぎこちない説明、キャプテン・トリップのボスの負けずにぶっとんだ存在感。そして同行した若い男性(なんとデニー・レインの「義理の息子」だそう。ポールとジョンとここで...なんて強引にこじつけしてたな)はバックでタンバリンを振りながら、彼とユニゾンでフレーズを歌っているのみ.....。彼の曲もイラクで殉職した二人に捧げる、ワールド・ピースな曲と言っておきつつ脱力フォークで「イマジン」の歌詞をもろ使い.....。妙だ。でも憎めない。チューニングが狂ってようが別に構わない、彼の持ち味なんだから。(その割に5分ほど必死にチューニングしてて笑いをとっていたが。いや、それも彼の人間性の為せる技だろう) そんな彼の世界をCD16枚に渡って堪能できるボックス・セットを発売したキャプテン・トリップさんに嫌味ったらしい顔を向けることができるか。万々歳である。ほんとまじ、金があったら即効買ってましたよ。
その彼の演奏中に、ラヴ&ピースで統一されている会場内で起こり得る筈もないイヤな出来事があったが、それもまたビートルズ世代のジレンマみたいなものなんでしょうか? 落着いたらじっくりその辺について書きたいと思うんですが。いずれにしてもそういうのは抜きにしてザ・ビートルースの演奏には脳天ぶち抜かれました。考えてみればジョン・レノンだけは生で聴いていないんだった。彼のビートルズ・ナンバーをライヴで聴く事だけできなかったのだ。この夕方、「アイ・アム・ザ・ウォルラス」(可愛いおまわりさん登場の演出が素敵だった)や「ストロベリー・フィールズ・フォーエバー」や「ア・デイ・イン・ザ・ライフ」や「トゥモロウ・ネヴァー・ノウズ」(サエキさんが拡声器を駆使して熱唱!)といった「とんでもない曲の数々」を生演奏で聴いて本当、胸が熱くなった。あのドラマーはジョン・レノンの中にキース・ムーンが入ったような見事な熱演だったな。
ジョンとヨーコの生きざまを観て愛の意味を再確認することよりも、ずっと心の奥に突き刺さる経験だったかもしれないのだ。打ち上げモードで盛り上がる会場を後にして私は一人家路につき(本来行く予定だったTGVが惜しくも中止)、いよいよ最終段階の前の段階、パッケージングに突入する。今日はいい音楽にいろいろと恵まれいい気分です。

2003-12-07ドリンキング・イン・さいたま
最近ルル網周辺を震撼させている音楽的事柄と言えば何を隠そうピッピ隊音楽部の『ニュース』だが、ここ3日間に限ればそれに負けていないのがブラン・ヴァン3000の『ディスコシス』なのだ。よりによって、レコード会社に見捨てられ、廃盤セールに出されたばっかりの同アルバムが何ゆえに.....どうやら、収録曲「ゴー・ショッピン」が車のCMに使用されているかららしい。しかも実際は10月頃からだったらしく、ルル網が廃盤セールで同アルバムを買ったという記述がサーチエンジンに引っ掛かり始めたのが最近ゆえこんな現象になっちゃったらしい。
それにしても東芝EMI、またやっちまいましたね。せっかく売り時に入ろうとしていたアルバムを、そそくさと廃盤にして葬り去るなんて。まぁ、タイミング的にはCMクライアントが同曲の使用を打診する以前にカタログからの削除を決定し、店頭から回収した(もちろん会社と小売店以外にこの手の情報が漏れる事はないだろう)という可能性もあるので、単純に責められないのであるが。この場合は海外での発売元であるグランド・ロイヤルの消滅など多分関係ないと思われる。ただ単に売れなかったからカタログ削除したという事だろう。私も実は廃盤になるまでこのアルバム未チェックだった。ファースト・アルバム『グリー』はよく聴いていたんだけど、『ディスコシス』が出た2001年はやはり2001年、浮かれ過ぎて洋楽を隅々までフォローってことをあまりしてなかったのである。実は廃盤になるちょっと前、池袋のユニオンで格安で売られていたのを見たのだが、それでもスルーしてしまった。ああ勿体ない。CM云々を別にしても本当いいアルバムなのに。もし今年の新作なら洋楽部門ベスト3に入る位気に入ったのに。いっそ2003年懺悔フラッシュバック(?)大賞にしたいよな。
で、東芝は東芝でグッド・チャンスもらったっていい気になるんだろうな。どうでもいい厨房向けコンピに「ゴー・ショッピン」を入れるか、もしくは『ディスコシス』をちょっと価格落して再発するとか.....もちろんCCCDで。PISS OFF!!!! マイクD、許すな! いずれにせよ、気になるお天気お姉さんやキャンギャルの名前と「画像」や「萌え」や「水着」をキーワードに併記してサーチされるよりも、こうした音楽的事項でサーチされる方が、ルル網としては遥かに気分いいんです。

2003-12-08今日こそ祈りの日
というのに不謹慎な替え歌を口ずさんだりしてちょっと嵐の前の静けさを楽しんでる丸芽志悟ですが、今朝荷物を送るため普段よりちょっと早起きしてめざましを見てたら、一昨日のJLMのイベントの模様が流れててびっくりした。幸い自分は映っていなかったが、すぐ近くにいらっしゃった方の顔がドアップになっちゃったから朝から冷や汗です。まぁ、気にしちゃいけないんだからね本当は。自分がまじで出ている某スカパー(だったっけ、忘れちゃった)のアイドル番組は実は見ていないんですけど。恐る恐る元○イントフォーのメンバーの名前でサーチしたりしてみようっと。
で、その一昨日あったヤな出来事というのが、書くにも書いていいのかというものでして。パール兄弟の演奏が終った時、彼等目当てで来たかもしれないお客さんが数人席を立って、隙を見て今だと空いた席を確保。サエキさんは「一番前がいっぱい空いてるので、別に怖くないから」と煽ってくれたけれど、さすがに相手がDPじゃあね。で、恐縮にも一番前ではない所に座ったわけですよ。そしたら、DPのセットの途中で、いかにもリアルタイマーっぽい世代の淑女が数人やってきて、「ごめんなさいここ指定席なのよ」と.....ええ、黙って立ち退きましたとも。ピールさんと目と目でコミュニケーション出来ないところまで下がりましたとも。しかし大体このラブ&ピース&フリーダムな空間に指定席はあるってのか? まぁ、あまり餌を撒き過ぎると後が怖いのでその辺にしておくが、要するに皆同じなんだよ。好き者から一歩前に出ない限りは。私の職場で一緒に働いている方々の中にもリアルタイマーはいっぱいいるし、未だにロック大好きおばさんの方もいるのだが、ある程度人生の荒波が進むといつまでも自分勝手でいられないと自覚するのだろうというのはよく解る。
80年代アイドル・マニアとか同人系アニヲタとかならまだしも、リアルタイムでビートルズが好きだった人の中にはそんな人はいるわけないと思っていた。それが間違いだったということがやっと解った。いや、巨大掲示板のそこここを覗けば、もっとよく解るかもしれないけどね。ビートルズに限っては、金がたんまりあって所持品のマニアック度を競い合う人々が一番ヤなタイプだと思っていたのだが、そういう人達の中核って実はリアルタイマーよりちょっと後の世代だったりするんだよなぁ。あとその世代に限ってビートルズという共通項の元無難に異性と結ばれ、マニアックかつ幸せな家庭を築く確率が妙に高いと思われる(悔しー)。
前にも書いたけど、70年代にファンになった人は幸せなようで不幸だった。ビートルズはハード・ロック程小汚くなく、プログレ程頭でっかちでなく、パンクほど挑発的でなく、BCRほど甘くなく、西海岸ロックほど土臭くなく、シンガー・ソング・ライターほど内省的でなく、全てにおいてスタンダードだった。だからこそリアルタイム洋楽(邦楽も)よりも優越感を持って聴いてた人が多かったのである。特にジョンが主夫業に専念し出す76年以降は、各メンバーのソロも無難なものが多くなっていくので余計である。そのイメージが、80年のあの事件とあの事件で崩れたと言ってもいい。そこからは幻を拾い集めるミステリー・ツアーである。悪い表現で言えば「ビートルズ神話」のスタートだが、それに附随するいい事もいくつかあった。
例えばエミット・ローズやラズベリーズやバッドフィンガーやらは、どう考えてもリアル・タイム以上に今の方が人気が高い。ラトルズやクラトゥーに至っては単なる色物としか思われなかったが、今は寛大に聴かれている。そして何よりも、今では誰もが大好きな一昨日の文の最後の方で挙げた4曲とか「ハピネス・イズ・ア・ウォーム・ガン」とか「ヘルター・スケルター」などは、明らかに70年代最も過小評価されていた曲の数々である。(実は11/26のエントリーにも登場したうちの姉は「ストロベリー」大好き、と言っていたっけ......まぁ、私が色々と聴かせたんだけど) そうなのか、実は「優越感に浸る事」とは「センチメンタリズムを擁護する事」でもあったのだな。「センチメンタリズム」なんてあの5発の銃弾と共に砕け散ってしまったのだ。
そう、23年前の今日その日に。

2003-12-17オラはブレイクされちまっただぁ
うううううううううっ。あと3日以内にせねばいけないことがあるのに全く気力がない。それ以前にモジョも最低限しかない.....どうせ師走だ、ゆっくり遊んでられるわけがないと思ったのがそもそもの間違いなんだな。というわけで折角最後の最後なのに予定をランオーバーしてしまうかもしれませんので(解る人だけ解ってね)
しかし12月も最後の最後になってこんなに強力新譜攻勢がかかってくるというのも、また「売れない」の裏返しかもしれないが。かつては年末商戦に向け10月〜11月に勝負をかけてきたものだった。11月第3金曜日にユーミンの新譜が出て...というのがお決まりのコースで、業界全体がそれに習えという感じだったが、今はあくまでも消費者に消費させることだけを念頭に置いてスケジュールを組んでいるのである。その結果、(一般的には)今日から約11日間止まらない新商品の応酬である。ボーナス支給後だと消費モティベーションが高まるなんて憶測は、私に言わせれば都市伝説も甚だしい。大体ボーナスがちゃんと出てるのか、それさえ未知数だからなぁ。そしてそれを音楽や映像ソフトに張り切って使う人達が本当にいるのか。それも把握できない。
しかし今年は違う。あゆ、ユーミン、ドリカム、サザン、これら強豪達と発売タイミングを堂々と並べ立ち向かうミスター・モジョ・ライザーの出現。言うまでもなく「日本ブレイク工業社歌」だ。
今朝のTBSの番組で早速このブレイク祭りが取り上げられるというので、早速録画してチェック(堀井美香目当てで「おはようクジラ」を見てた頃以来だなぁ)。確かになぁ。新星堂全体で2000枚、それでも足りなくて3000枚追加だそうだ。これははっきり言って一番凄い時のサザン以上ではないか(私の犬時代の経験比)。現・我が奉仕先での状況はというと、事情が事情だけに初回供給数はいまいちだった(むしろアニメの強い店には行き渡ったが)が、発売日の今日を過ぎるとバックオーダー殺到の予感がある。まさに時代が求めていた歌なのだ。「解体業」のダーク・サイドを裏返し、内に秘めた己の破壊的衝動を能動的エネルギーに変換するパワーを持ったそのメッセージに、背筋をまっすぐにせずにいられない一般人が続出するはずだ。そしてまっすぐな背筋のままCDショップに直行させるというわけだ。ほんと、ヒット曲というのはそういうものなんだよ。それを今の売り手はわかってないと思う。
36年前の今頃のこと。その年の夏にこっそり自主制作されたある歌がラジオでひっそり流れたら、たちまち世間が卒倒。その曲を一般流通(今で言うメジャー・デビューか)させることが即時決定され、終ってみたらメガ・ヒット。そして日本の音楽制作現場の在り方を変えてしまったという出来事を忘れてはならぬ。その鋭い視点を持ったレコード会社は、36年経った今CCCD渦で音楽愛好者の敵の筆頭に挙げられているのと同じ会社(社名は変わったが)である........NBK社歌がこの会社の恩恵を受けなかったことに我々は感謝して、いいのだろうか。こういう時に暴れてこそメジャーなんだと思うけどね。
そんな私はまだ祭りに参加できていません。時間ないからです。厳密には近所に10時までやってる店があるんだけど、入りそうもない(未だに「R15S」と「ガラスのクツ」両方の初回・通常盤を4枚並べて面出ししてるようなネタ好き店にも関わらず.....) 21日、池袋や渋谷(メインの出没先は代官山なのだが)で何とか手にできればと思います。

2003-12-23デスクトップで山本木辛タンが....
久々にスキャナを使う用事があったのでついでに......もう全く、です。 (あまりにもイメージ検索されすぎるのであぼーんしますた)それとは関係ないが21日の出来事をもうちょっと。
実は渋谷でゆっくりするのは諦めて、最初に向ったのは銀座だった。目的は幾つかあったが、まず山野楽器でインディーズの棚を物色。幼いお子さんが再プレスされた栗コーダーカルテットの公式ブートを手にとってニヤニヤしていたのでよく見たら、試聴機で彼が聴いていたのはこともあろうにNBK社歌だった! 恐るべし。とうとう銀座で気ままにショッピングを楽しむ親子層にまで浸透してきたか。こんな浸透の仕方なら幾らでも歓迎です。まぁ、インディーズ棚物色は別のものを探すためだったのだが。その後、クラシック売場に行っていくつか情報を摂取。ヤマハに行ってちょっと美味しい生演奏(?)を楽しんできたりした。ああいうシチュエーションは2年前なら物凄く熱くなれただろうなぁ。で、時間的に無理があると解っていながら渋タワに行ってまた例のものを探し.....結局無駄だったのだが。あんなもんR15Sに相当の感化を受けた自分みたいな人以外欲しがらないと思うんだけどさぁ(昨今の所謂インディーズロックの王道からは外れているし、まさかヒップホップと勘違いしてる人なんているわけないだろうに)。
実はここで触れてる「例のもの」(ちゃんと買ったら詳しく書きますだに)以外に一つ気になっていた商品が、例の平原綾香「ジュピター」と同じ日に同じレコード会社から発売された「音楽室の楽器たち〜スタジオジブリ作品 音楽選集」というCDだった。タイトル通り、ジブリ作品でおなじみの曲を小学生時代に慣れ親しんだ楽器で演奏するというもので、ナウシカのDVDが激売れのこの時期にはうってつけの商品に違いない。ジブリ云々は別として「音楽室の楽器たち」というコンセプトはもうハート直撃としか言い様がないものである。で、実際試聴してみる。制作意図は伝わってくるし、オルガンやリコーダーの録り方なんか申し分ないのだが、一つ引っ掛かるのはやはり演奏が上手すぎるということだろう.....資料によると、スタジオ・ミュージシャンではなく音楽の先生の方々の演奏ということであるが。上手すぎると、かえって音楽室の床が持っていた独自の温度とか、先生と生徒の間で交わされる甘い匂いから遠ざかるという気がするのだが。やはり手堅い方が一般人をそそるというのは正しいのかな。
ともあれ、このコンセプトは続いて欲しいと思っているし、むしろ色んな人の意見を得て進化していくのではないだろうか。まぁ、一番求めてるのはこれとピッピ隊音楽部の丁度中間(プラス、ラングレー・ミュージック・スクールのアレの概念少々。やはり現役生徒の作り出すヴァイブが一番いい)、なんだけどね。結局渋谷から歩いて辿り着いたSleeper's CafeでOraNoaさんの「グリーンスリーヴス」に心を浄化されつつ、ふとそんな事を思った。ちなみにこのCDの帯に書いてある「ふえ」のひらがな二文字こそ字面的に一番萌え、かもしれない(その道のプロでもないのにかっこつけてブロックフレーテなんて言う半端者には萎えるな)。
それにしても銀座も渋谷もこの時期一人で行くのはある意味苦痛である。帰りも渋谷を通りたくないので代官山から気ままに歩いて何故か中目黒に辿り着き、そこから銀座経由で帰路についた。意地でもアレをゲッツするためわざわざ遅くまで開いてる新宿のタワー目指して途中下車する余裕があるわけなし。

2003-12-27テキサスの孤執りは守れない
まず最初に、思いがけない御歳暮どうもありがとうございます。大きな励みになりそうです(社外秘)
この師走に体調が悪くなり過ぎると自然に反省モードに入ったりするわけですが、ふと我がMacのHDの「ダウンロードしたファイル」フォルダをチェックしたら、ここからいつのまにか落してたJandek(ジャンデックというのが正しい発音らしいが、あまりにも様にならぬので英文表記で統一させて頂きます。海外の方がこれを見つけて何書いてるのか不思議がるのも楽しみだし)のディスコグラフィーが保存されていた。ちなみに他にはビートルズの演奏や録音におけるミスを詳細にレポートしたサイトとかこれも海外発のゲロゲリゲゲゲのディスコグラフィーとかWCPAEBストーリーとか、まぁそんなのばっかり。「黄金の都シカンを撮る」という違う意味で貴重(今は消されているが、某女史の名前が自分とテレビ埼玉と旧浦和市のサイト以外で唯一出たものに違いない)なレポートページも入っているのだが。
このJandek、マイナー指向を持つ好き者の間では知らない人はいないと思われるアーティストで、何より過去25年の間に35枚ものアルバムを、完全秘密裏な自主制作/流通ルートにてリリースしていたという驚異の仕事量。しかしその音楽表現のエネルギーが決して誰にも向けられていないという点で特異すぎる人である。まぁ、70年代後期のザッパと80年代中期のプリンスの創作意欲を足して、シド・バレットの脳髄に注入し、さらにそれをマイナスのベクトルで掛け、ビートルズの対極の聴衆に向けて放射したものと思ったら話は早いか(余計解らんか)
私は87年頃、当時FENでやってたDr.ディメントの番組でちょっとだけ曲が流れたのをきっかけに彼を知ったが、持っているアルバムは92年初頭に手に入れた2枚、87年の"Blue Corpse"と91年の"One Foot In The North"のみ。その時、明大前のモダーン・ミュージックには彼のアルバムが10数枚あったのを覚えているが、その後は約2ケ所でぽつぽつと見かけただけである。何故かトリビュート・アルバム"Naked In The Afternoon"はユニオンで中古で見つけて買ったのだが。
彼の何が特異か、と言われても即答に困る故特異としか言い様がない。ブルースの本来の意味を拡大解釈し過ぎたような、苦痛に呻く歌声とギター。そして孤高すぎる音場。これとてアシッド・フォークなのかもしれないがそうではない。何かに変容された跡がない。元から彼の中に住み着いた幽玄な自己なのである。だからこそ「その後のシド・バレット」でも「ティム・バックリーの亡霊」でもない。まずは先のサイトに行って、そのどこを向いてもいない、なのに印象に残り過ぎる顔面をチェックしてほしい。 アメリカはどっちを向いても極端だなと思わずにいられないと、彼の曲(まぁ全仕事の17.5分の1しか聴いてなくても十分と感じるんだけど)を聴いて実感する。日本の内省的歌い手の皆さんはまだ幸せなのだ。たとえ破壊的衝動を歌の中で見せようが、まだポーズと思わせる余裕がある。ノイズの人達もそうなのかなぁ。
日記を見たら、Jandekのレコード買って明大前を離れた時、耳元で鳴っていたのは青木愛(今年、衆議院選挙に参戦して見事当選し、話題になった)の歌声だったと書いてある。

2003-12-28妻の日の愛のかたみに
昨日ジャンさんの事を一通り書いてからチェックした例のTBS「あの人は今」番組。青山ミチには泣けてきたよホント。波乱万丈番組にすると3時間は超えそうな壮絶人生はさらっとまとめられつつも、充分彼女の生きざまの痛みを伝えていた。娘さんが絡んでくると余計である。で、そのあと母娘で歌ったのだが、ミチさんまじで本物だよ。歌えまくるよ。感動せずにいられるか。何せ今まで見たものといえば「敵前上陸」で踊ってる姿だけだったもんな。
願わくば「ヴァケイション」はやめてほしかったと、思う。「叱らないで」なら痛みがもっと増すだろうし、かといって「ミッチー音頭」のようなポジティヴすぎる曲もだめだ。やはり歌って欲しかったのはアレ、「風吹く丘で」だ。その曲が現在どのような形で知られているかについては今更書かなくてもよいだろう。
多分娘さんもこの曲が母親によって最初に具体化されたのを知らないのではないだろうか。そして作者コンビも恐らく彼女のヴァージョンはなかったことにしたいだろうと思う。彼女自身にとっては丁度何度目かの不祥事に伴うレコード会社の移籍前で複雑な段階の時期の曲であり、プロモーションも何もなかっただろう。でも、今のような時代に影の影を影として葬り去ることは愚かだと思いませんか? 彼女とその娘の生きざまを目にして、この人とこそ一緒に録音しなければ、救ってあげなければと、そう思って当然でしょうと島谷ひとみさんに告げたい思いである。(でももしそれが真っ当に実現したら、CCCDに参加するという好き者にとってはこれ以上ない大罪に加担することになってしまうんで願いたくても願えないですが)
ユニバーサルさん、クラウンさん、今こそ彼女の歌を甦らせるべきです。コンピ出して下さい、お願いします。その前に「風吹く丘で」にとってやっと本当の夜明けが来年早々やってくるらしい....... しかしミチさんの娘さんの潔さは松本ちえこさんのそれと好対照だったな。色々あるけどやっぱアイドルの子供って見たくないなぁ。そしてまたあの人が.....TBSさんいい加減その位にしといたらどうですか。本人はやっと解ったらしいのに。
ジャンデックとかLAFMSとか段々捻れた方向性に向おうとしている私に再びソフトロッキンなショックが....テキ小守でかけたPSYRCHLEZ曲をサーチしたある方のおかげでとんでもないサイトを見つけた。はっきり言って負けた.....コンピ(多分青だと思うが)130枚かよぅ。興奮が収まるまでリンクしないけど、少なくともフォークルとジェリービーン・コップアウトが続くなんて徒者ではありません。

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